召喚の一期一会
なんで記憶がないの?
何が起こったの?
僕はいったい…
「あれ?ここは?」
さっきまで、僕は校庭で悪友達とサッカーの真似事をしていたはず…なのに、ここは学校なのか?
仰向けになっていた視線の端に青い制服の軍隊らしき行進が見えた…
「あれ?ここはどこかの軍隊の施施なのか?」
教科書や漫画で見た昔の軍隊とそっくりだ。
「ヴァム!ヴァムゥ~!」
見上げると、少女が覗き込んでいた。
「あぁ~姫さまか…くまさんのパンツが見えてるよ☆」
何てこと言ってるんだ!僕は!?
スニーカーが顔の上に降ってきた!
顔面に痛みが走ってまた気が遠くなった…
再び目が覚めたら、柔らかい枕の上だった。
「あっ!ヴァム。気が付いた?ごめんね。」
姫さまの膝枕の上だった。
「ひっでぇ~なぁ~。」
「避けられると思ったんだもん!」
顔をさすって、起き上がって
「姫さまの電光石火には参ったよ。」
「も~う、ヴァムが悪いんだからね。」
「はいはい。」
「しっかし、いつもいきなりだなぁ~姫さまは」
「だって、魔獣の進行方向がザナ山なら王城に変わったって。」
身体中の血が逆流した「ホントか?」
「王城に避難命令が出たのよ。」
「姫さまは逃げねぇのかよ?」
何でこの子と話が合うんだ?
僕は訳がわからなくなっていた…
「今、どの辺にいるんだ?奴らは。」
「アヴェニテールの村から西40サイルを真っ直ぐ村に向かってるらしい。」
「ぢゃ、さっさと支度してハイキングに行きますか、」
「私も行くわ。」
「姫さまがか?そりゃ俺は心強いが、おやじさん…レナ王が心配するんぢゃねえか?」
「大丈夫よ。父はヴァムと一緒なら行っていいって♪」
「そいつぁ、吉報だ。」
僕は何がなんだかわからなかったが、体が勝手に動いた!
姫さまの膝から軽々と飛び起きて、腰の剣を確かめると走り出した。
この“ヴァム”ってのが僕なのか…別人格になって異世界に飛ばされたようだ…マンガみたいに…
しかし、感覚や思考は僕なのに、しゃべり方や外見や行動はまるで別人だ!
まるでゲームのアバターのように…
ゲーム世界に召喚されたのか?
なら、楽しんぢゃえ☆
突如、異世界に飛ばされた僕は、これからどうなるの?
別人格でどうやってこの世界でヤれるんだろう?