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千日紅  作者: 東谷
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~青春のボーナスステージ免許合宿~ 第1章

東京に住む、大学生が自動車免許合宿に参加したリアルな日常を描いた物語です。

最後までご覧いただけると嬉しいです。

俺は浅野圭斗。21歳、東京に住む大学3年生だ。

今は夏休み。といっても来年の教員採用試験に向けて勉強漬けの毎日である。外に出るとしてもバイトくらいだ。

そんな俺に1生に1度の夏のイベントが始まる。

明日、8月12日から2週間の自動車免許合宿に行く。場所は香川県だ。もちろん1人ではなく、大学の友達と2人で行く。見知らぬ場所に1人で行けるわけがない。


「明日の準備したの~?」

母親が一応心配してくれている。ちなみに準備は全くしていない。最近は勉強とバイトで忙しかったので、免許合宿のことなんて頭になかった。

「ついに明日か…」

期待と不安が入り交じった感情である。しかし、2週間勉強から逃れられると思うとうれしい気持ちが勝る。


~翌日~


朝7時、俺は大きな荷物を抱え、家を出た。一緒に行く友達とは東京駅で待ち合わせをしている。

「おはよう!」

友達の高山裕太だ。俺よりかなり前から着いていたみたいだ。彼はかなりきっちりしている性格だ。俺とは真逆で。

「ついにこの日が来たな!楽しみだな!」

「友達できるかな。俺、裕太以外と喋れる自信ないわ(笑)」

「大丈夫だよ、免許合宿は仲良くなるってよく言うじゃん?」

「確かによく言うよな、男女であわよくば…もあるって聞くし…(笑)」

「それは俺らには無縁の世界だ、でももちろん期待はしてる(笑)」

そんな会話をしながら新幹線に乗り込み、香川へ向かった。


新幹線と特急列車を乗り継ぎ、12時半には集合場所に着いた。

「着いた~~~~!」

「長旅だったなぁ」

「ねね、あっちに人いない?」同世代の女の子が数人見えた。

「あ!ほんとだ!なんかちょっと緊張してきた(笑)」

「わかる。(笑)」高校や大学に入学するときの緊張感と同じものを感じていた。


集合場所まで行くと、先生?のような女性が誘導してくれて俺たちはバスに乗り込んだ。

30人くらい人が乗っている。女の子が多いという印象だ。


「こんにちは!!本日の入校日の生徒さんが集まったので、出発させて頂きます!まずは寮へ行き、荷物を置いてきてもらいまーす!」さっきの女性が説明している。

バスが出発し始めると、車内は静かになり、不思議な空気に包まれた。


「着きました!こちらが女子寮です!!女の子は降りてください!」

多くの人が立ち上がり、重い足取りでバスを降りていく。

「やっぱ寮は別なんだな」心の奥底にある淡い期待が消えた。

「ん、女子多くね?」

「たしかに、ほとんどいなくなったな(笑)」

少し離れたところに男子寮があり、俺たちはそこで降りた。

「おいちょっとまて、男子おれらだけじゃねぇか。」

「まじ!?それはやばいって…」良いのか悪いのかわからんが、さすがに男子がいないのは不安だ。今はただえさえ色々と不安なので、追い打ちだった。


「こちらが2人のお部屋になります!13時半には自動車学校にこちらの紙に書いてある持ち物をもって来てください!寮から学校までは歩いて5分くらいかかるので遅れないようにお願いします!では!」


寮の入り口には明るい紫色の綺麗な花が飾ってある。とても美しい。たしかこの花は『千日紅』だったと思う。花は全く詳しくないが、お母さんが家で咲かせているのでたまたま知っている。


「おーー!結構きれいじゃん!!」部屋には満足だ。

向かいの部屋が裕太の部屋なので、とても近い。安心だ。

荷物をまとめて、裕太の部屋へ行く。

「意外と良い部屋だな!」

「うん。充分だ、それより、まじで女の子ばっかりだったな(笑)」

「そうだよ、これじゃ友達出来ないよ(笑)」2人ともガツガツ話しかけるタイプでもない。しかも相手が女子じゃ尚更だ。2週間裕太と2人っきりで寂しく過ごす未来がみえてきた。行く前にあわよくば…とか言ってたのが懐かしい。



