断章8(前篇) 『月刊武芸者』と武芸都市の人々
2023/10/10 連載開始致しました。(編集済み)
読んで頂ければありがたい限りです。なにとぞよろしくお願い致します。
武芸都市〈ウィルデリッタルト〉。
アルクスの父――故ユリウス・シルト・ルミナスの生家であるシルト家が治めている都市で、”鬼火”の一党の面々が数か月滞在していた土地だ。
今日は3月も入ったばかりの1日。例年より多少寒い朝。
現在、領主屋敷の隣に併設されている練兵場には、アルの従妹イリス・シルトと三等級武芸者一党『黒鉄の旋風』の3名――ハンナ、ヨハン、エマがいた。
他にも伯爵家令嬢の護衛である女性兵士も2名ほどおり、槍を構えるイリスと教導中のエマ以外は軽い防寒具を身に着けている。
「イリスちゃん。振りはもっと小さく、素早くだよ。突きだけで面を作るみたいな感じで。対人戦闘は隙を作った方の負けだからね」
個人四等槍術士の指導に、闊達で知られる伯爵令嬢は息を切らせながらも素直に頷き、
「はいですわっ! こう! ですか?」
びゅっと槍を突き出してみせた。
その左腕には小盾が括られている。ソーニャの使っている形状と違って、取り回しと受け流しに特化させた種類のものだ。
しっかりと受け止めることも不可能ではないが、如何せん防御面が狭いので『構えて防ぐ』というよりは、軽量さを活かして『凌ぐ』――素早い立ち回りが主な運用方法である。
「今のだと手打ちになってるね。身体を入れて――こうっ! だよ」
エマはそう指摘しながらパ……ヒュヒュヒュッ! と、迫力のある角度違いの三連突きを行った。付け入る隙など感じさせないほどに捷く、撓った穂先が銀弧を描く。
イリスの護衛――最近専ら観衆と化している兵士2名が「おお~」などと感嘆の声を上げた。
「小手先で打つなら、もっと手数を増やさないと。その場合はこうやって手首を使うんだよ」
次いで、スパパパパッと銀閃が瞬く。突き、薙ぎ、払い、石突まで利用した流麗な連撃は、咄嗟に手を出しあぐねるほどには隙がない。
石突と手首を紐で括っているかのような素早い引きが、槍の強みたる間合いを細かく変動させ、ぶんぶんと手元で振り回される柄が読みを利かせ辛くする。
イリスは「ほほう!」と目を輝かせて真似るように空を突いてみせた。
「こうッ! ですの?」
「そうそう、そんな感じだよ。常に穂先を相手の急所に向けとくのも忘れないでね」
「はいですわ!」
そのような訓練風景を護衛2人は弛緩した様子で見ていた。無論、目を離すようなことは絶対にないが、そこまで警戒もしていない。
三等級一党の肩書は伊達じゃない、ということだ。
そのうえ6人中4人が個人も三等級。直近では”叛逆騎士”の捕縛まで成し遂げた『黒鉄の旋風』である。
ついでに言えば今回の護衛女性兵士は、以前の――聖国絡みの件による褒賞式も目にしているので、警戒心など皆無に等しい。
むしろ彼ら一党でも対応が難しい不測の事態への補助人員のような積もりでいるし、そのように指示も受けている。
「アルクスめ……こんなの教える必要あるのかしら?」
彼女らを横目に一党の副頭目ハンナは呟いた。両手に広げているのはアルが従妹用に、と残していった自作の魔術教本である。
術式を構成する式とそれを理解する意義について講釈がついていた。
曰く、『定型術式というのは多数の術式を規則正しく配置して構成されているので、その一つ一つの効果を把握していれば、同じ魔術でも効果を大きく変じられる』とのこと。
こんなの魔術師ではなく魔導師水準で語る話だ。初心者に教えることじゃない。
後注記として『慣れてくれば自分の癖に寄せて術を改造しておく方が使いやすいが、絶対に一人では弄らないように』との但し書きも載っている。
『釈葉の魔眼』を発眼する前から散々一人で術式を弄くっていた、というアルの幼少期を知らなければ真っ当な注意喚起だ。
しかし、こちらも相当に早い。
定型術式をいちいち改造している者などそういない。完成度が高く、実用性も高いから定型術式と呼ばれ、軍用術式として軍人らが頼りにしているのだ。
(あいつ……定型術式を魔術の一つくらいに思ってない?)
