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千日紅  作者: 東谷
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~青春のボーナスステージ免許合宿~ 第2章

2章

最後の教習が終わり、待合スペースに行くと裕太の隣に女の子が2人いる。

初日に話しかけてくれた、小田奈緒と青木エリーナ朱璃だ。


「お!圭斗お疲れ!」

「お疲れさま!」女の子2人がそろって言ってくれた。

「お疲れ!どうしたの、3人集まって」驚いた口調で聞いた。

「私たちも人待ってて、ちょうど裕太がいたから一緒に待ってたの!」裕太のやつ、羨ましいな。小田奈緒が続けて言った。


「裕太には話したんだけど、今日の夜20時に寮の近くの砂浜で花火するんだけど、よかったら来て!たくさん人呼んでるから、楽しいと思う!」

「そうなんだ!」嬉しいような嬉しくないような複雑な感情になった。

「行くね!ありがとう!」

「じゃあまた!夜ね!」と言って女子2人は立ち上がった。


「俺らも帰ろう。」裕太が立ち上がった。

「おう。んで、どうする?」

「それな。おれらが知ってる人1人もいないのに気まずいだろ、絶対。」

「うん、これはやばいことになった。行くって言ってしまったな。正直行きたくない。」


2人とも大人数での集まりが苦手なタイプだ。裕太はどんなもんか知らんが、俺は本当に苦手で、高校の体育祭・文化祭のクラスの打ち上げが地獄だと思ってたくらいだ。なんでこんなにも苦手なのか自分でもわからない。しかも今回は知らない人しかいないんだから、尚更だ。