時間になったので自動車学校へと向かうと教室に集められ、説明会が行われた。

さっそく今日から、授業(座学と技能教習)が始まった。俺と裕太は授業のスケジュールが違う部分があるので、その時は別行動になることが発覚した。つまり、1人。最悪だ。




今日の授業が終わり、裕太と一緒に寮へ戻る。

「やっと終わったな、もう東京帰りたい(笑)」俺はもうだるさを感じている。

「まだあと13日あります(笑)」

「てか、普通に男子多いじゃねぇかよ」このことをまだ引きづっている。

「それな!俺らの日がたまたま(男子が)少ないみたいだな(笑)」

「裕太、前の女子って今日入校した人達じゃないか?」

「あーーーそうかも」

「8人くらいでいるってことはもう仲良くなってるのか、いいなぁ同性は。」

「そういうことになるな(笑)」

「お前、話しかけに行ってこい!」

「無理無理無理。あんなのに突っ込んでいけるわけがない(笑)」


すると、


「今日、入校日した人たちですよね!!」8人の中から2人が抜け出してきて、話しかけてきたのだ。

「はい!!そうです!」思わず俺と裕太は声を合わせて明るく返事をした。

「私たちもです!よろしくお願いします!!」

「よろしくお願いします!!」やばい、嬉しい。

「名前は…?」

「俺は浅野圭斗です!」

「俺は高山裕太!」

とそれぞれ自己紹介をした。そのあと2人が

「私は小田奈緒!」金髪の元気な子だ。

「私は青木エリーナ朱璃!」と自己紹介をしてくれた。カナダのハーフだそうで、顔が整っており、スタイルも良い美人だ。

「これからよろしく!!」と言い合い、そこで別れた。

2人は専門学校に通う、今2年生の20歳で、東京から来たらしい。俺ら以外に東京から来ている人なんて数少ないだろうから、驚いた。


「まさか話しかけてくれるとはな…(笑)」ただ向こうから挨拶されただけなのにずいぶんと嬉しかった。

「あの2人は大切にしよう。明日からバンバン話して仲良くなろう。」

「そうしよう(笑)」



これからの合宿生活について、くだらない妄想を語りながら夜ご飯を食べ、温泉に入り、2人はすぐに寝た。



「今日のスケジュールは全部同じなんだな。よかった。」2日目の朝を迎え、裕太が授業のスケジュール表を俺のと見比べている。

「よかった。そろそろ行くか。」

自動車学校へ向かうと、たくさんの人がいて、その中から昨日の2人を探している自分がいた。

「昨日の2人はいないみたいだな。」少し残念そうに裕太が言う。裕太も探していたのか。

「そうだな。今日は何人と出会うかね(笑)」

裕太がいれば、わざわざ友達を作る必要はないと思っていたが、もう交友関係を広げようと前のめりになっている。


しかし、その日は昨日の2人と話すことはなく、授業が終わった。特に友達もできていない。

「友達できたか?」帰り道で裕太と合流して、聞いた。

「うん!昼飯の時に出会って、一緒に食べた!」裕太がうれしそうに言う。

「お!まじか!男?」

「そう。2個下の大阪の子!しかも2人!」

「お前、やるな。」

「話しかけてきてくれた。おもしろくて良い子達だったぞ!」

「いいな!今度会いたいな。」

入校日は違うみたいだが、これをきっかけに交友関係が広がりそうだ。俺も早く友達をつくりたい。


自動車学校は大学の授業みたいな感じで、クラスなんてものはないので、意外と出会いがない。自分から行動をしないと友達はできないことに気づいてきた。つまり苦手なことをしなくてはいけない。






当然ながらその苦手なことができるわけもなく、悲しいことに次の日も新たな出会いなかった。


今日もいつもの1日が始まった。裕太と授業が違うので、少し別行動だ。

学校に入ると目の前にある待合スペースに裕太がいた。

「お、裕太。次なに?」

「無線!いまコースを必死に覚えてた。」

「無線か~。方向音痴にはきついよな(笑)」

「うるせぇ。圭斗、次は?」

「次は普通車、その次が無線や~。」

「あと2つもあるのか。がんばれ。」

『無線』とは学校内にあるコースを自分1人で車に乗って走る様子を教官が見て指導する、という技能教習である。初めて1人で車に乗るので、不安である。


「俺、次の無線で終わりだから、圭斗が終わるまでここで待ってるよ」待合スペースは大勢の生徒が居座れる広いスペースになっている。

「まじ、1時間もあるけどいいの?」

「1人で帰りたくないから待つ(笑)」

「わかった。ありがとう(笑)」


思っていた合宿とは違ったコミュ症の2人。しかし、奈緒とエリーナが話しかけてくれたことで何かが変わりそうに…。


私が人生で初めて書いた小説です。どうか温かい目でご覧いただけると幸いです(笑)

そして、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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