表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妄想の一期一会  作者: GABACHO
1/2

瓦礫の一期一会

そこは何もない暗闇の世界だった。


気が付けばそこに立っていた。


つぶやいた「ここは…何処だ?」


ふと見上げれば光が射してきた。


声が出た「朝…なのか?」


突然甲高い声が反響した「誰?」


明るくなった周りを見回した。


ドームの真ん中辺りに白いフリルの付いたドレスを着た少女…のような人影が立っていた。


叫んだ「僕は…わからないんだ!」


思い出そうとした。何かが頭の中を駆け巡ったが、そのまま思考が空回りした。


その人影も叫んだ「私も!ここは何処なの?」


「それもわからないんだ」言葉を返した。

そして、つぶやいた「何なんだ…この状況は?」


見渡すとドームの中は瓦礫が積もっていた。

天井は所々崩れていて、そこから外界の光が射している。


少し考え、意を決して言った「そっちに行って良いか?」


少し迷ってから答えが返って来た「いいわよ。あなた悪い人には見えないから。でも、変な事したらタダじゃおかないから!」


「わかった。誓ってそんな事はしない。この状況を把握したいだけさ。」両手を軽く挙げ、うなだれて首を降りなが返事をした。


瓦礫を避けつつゆっくりと少女に近づきながら、周りの状況を確認した。

瓦礫は崩れた天井や壁らしい。ドームに出口が2ヶ所。重そうな鉄の扉が閉まっている。

光の射す穴からは青空と流れる雲が見えている。


そして自分の身体…服は着ているようだ。

白いシャツ…胸元がはだけている。青いズボン…側面に金色のストライプが二本入っている。

茶色い皮のブーツ。

何かの制服の様だった。

腰には細身の剣を履いていた。

頭を触ると少し縮れた短目の髪型だった。


少女のそばに近づいた。

小柄で、よく見ると目のクリっとした空色のストレートヘアーが揺れる、可愛らしい女の子だった。

腰にはブルーのベルトが巻かれレイガンが下がっていた。


「何が起こったんだ?」鼻筋を掻きながら聞いた。

「気か付いたら、ここに…あなたヴァムって言うの?」クリクリ目をさらに見開いて少女が言った。

「えっ?」

「だって、胸にタグが付いているもの。」


下を向いて、胸のあたりを確かめた…ネームタグに触れて、見るとヴァム・エクスフォーヘンと書いてあった。

これが名前なのか?


「この格好…銃とか剣とかって、何かのバトルなのかな?」少女が問いかけてきた。

「そうだな…何だっけなぁ~?」頭をかきながら思い出そうとした。


ドームの外が騒々しい事に気が付いた。


「ウォ~~~!!!」


群衆が歓声を上げているような声だった。


「気になるなぁ~取り敢えずドームの外に出てみないか?」と僕…

「えぇ。」と少女が答えた。


並んで歩きながら「それはそうと…君のことは何て呼べばいい?」


扉を開けると、群衆が歓声を上げていた。


少女の答えが歓声にかき消された…


「勇者!勇者!勇者!勇者!」

「姫!姫!姫!姫!」


「君は姫さまなのか…」驚いた。

「どうやらそうらしいわ。あなたも勇者って…格好じゃないわね(笑)。しっかし、派手にやったみたいね。見てよ!」


姫さまははるか彼方を指差して叫んだ。


魔獣…だと思うが、ドラゴンやらゴブリンやらの死骸がうず高く積み上がっていた。


「なんだ、ありゃ?俺たちがやったのか!?」


記憶が少しよみがえってきた…


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