設定：第2部2章の追加登場人物及び地名、魔術名まとめ
2023/10/10 連載開始致しました。
初投稿になりますのでゆるく読んで頂ければありがたい限りです。
なにとぞよろしくお願い致します。
〈 新 規 地 名 〉
〇武芸都市ウィルデリッタルト：帝国南部にある武芸者発祥の地として知られる都市。現領主はトビアス・シルト伯爵。数年前にランドルフ・シルトから家督を譲り受けた。帝国南部では三番目に広い領地。
武芸者発祥の地ということで帝都の次に武芸者が多く、また最も帝国軍及び領軍から武芸者受けが良い都市として知られている。
小ざっぱりした気風の市民が多いのは領主であるシルト家が良い意味で貴族らしくない為。
『黒鉄の旋風』の主な活動拠点。
＞＞ヴァルムウーファー：ウィルデリッタルトの北部に位置する高級観光地。自然豊かな土地として知られている。
また高級と言っても貴族御用達というほどではなく、一般家庭の市民が半年から一年ほど慎ましく暮らして貯金すれば数日は滞在できるといったほど。
当然ながら貴族向けの宿と一般市民向けの宿は別物だが、景観を崩さない為雰囲気は似通っている。
派手に遊ぶというよりはゆっくりと羽根を伸ばして寛ぐ場所である為、自然を求めてやってくる画家や静けさを求めてやってくる著名人などに好評。
＞＞ヴァルトシュタット：ウィルデリッタルトの領地である帝国辺境の街。国境と接している為、街というには些か物々しく、防壁も堅牢。
準聖騎士率いる聖国の軍事侵攻が起こった際は出入り口の門を封鎖し、兵が詰めていたがアルクス達の活躍によって被害を被ることなく警戒態勢を解くこととなった。
アルクス達”鬼火”の一党が武芸者登録をしたはじまりの街。
〇ゼーレンフィールン：辺境伯家主催の社交会が定期的に開かれる地。武芸都市ウィルデリッタルトの東、馬車でおよそ3時間ほどの距離にある。街の規模もそれほど大きくなく、帝国で三番目に小さい街。
他の街と違うのは開発された理由である。このゼーレンフィールンは社交会を開くためだけに辺境伯家が主導となって開発が進められた。
周囲には小さな湖や森林が見え、気候も比較的に穏やか。景観も良く、静かな土地である為選ばれた。
現在はヴァルムウーファーのように観光地化しているが、貴族が使う貴賓館と観光客用の宿泊施設はかなり離された位置に建造され、しっかり区分されている。
これはまかり間違っても貴族の集会に一般人が入り込まないようにとの理由から。時に機密事項や貴族同士の表に出しては混乱を生む情報をやり取りする為ヴァルムウーファーとは違う形態をとっている。
中心部には総木造製の貴賓館がある。白を基調とした落ち着いた風合い、豪奢というよりは上品という言葉が似合いそうな二階建て。
魔獣の侵攻が起こった際は、ここの二階が臨時本部となった。
〈 新 規 登 場 人 物 〉
〇辺境伯：帝都南部で唯一共和国と王国どちらの国境とも面している領地を治める軍事貴族。
帝国建国時から皇帝の友であった男が初代。現在も王国と共和国――――特に共和国を実質支配している聖国へ目を光らせている帝国の盾とも呼ぶべき貴族家。
現辺境伯家当主とその他南部貴族家は纏まりも強く、また当人自身は軍に長く身を置いてきた豪傑である。
〇ミトライト家：上記の辺境伯家に任地された街を治める子爵家。
＞＞イーファ・ミトライト：元子爵家夫人。使用人を脅迫してミトライト子爵に毒を盛らせ、息子であるヴァーゲを傀儡として爵位簒奪を目論んだ。
爵位簒奪自体は半ばまで成功していたのだが、若い頃に煮え湯を呑まされたシルト家領主夫妻への復讐として一人娘イリス・シルトを誘拐させたことによって犯行が露呈。
救出に来たマルクガルム・イェーガーによって計画が瓦解したことを悟るとイリスを人質として己だけでも逃亡を図ろうとした。