ハンナは思わず半眼になる。
「なぁ、そういや俺らの『気刃の術』ってどうなってる?」
訓練を流し見していたエマの兄――四等剣士ヨハンが思い出したように訊ねると、
「うるさいわね。これでも少しずつ弄ってみてるんだから黙ってなさいよ」
一党内で最も魔術に造詣が深い副頭目は噛みつくように応えて黙らせた。
”鬼火”の一党が武芸都市を旅立つ際、アルが餞別としてくれたのが『気刃の術』という闘気を固定化し、更には高出力の属性魔力へ転じる、という超攻撃的な魔術であった。
あれから少しずつ弄ってみているものの、術核が矢鱈と複雑精緻に過ぎるせいで、仲間達用の独自魔術への昇華は遅々として進んでいない。どころか、己の分さえ完成していない。
そもそも理解することすら難航しており、こうして定期的にせっつかれるハンナは大概お冠なのだ。
「……元気にしてっかなぁ」
機嫌が悪くなったのを察したヨハンは、話題を逸らすように彼らの旅立った方角に視線を向けた。
「知らないわ。イリスちゃん用にだけは独自を創ってあげてる生意気坊主のことなんて」
「そらしょうがないだろ。イリスちゃんはアルクスの従妹なんだし」
というか、アルクス限定で言ったわけじゃない。ヨハンが何とも気まずそうに身動ぐ。
ハンナの言った通り、あの小生意気な半龍人は従妹専用にだけは独自な『気刃の術』を創ってやっていた。
但し、こればかりは危険なのでトビアスの許可がなければ術式自体マトモに見られない場所に保管されてあったりする。
「くぅ、あいつめぇ……!」
ハンナが教本を手にぐぬぬっと悔し気な表情を浮かべていた――その時だ。
「おおーいっ! 大変だあーっ!」
男が何かを片手に叫びながら練兵場へと走ってくる。が、兵士2名に動き出す気配はない。
その若い男が彼女らの知っている人物――『黒鉄の旋風』頭目のレーゲンだったからだ。
「そんなに急いでどしたのよ?」
「どうかされましたの?」
顔を上げた彼の恋人と稽古の手を止めたイリスが不思議そうな顔で問う。
「これ! あいつら、やりやがった!」
レーゲンは呑気な顔を向けてくる仲間達と領主の娘へ、「とりあえず見ろ!」とばかりに持っていた冊子のようなものを広げて見せた。
「あいつらって、”鬼火”の一党か?」
ヨハンが訊ねると、
「兄様達のことですのっ?」
イリスが機敏に反応し、ぴょんっと身を乗り出すように冊子――否、雑誌を覗き込む。
「って『月刊武芸者』じゃん。”鬼火”の一党なら〈新進気鋭〉の常連でしょ?」
今月は出るの遅かったなー、くらいに思ったエマがそう言うと、
「今回は格が違うんだよ! ほら!」
レーゲンは『月刊武芸者』のとある頁を指さした。見開きで大見出しがついている。
「ん~と、《”鬼火”の一党またまた昇級!? 高位魔獣を華麗に撃破!!》……って、はあ!?」
ハンナが素っ頓狂な声で驚いた。字面の衝撃が強過ぎる。
「今度は高位魔獣かよ……」
「〈羅漂雪〉って、確か雪原の王とか言われてるやつだよね……? 斃しちゃったの?」
双子は揃って記事を熟読し始めた。
ちなみに、協会が監修している『月刊武芸者』の信頼度は、その知名度並に高い。土地によっては武芸者の必携とまで言われている。
「さっすがマルク様達ですわ! んっ? えーと、他にも雪崩まで防いだそうですわね。ほぇ……? 雪崩を?」
雪崩とは、あの雪崩のことだろうか? と、イリスが呆けたように首を傾げる。
「〈ベルクザウム〉の領主様にまで取材してるみたいね。えー……『彼らがいなければ山岳都市は間違いなく雪で埋め尽くされ、我が領民は生き埋めになっていただろう』……何したのよ、あの子達」
「つか特集組まれてるんだよ。で、案の定記者からは逃げてる。『残念ながら取材は出来なかった』ってな」
ハンナとレーゲンがそんな話をしているところで、イリスはふと何か黒い影が頭上を掠めた気がして「ふぉ?」と顔を上げた。