「行きたい?」

「圭斗と一緒なら、行ってもいいけど…。せっかく誘ってもらったし。」

「まぁな~。」


ぐだぐだ会話をしていたら、寮に着いた。千日紅は元気に花を咲かせている。この花のように明るい心を持ちたいところだ。


まず俺らは飯を食べに行った。

「本当に、どうしようか(笑)」裕太はもはやこの状況を楽しんでいる。

「俺思ったんだけど、行くか行かないかが合宿生活を決める究極の選択になってると思う。」

「というと?」

「もし行ったら、顔見知りが増えて、交友関係が広がり、これからが楽しくなる可能性がある。」

「行かなかったら、俺ら以外の皆で絆が生まれ、これから省かれる。地獄の始まりだ。」

「絶対行った方が良いじゃねぇか!(笑)」

「そうだ。行った方が良い。でもな、団体に飛び込んでいくのは怖い。逃げたい。だから、悩んでるんだ。」

「めちゃくちゃわかる。よく言葉にしてくれた。」

「まぁ時間になったら、一回見に行くか。それから参加するかどうか決めよう」

「そうしよう。」


夜ご飯を食べ終え、部屋に戻った。

裕太が俺の部屋に来た。

「時間が近づいてきたな。」

「なんか緊張するな。」

「わかる。心臓が鳴ってる(笑)」


そして、勇気を振り絞り、部屋を出て、砂浜へ向かった。

砂浜から、声がする。もう始まっているのか。

「うわ~。やってるよ。」行きたくない。逃げたい。

「これクラスの1軍しかいないやつだ。」

「一回止まろう(笑)」砂浜の手前には3mほどのコンクリートの塀がある。この塀についている梯子を上って越えると砂浜が広がっている。

「これ行くのだいぶ勇気がいるぞ。」裕太が言い出した。

するとそこへ


「裕太せんぱーい」

「あれ、裕太君なにしてるの」

男の子2人がやってきた。裕太と知り合いのようだ。

「え、2人ともなんでここに。」

「だれだ?」

「ほら!前に話した飯のときに出会った大阪の子!」裕太が紹介してくれた。

「裕太せんぱいのお友達ですか!」可愛らしさのあるぽっちゃり気味の男が言った。

「あー!この2人だったんだ!浅野圭斗です!よろしく!」

「僕は門馬和也いいます!」身長低めで、ぽっちゃりしててかわいい印象だ。

「俺は山添翔です!」こちらはシュっとしててかっこいい感じだ。


「2人はなぜここに?」

「花火をやるから来いって言われてきたんすけど、行くか迷ってて…。とりあえず見に来ました!まさか先輩も?」

「大正解だ。もう裕太は寮に戻りたいってさ(笑)」自分を棚に上げた。

「先輩ビビりっすね(笑)」

「これは嫌だろ。知らん奴しかいないのに。」


そうこうしていると、また人が近づいてきた。女子2人だ。

「あれ、こんばんは~」和也が声をかける。おれも後に続いた。

「こんばんは。もしかして、花火ですか?」

「そう!でも行くか行かないか、モタモタしてるなうです(笑)」俺が説明した。

「そうなんですね、私達もどうしようか迷ってたので、同じです。なんか安心しました(笑)」

「6人もいれば、行きやすいんじゃないですか?」翔が言う。

「そうだな、行くか」裕太は覚悟を決めたみたいだ。

「じゃあ私達荷物置いてきます!ちょっとまっててください!」お風呂あがりだった2人は寮に荷物を置きに行った。

「行きやすい展開になったな。」俺は行きたくない感情がなくなってきた。

「そうだな。奇跡的に(笑)」


「お待たせしました!!」女子2人が帰ってきた。

「よし、行こう。」

ゆっくりと梯子を使って塀を越えると、30人くらいが集まって花火をしている様子が見えた。とても楽しそうな声が聞こえる。



団体のところに足を運ぶと、各々がグループを作って花火を楽しんでいた。そして、各グループに花火を配っている小田奈緒の姿があった。


「あの子、みんなの中心じゃん。」

「すげぇな、コミュ力のバケモンだ(笑)」

すると、俺たちにも花火を渡しに来てくれた。

「おおー!裕太と圭斗!来てくれたんだ!はいっ、花火。」

「うん!奈緒ありがとう!!」奈緒につられて下の名前で呼んでしまった。


まずはさっき出会った女子2人と一緒に花火を楽しむことにした。裕太は別の女子に声をかけられ、そっちへ行った。

「火つけるね」借りたチャッカマンで花火に火をつけた。

「ありがとうございます!」

「俺は浅野圭斗!大学3年の21歳!2人は?」

「植田加奈です!今年20歳です!」茶髪のショートカットで元気で可愛らしい子だ。

「向井美玲です、同じで20歳です。」黒髪のロングヘアでおしとやかな感じだ。顔が小さく、目がクリっとしてて、今着ている黒のワンピースがよく似合う、いわゆる美人だ。


「加奈と美玲!よろしく!2人は入校日いつ?」

「たぶん同じですよ!12日です!」

「え!同じじゃん!なんで同じってわかるの!」

「1番最初の説明会のとき、席が隣でした(笑)男子少なかったので、よう覚えています!」美玲が言う。おっとりとした関西弁がとてもかわいい。

そういえば、香川に来て関西の女の子と話すのは初めてだ。


「そうだったのか、全然覚えてない…。(笑)」

「2人は関西?」

「はい!兵庫です!圭斗さんは?」

「兵庫か!おれは東京!」

「わー!大都会や!!」2人とも目を光らせている。

「2人はもともと知り合い?」

「はい!高校からで今も同じ看護学校に行ってます!」

「そうなんだね!おれはあそこにいる裕太っていう大学の友達と来た!」

裕太を呼んで4人で、話をした。


もはや花火はせず、お喋りをして時間を過ごした。香川に来て、こんなにじっくり女の子と話したのは初めてだったので、ものすごく楽しかった。

そのあとは、別の2人の友達(同じ入校日)とも知り合うことができて、楽しい時間を過ごした。知り合いが一気に増えたので、明日からが楽しみだ。


やがて、寮の門限が来たのでみんなと別れ、裕太と部屋に戻った。

「バカみたいに楽しかったな。(笑)」2人で興奮しながら言い合う。

「うん。まじで行ってよかった(笑)」

「あんなに女の子と絡んだことないぞ。しかもみんなかわいい。」

「ほんとそれ。おまけに関西弁で癒される。(笑)」

「究極の選択、成功したな!(笑)」

「これは明日からが楽しみだな、世界変わるぞ(笑)」


明日は朝が早いので、温泉に入ったあと2人はすぐに寝た。

ベッドに入るとき、今日出会ったすべての人の顔を思い出した。みんな個性的で楽しい子ばっかりだ。

特に、記憶が色濃く残っているのは美玲だ。出会ったときに感じたんだが、あれは俺のタイプだ。本当にかわいかった。中身もおしとやかで上品な雰囲気だ。もう会いたいとさえ思っている…。


最後までお読みいただきありがとうございました。


ここで、花火をきっかけに女の子と出会った圭斗。そして、これからの合宿生活が楽しみになったのである。

これからどんな生活が待っているのだろうか…


これは私が初めて書いた小説です。

どうか温かい目でご覧ください(笑)

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