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入れ替わりのプリンセス  作者: 夜宮
プロローグ
3/47

覚醒した悪役令嬢カレンの暗躍 2

 一方、娘のカレンはというと目覚めと共に”今世の父親”に痛いくらいに抱きしめられている間もまだ混乱のさなかにいた。


 彼女は丸二日というもの夢を見ているような感覚で”前世”の自分と”今世”の自分の辿る運命というものに触れ続け、半ば呆然としていたのだ。


 前世の花蓮カレンは日本という国で生まれ育った大学生だった。


 人見知りなところがあった花蓮は男性を前にすると特に緊張してしまい上手く付き合うことができなかったが、花蓮の学ぶ学部は男性の比率が高く、馴染むのに相当苦労していた。


 そんな中、さらりとした気遣いを示し、恩着せがましくも押しつけがましくもなく優しく接してくれる一人の男性がいた。


 花蓮はその男性がいてくれたことに感謝し、人生で初めて淡い恋心を感じるようになっていたが、だからといって何をするというでもなく、ただ彼のことを想うだけで満足していた。


 そんな時だった。友人に一冊の本を薦められたのは。


 「ただ一人の君へ~僕だけのプリンセス~」は、公爵家の庶子であるヒロインが王位継承権を巡る争いに否応なく巻き込まれる第二王子と、妹のように大事にしていた主家の令嬢をその継承争いの余波で亡くした騎士の青年との間で揺れ動く恋心を感じつつ、彼らと共に悪を追い詰め、自らの幸せを掴むという物語だった。


 ヒロインのサラは、ヴェルナー公爵の実子だが不義の子であったため公爵家からの援助は受けていたものの隠されるように母と共に市井で暮らしていた。


 だが、母が亡くなったことをきっかけに公爵家に引き取られ、翌年には貴族の子女通う学園に入学することになる。


 その学園でサラは二人の男性に出会うのだ。


 一人は側妃である母親とその後ろ盾となる母の実家セルジュ公爵家の思惑で尊敬する兄の第一王子の対抗馬として担ぎあげられることに苦悩する第二王子ライアン。


 もう一人は第一王子派の辺境伯家に属する騎士ノア=バートンだ。


 サラは庶子であることやライアンやノアと親しくなったことで受ける嫉妬から学園で虐められることになる。


 虐めの大半はライアンの婚約者であるカレン=バーンスタイン侯爵令嬢が引き起こすものだったが、サラを悩ませるのはカレン達令嬢からの嫉妬混じりの嫌がらせだけでなく、自分の存在を決して認めようとしてくれない腹違いの兄によって齎される悪感情にもあった。


 だがサラは持ち前の前向きな性格と正義感の強さで学園での嫌がらせに耐え抜き、ライアンやノアがセルジュ公爵家を追い詰めるのに協力し、王位継承問題が解決した後はライアンと結ばれて、最後まで分かり合えることのなかった義兄の代わりに公爵家の後継として認められることになるのだった。



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