「どうかしたの?」
ハンナが不思議そうな顔をする。
「あれって翡翠じゃありませんの? ひーすーいーっ! あなたですのーっ?」
イリスは上空を指差し、ここいらで見かけぬ三ツ足鴉に向けて大声で呼び掛けた。
「カアッ!」
途端、首回りだけ艶紫の三ツ足鴉――夜天翡翠が黒濡羽を大きく広げながら、ひゅおうっと急降下してきて主人の従妹の足元にバサッと降り立つ。
「やっぱり翡翠ですわ!」
「クカカッ、カア~」
そこそこ高い上空にいた割に直ぐ確認出来たらしい。
「少しぶりですわね!」
「カァ~」
無邪気に抱き着いてくる少女に首を擦りつけて親しげに啼いた。
「今回もお父様に手紙ですの?」
イリスは賢そうな三ツ足鴉を小盾に掴ませてやって問う。背負っている特注革鞄の感触がゴツゴツしていたのだ。
「クカッ、カァ~」
夜天翡翠は「うん、そう~」とばかりにひと啼き。
そのやり取りを見ていた護衛兵士の1人がスッと寄って、
「お嬢様、私がトビアス様へ伝えに行ってきますね」
気を利かせてそう言った。
「よろしいんですの? では、お願い致しますわ」
イリスが謝意を眩い笑みに変えながら頷く。
「はっ! では!」
女性兵士はビシッと背筋を伸ばして駆けていった。ちなみにこの護衛任務――……女性兵士達から大人気である。
礼儀正しく、無邪気なイリスを職務時間に愛でられるうえ、ムサい連中と訓練をしなくていい。仕事と言えば、偶にこうして伝言に行く程度。
好評じゃないわけがなかった。
数分後――。
連れてこられたトビアス・シルトは、女兵士を労って夜天翡翠の革鞄から手紙と小包を取り出していく。
甥っ子からの手紙には、小包みと里長ヴィオレッタへの手紙をシルト家にある『歪曲転移術式』で送ってほしい、というお願いが丁寧に綴られていた。
「えーっと……あ、隠れ里に手紙と小包みを送って欲しいみたいだよ。こんなに丁寧に書かなくてもいいのに」
もう少し気軽な関係のはずだが、書面だとこうなってしまうのもなんとなく理解はできるというもの。
思わず苦笑を零す。
「他には何かありますの?」
前回、彼らから送られてきた手紙には〈ベルクザウム〉の情景を書いた長文のものや、他の仲間達からの手紙もイリスに届いていた。
今回そういったものはないのだろうか? と、少々期待してしまう彼女に落ち度はない。
「えー……ああ、〈ベルクザウム〉で美味しかったお菓子を僕らシルト家に。それとイリスにはこの防寒布を、って」
そう言って、トビアスが目録を読みながら革鞄から薄手の長布を取り出す。
それは柔らかさのある白――シルフィエーラの髪を彷彿とさせる淡い白色に染められた防寒布だった。
「防寒布ですの?」
手紙じゃないのかー、と残念に思いつつ少女ながらに「?」と疑問符を浮かべる。季節的に、もうそろそろいらなくなってくる頃合いのはずだ。
「きっと気を使ってくれたんだよ。あそこは長閑で良いとこだけど、特産品は少ないからね」
トビアスは想像して言った。きっとお願いの対価なんだよ、と。
『歪曲転移術式』はそこそこ魔力を使う刻印術式だ。士官学院卒の彼でもゴッソリ持っていかれる。
〈ベルクザウム〉は景観の良い土地だが、土産らしい土産はあまりないので、どうにか捻りだした案なのだろう。
「ふぅん、そうなんですのね。あっ、これ手触りがすごく良いですわ!」
イリスはとりあえず防寒布を巻いてみた。
毛らしい毛はついておらず、従兄が纏っている龍鱗布に近いつるりとした感触。
絹のようにサラサラしていて突っ張ることのない皮革だ。保温より防風性がより高い感じがする。
質や仕立ての良さも相まって案外、良いかもしれない。イリスはそんな感想を抱いた。
「その防寒布は〈羅漂雪〉の毛皮で出来てるんだって…………う、ん? んっ!? は、〈羅漂雪〉? 〈羅漂雪〉だって!?」
――それは高位魔獣の名じゃなかったか!?
