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入れ替わりのプリンセス  作者: 夜宮
プロローグ
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覚醒した悪役令嬢カレンの暗躍 5

 花蓮であった記憶を持つ今のカレンにとって、ヒロイン殺害の計画は保身の面では問題ありだが、どのみち計画は失敗したのだからいいとしても、父が犯した殺害のほうは見過ごせない問題だった。


 父が絡んでいた計画は成功し、一人の可哀想な令嬢が亡くなってしまうのだから。


 しかも、セルジュ公爵家の罪は彼女の殺害の事実がなくてもライアンの王位継承に影を落とさずにはいられないようなものだったからクロエの死はきっかけにしかすぎない。令嬢クロエはまさに悲劇のヒロインだった。


 ”今となってはわかる。あの物語での父は、きっとカレンのためにセルジュ公爵家の命令を受け入れたんだ。カレンがライアン様と婚約したいと望んだから。カレンのために第二王子派に近づいて利用され、切り捨てられた”


 カレンは考える。


 ”だから、そう、お父様は私さえライアン王子の婚約者になりたいと言いださなければ側妃さまやセルジュ公爵と係わらない。


 元々、我が家は第一王子派よりの中立だったのだから。


 そしてカレンはライアンの婚約者になる気はない。ということでライアン王子と恋仲のサラを暴漢に襲わせる必要もない。あの二人のことは放置でいい。勝手に恋仲になってれば誰も困らない。


 問題はクロエ=ノースフィールド辺境伯令嬢だ。


 彼女こそ本当の被害者だ。


 第二王子派はノースフィールド辺境伯とヴェルナー公爵という第一王子派の筆頭貴族のつながりをこれ以上深めたくないと思ってる。


 そのために、手っ取り早くサラの義兄で公爵家の嫡男であるルーカスの婚約者だったクロエを亡き者にするという強硬手段を取った。


 だから今世でもそうしようと考えてもおかしくない。


 バーンスタイン家がかかわらないことで多少変化する可能性はあるにしても、学園に入学するために王都にやってくるだろうクロエが狙われるのは間違いないはず”


 それは駄目だ、とカレンは思った。


 実際にこの世界に生きることを余儀なくされたカレンにとって、みすみす殺されることがわかっているクロエの存在をそのまま放っておくことがとても申し訳ないことに思えた。


 ”どうにかしてクロエが殺されるはずの事件をなかったことにできないだろうか? お父様が係わらないことでセルジュ家が同じような方法でクロエを狙うかはわからないけれど、でも、私は彼らがクロエを狙うことは知っている。ならば、彼女を救うために私に出来ることをやるべきだ”


 花蓮だったカレンはそう決意した。

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