しかし、事件に気付いて急いで到着したアルクスによって凶器を持った右手ごと蒼炎によって失うこととなった。
現在は尋問を受けた後、誘拐の為に魔獣の侵攻を企て、傭兵に実行させた罪により大監獄にぶち込まれている。
また、復讐の動機となったのは現シルト家領主夫人であるリディアやその他貴族令嬢への陰湿な嫌がらせ、横暴を当時のトビアスと嫌がらせに真っ向から立ち向かったリディアに暴き立てられ、実家を半ば追放された過去があったため。
＞＞ヴァーゲ・ミトライト：ミトライト子爵とその妻イーファの実子。幼少から礼儀の躾と称して子爵の見えないところで折檻を受けていたせいで臆病な性格。
またその性格も相俟って幼い頃は社交界のたびに他家の子供達からイジメられていた。そこを救ったのが当時のイリス。
「貴族として正しいと思うことをしなさい」といじめっ子達に一喝したイリスに衝撃を受け、想いを寄せていたが、己に自信ないために釣り合わないと考え、彼女のようになりたいと純粋な憧れを持っていた。
攫われたイリスが目の前に現れた時は動揺し、恐怖の対象である母の命令に逡巡するものの勇気を振り絞ってイリスの縛めを解いた。
〇傭兵団(自称)：傭兵団と言いつつ、正規の傭兵組合を通して組んでいる団体ではない。マルクガルムの指摘通り犯罪者が徒党を組んでいる集まり。
非合法の傭兵組合に渡された”誘引剤”と呼ばれる麻薬交じりの餌を利用することでゼーレンフィールンへの魔獣侵攻を引き起こした。
また、今回の誘拐事件も彼らがイーファ・ミトライトに接触したのではなく、非合法組織の構成員が話をつけ、彼らを寄越した。
つまりはただの末端である。
団長を自称していたのは恫喝や素行不良で武芸者の認識票を剥奪された元七等級武芸者。
戦闘を主に任されていた大男は、元六等級武芸者だがこちらも犯罪者であるため認識票を剥奪されている。
女性の方は元娼婦。窃盗と結婚詐欺で追われていた犯罪者。その他の構成員は素行が悪いはぐれ者ばかり。
拳や蹴りを当てたほんの一瞬だけ闘気を放出するという技術を用いていたが、マルクガルムの言う通りの「ショボい手品」であり、闘気を当たり前に使える武芸者や魔族達からすればここまで体格任せのしょっぱい攻撃手段もないと言われる程度のものである。
〈 新 規 魔 術 〉
〇『鋳棘の術』：地中から金属の細かなイバラを生やす魔術。アルクスが『裂咬掌』から足止め用として不必要な部分を抜いて創った独自魔術。
指定した地面に魔力を送り込む必要はあるものの、対象範囲が元々広い分効果はあくまで足止め用に留まるものであり、単体による殺傷性は低い。
また地中にある金属に分類される鉱石を寄り集めて作る為、土地によって生成されるイバラに差異があるものの、アルクスが基本的に砂鉄を集めるイメージで起動するよう指導している為、黒っぽいイバラが生成される。
主にラウラ、ソーニャが使用。
〇『天鼓招来』：青白い稲光を直線的に奔らせる魔術。瞬間的な威力が高い『雷閃花』が短射程であるという欠点に目をつけてアルが創った独自魔術。
自然雷の仕組みを利用している為、負電荷と正電荷の指定さえ行えば上から下、下から上、横薙ぎといった風な《《落とし》》方も可能。
上記の『鋳棘の術』とセットで使うことで束ねづらい稲妻を更にある程度収束させてピンポイント狙撃も可能である。
ラウラが杖剣を利用して放てば、アルクスとマルクガルムの使う雷属性魔力とほぼ同等の威力が出るため、非常に強力。
ソーニャが利用したとしても雷という特性は損なわれない。
主にラウラ、ソーニャが使用。
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