トビアスは娘の首に巻かれている防寒布をバッと凝視した。
ちなみにこの〈羅漂雪〉の皮革を用いた防寒布は、手紙を中継してもらうのに手土産がない、と気付いたアルが慌てて支部の解体所へ走って、どうにか得たものから作られている。
そのまま革職人のところへ持っていくと、雪崩を止めた恩人の一人だと即座に気付いた職人らが優先的に作業を進め、2日と掛けずに仕上げてくれた。
危うく牙だけを送りつけるところだった、と手紙を託した後に胸を撫で下ろしたアルである。
「おおっ!! では記事の高位魔獣のものでしたのね!!」
ひゃっほい、手紙はまた今度でいいや! と、ぴょんぴょん喜ぶ娘と事態が見えない父トビアスの表情はあまりに対照的だ。
そこへ、見兼ねたレーゲンが声を掛けた。
「あの……トビアス様。イリスお嬢様の言ってるのは、これのことでして」
「これって、今月の『月刊武芸者』かい?」
「はい。ここの記事です」
「え、ええ? ちょ、これ――――……」
トビアスは見せられた頁、というかその特集記事の全文を熟読し始め、ハンナとエマは苦笑とも何とも言えぬ顔つきで、可愛らしくはしゃぐイリスのふわふわ髪を撫でている。
尚、森人組は現在この場にいない。
シルト家の前当主ランドルフが隠れ里の湯屋――大衆浴場に痛く感銘を受け、「武芸都市にもこういう施設を作る!」と、息巻いて動き出したせいである。
彼が息子と眼にしたのは、様々な魔族達が下らぬことから仕事のことまでのんべんだらりと駄弁り、酒を浮かべて楽しむ『風呂』という概念そのもの。
その際――特に八重蔵やマモン、ラファルが騒いだのもあって、ランドルフとトビアスは他の魔族からも囲まれてしまった。
2人がユリウスの血縁だと知った彼らは口々に「ユリウスはどうだった、ああだった」と、のべつ幕無しに語り始め、最後はどんちゃん騒ぎになったのである。
そんな雰囲気に当てられたランドルフは、”裸のつきあい”というやつを大変気に入ってしまったのだ。
認可印だけを押せばいい状態の書類を持ってくる父に、トビアスは苦笑いを浮かべたものである。
そういった事情から「誰でも連日のように来れる入浴料の大衆浴場を作る」、「ついでに少しばかし拘った檜風呂を作りたいから協力してくれないだろうか?」と、頼まれたのが『黒鉄の旋風』所属の森人ケリアとプリムラだ。
2人も「〈ドラッヘンクヴェーレ〉にあるようなものが都市内にも出来るんなら」と快諾し、現在ランドルフと森の方で精霊と対話中である。
「とんでもないことやってのけてるじゃないか……手紙には一言だって書いてないよ」
特集記事を読み終えたトビアスは、ため息交じりに感想を述べた。
「兄様らしいですわね」
功績をいちいち誇ったりしない、というより終わったらもう拘泥しない――否、どうでもよくなるのが彼らの特徴。
その筆頭がアルだ。書くはずがない。
「そう、かもしれないけど……いや、それにしたって高位魔獣の討伐と都市防衛だよ? しかも、雪崩から」
凄いことなんだよ? と、トビアスが娘に説く。
「私、詳細が知りたいですわ。読ませて下さいまし」
だが、イリスの興味は彼らの活躍が知りたいという一点に集中していた。従兄達が凄いことなんて彼女にとっては今更なのだ。
「カァッ!」
