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蒼の蝶の導き  作者: 大神
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伯爵令息の日記

蒼の蝶をふと見たときから始まる異世界への導き


導かれた者は異世界でどう過ごすのか……


*しばらくは伯爵令息視点で進みます


 7の月15日

 これから日記を書き始めようと思う。

 まずは自己紹介だ。


 俺は某王国の伯爵の息子レイジィだ。

 まあまあ普通の家庭で生まれ育った。田舎だが満足している。それに王都なんて騒がしいだけだと思っている。


 先程まで山が見える庭で剣の練習として素振りをしていた。

 俺だって男だからな、自分を鍛えることもする。


 7の月16日

 剣の師匠が来た。まだまだ修行が必要だといわれてしまったがその通りだと思う

 訓練中ふと視線の隅にヒラヒラとしたものが映ったので気になって集中を切らしてしまった。師匠の木剣がいい音を立てて頭に当たった。あれは痛かった。


 7の月17日

 三日坊主な自分が日記を続けていることがめずらしい、これも日中書くつもりであったが忘れていて寝る前に書く

(ここで終わっている…書きながら眠ってしまったみたいだ)


 7の月20日

 二日も忘れてしまった。前の日記を読んでみるとよくわからない、ミミズが這ったような字がいっぱいで読めたものじゃなかった。王都へ行ったため日記帳を忘れてしまった。たまには王都もいいかもしれないが俺には田舎が似合っている。広く鍛練ができるしな。


 7の月21日

 夕食時、父上に奇妙な話を聞いた。町のコジー氏一家全員が行方不明らしい。日帰りで山に木イチゴ狩りに行くと聞いていたが、三日たっても帰らないとの報告を受けた。近所の住民とも仲が良かったらしくコジー氏たちが見えないとの報告を受け父上に相談しに来ていたそうだ。父上が警備隊とともに捜索したが、家の中はそっくりそのままだったそうだ。そういえば、学校でもコジーの姿が見えなかったのもそのせいか。

 早く見つかるとよいが。


 7の月22日

 ・・・(ところどころ赤い鉛筆で花が書かれている)

 妹に日記帳に落書きをされたようだ。他人に見られるとは思っていなかった。これからは持ち歩こう。


 7の月23日

 今日と明日は山に入り自主訓練をする。今日はそこまで山に入らず訓練をした。いつもより疲れが多い。明日はもう少し奥に行こう。魔物がいるかもしれないが準備していけば大丈夫だろう。日記帳も忘れずに。


 7の月24日

 山に入り素振りをしていると疲れたため、近くの泉で水を飲む。

 なかなかに珍しい蝶だ。光の加減で青く見える。どんな羽の模様だろう。素振りをやめ蝶へゆっくり近づいたが、ヒラヒラと山の奥地のほうへ逃げてしまったのだ。この時やめておけばよかったのだ。こんなことになるとは思っていなかったのだ。


 

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