1話
我ながら更新が遅くて困った。
待ってた人(いるか分からないが)お待たせ!!
「今日、このクラスに二人の仲間が出来る。皆、仲良くしてやれよ。」
先生のこの一言で、僕の教室は大騒ぎになった。と、言うのもうちの学校、魔法学園は学年というものが無く、入学試験を受けて合格すれば何歳だろうがどんな種族だろうが試験を受けた次の日から入学出来るのだが、試験の合格点が少し高い。しかも入学試験はいつでも受けることができる。なので二人同じ日に入学するのは珍しいのだ。しかも僕達のクラスは自慢じゃないが魔法の成績が良いクラスだから、入学生は年に五人いるかいないかだ。まあ、その代わり卒業出来る人も少ないんだけど。そういうわけだから大騒ぎになっても仕方ないだろう。そういう僕も大騒ぎしたしね。
「そろそろ静かにしろ~。このままだと紹介できないだろ。···、よし。おーい二人とも、入ってきて良いぞ。」
先生にそう言われて入ってきた二人に、クラスメイト達は大喜びした。理由は簡単、テンプレよろしく二人がイケメンと美少女だったから。イケメン君は異世界から召喚された勇者で名前は安藤 竜也と言い、美少女の方はミケ·ネコロ·コネコと言うらしい。ミケ?猫ならよく聞くけど、人間に付ける名前か?いや、ファミリーネームもコネコだし、何か子供が考えた名前みたいだな。
それはそうと、突然だが今日僕のクラスは席替えをした。朝、来た順に席を決めていく方式なのだが、とある事情があって僕はクラスメイトの一番最後に来たので、結果一番後ろに一人で座るはめになってしまった。
ここまでくれば勘のいい人は気づくだろう。先生がニヤニヤしながら―――あの顔は自分の台詞で生徒達がどんな反応するか分かってて、絶対に楽しんでる。―――入学生二人にこんなことを言った。
「君達の席だがレイ·マテレントの、あの一番後ろに座ってる生徒の両隣だ。」
生徒達が一斉に固まった。そしてしばらくして再起動したクラスメイト達から文句の嵐が飛び交い始めた。例として、「ズルい!」とか「俺と変われ!」とか「ニュル~ン♪」などなど。···てか、一番最後のはなんだ?
「レイ!俺と決闘しろ!そして俺が勝ったらその席変われ!」
席を立ち上がり、僕のことを指で差しながらこんなことを言ってきたのは友達のオシバ·ルコール。顔つきはカッコいい分類に入るのに何故かモテない残念男子だ。
「イヤだ。そんなのめんどくさいし。だいたいオシバは魔法師だろ?魔術師の僕には勝てないよ?」
「フフフ、確かに魔法の撃ち合いになればそうかもしれないが、肉弾戦に持ち込めば俺が勝てる!」
「うっ。た、確かにそうだけどさ、僕、闘うなんて言ってないよ?今回は僕の運が良かっただけだよ。強いて言うなら余り物に福があったんだよ。」
「余り物には~、なんて言ってるけど理由は遅刻したからなんてカッコ悪いよな。」
「バッ、バカ!余計なことを「ほう、遅刻したのか。」」
途中で割り込んできた声に、背筋が寒くなった。声の発生源を恐る恐る見ると先生がニッコリと、しかし目が笑ってない状態で僕のことを見ていた。
僕は言い訳をして誤魔化そうとしてみたけど···。
「や、やだな~先生。そんなわけないじゃないですか。ハハハ···。」
「遅刻したんだな?」
「いえいえ、してませんって。ギリギリセーフでしたよ?」
「遅刻したんだな?」
「いや、だから···」
「遅刻したんだな?」
「···、はい。遅刻しました。」
ムリだった。台詞は同じなのに段々威圧感が増してくるんだよ!?勝てないって。
「まったく。遅刻をしたペナルティーとして、この二人に学園の中を色々案内してやれ。」
あれ?意外と甘い?そんなのペナルティーでもなんでもないじゃん。···と思ってぬか喜びをした僕のバカ。
「この姿でな。」
ニヤリと笑いながら先生が指を鳴らすと僕の足下に光輝く魔法陣が現れ、僕は光に包まれた。
「おい!レイ!?だいじょうぶ···か···?」
なんだろう?オシバがこっちを見て固まってる。あれ?皆も固まってるし、なにより周りが大きくなってる?
「おーい。皆大丈夫か?」
···。なんか声に違和感があるような?
僕があたふたしていると、クラスの女の子が手鏡で僕を写して僕に見せてきた。
「え、ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ~!?」
鏡の中、僕と同じように驚愕しているように見える姿は、子供だった。
竜也「俺たち、空気だな···。このまま出オチってことは無いよな?」
ミケ「そ、そうね。それは恐いわ。」
竜也「それはそうと、今回よくわからない単語が出てきたんだが?」
ミケ「それは二話で説明するそうよ。」