と、そこで夜天翡翠が「ねーえ!」と黒翼をバタつかせる。
「っと、そうだった! 送らなきゃいけなかったね」
「あのトビアス様、申し訳ありません。一ついいですか?」
ハッと我に返る武芸都市領主に、レーゲンはやや緊張しながら話し掛けた。
動き出すのを中断するような真似をするのは畏れ多いが、この若々しい中年貴族は寛大で知られているし、無礼を言うつもりも無い。
「うん? どうしたんだい?」
小包みと手紙をしっかり持ったトビアスへ、レーゲンは唇を湿らせてこう提案した。
「あいつら、たぶん故郷にもこういうこと、大して報告してないと思うんです。それで、『月刊武芸者』は結構前からあいつらのこと載せてるし、その部分の切り抜きを送るっていうのはどうかな……? と思いまして」
「なるほど……確かに良い案かもしれない。僕らが行った時も兄上の話が主で、アルクス君達のことはあんまり話せなかったからね」
「私もマルク様に助けてもらった話くらいしかしておりませんわ」
領主父娘がそれぞれ記憶を掘り起こす。あれからそこまで時間も経っていない。
「アルクス君の性格からして――」
「十中八九、自分達の活躍は書いてないと思いますわ。たぶんマルク様達も。そんな方々ではありませんもの」
「というか、あんまり手紙を送ってこないと嘆いてた気がする」
トビアスの記憶が正しければ、シルフィエーラの父ラファル・ローリエがへべれけになってそう言っていた。
最後には「エーラが嫁に行くのはまだ早いと思う」と何度も訴えていた。誰も気に留めていなかったが。
「うちにいたときも一度か二度、翡翠が飛び立っていったくらいですわね」
「うん、じゃあ送ろうか。うちにも『月刊武芸者』はあるし」
「それがいいですわ! トリシャ様も『アルはどうしてるかしら?』って仰ってましたし!」
名案ですわ! と、イリスが輝くような笑顔を見せる。敬愛しているアル達と思慕の念を抱いているマルクの活躍を彼らの両親にも知ってもらいたかった。
「そうと決まれば急ごうか。まずは今月の『月刊武芸者』だね」
「あ、だったらこれを使ってくれて構いません」
レーゲンは急ごうとする親娘へ持っていた今月号をさっと握らせる。
15ダーナだ。継続依頼としてちょくちょくイリスの指導をしている『黒鉄の旋風』頭目からすれば安い買い物である。
それに善い報せだって、早いに越したことはない。
「いいのかい? ちょっと待っててね。すぐお金持ってくるから」
「いえそんな。わざわざお急ぎになる必要は――」
「金の切れ目が縁の切れ目だよ。こういうのは急ぐくらいで丁度良いのさ」
フッと親しげに笑って『月刊武芸者』を受け取ったトビアスの軽妙な目つきは、どこかアルのそれを彷彿とさせる。
それを見たレーゲンと3名は『やっぱり親戚なんだなぁ』と、思うのであった。
斯くして、”鬼火”の一党の活躍が載った切り抜きを追加された手紙と小包みは、『歪曲転移術式』の上へと置かれることになる。
隠れ里を出立して約1年半後――里帰りした際、まさか自分達の功績のほとんどが里中に知れ渡っているとは夢にも思わぬアル達であった。
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