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神様、私に勇気をください!

作者: 神崎 ライ

 私にはもう時間がない。

 この思い、何とか伝えたいけれど……

 物心ついた時からずっと一緒だった、幼馴染み(アイツ)がいなくなるなんて考えたこともなかった。


 いつもと同じように一緒に帰宅した時、何となく様子がおかしかった。

 その理由は、夕飯の時に明らかになった。


 お母さんが一言、


「お隣の隆行(たかゆき)くん、もうすぐ引っ越すそうよ」


 と言った。その瞬間手にしていた茶碗が左手から滑り落ちていく。

 遠くで、ぱりん、という音が聞こえた気がした。それを叱るお母さんの声も全く耳に入ってこない。


 気付くと、部屋のベッドで泣き崩れていた。


(ずっと一緒にいるって言ったくせに……なんで? どうして?)


 その夜は眠れなかった。翌朝、寝不足でぼーっとする頭で考えた。


(今日は会いたくないな)


 私はいつもより早く家を出た。そのせいで昼休みにアイツ(隆行)と喧嘩になり、そのまま一言も話さないうちに放課後になってしまった。

 心にぽっかりと穴が開いたように寂しさが吹き込んでくる。そんな時、隣のクラスの女子と仲良さそうに話している隆行の姿が目に入った。ズキリ、と胸が痛む。


(あんな笑顔見たことない。気にしたことなかったのに……私、こんなに好きだったんだ……)


 初めて自覚した。

 隣にいるのが当たり前で、居心地のいい関係が壊れるのが嫌で。()()()()()()()()()()()()()()


 次の日、昨日隆行と話していた女子が告白するという噂を聞いた。

 どんなに困っていても笑顔で助けてくれた。悲しい時もずっとそばにいてくれた。いつだって隣にいて支えてくれていた。そんなアイツが他の誰かと並んで歩いているところなんて、絶対に見たくない。

 強くそう思った。


 隆行が転校するまで、()()()()

 何度も思いを伝えよう、と決意するけれど、いざ隆行を目の前にすると、うまく言葉が出てこない。


 神様、お願いです。どうか「好き」と伝える勇気を……私に下さい!

中学生女子を想定した淡い恋心を書いてみました。

ずっと隣にいるのが当たり前の幼馴染み、ある日突然いなくなる。そして、伝えたいけど伝えられないもどかしさを想定しました。


書いたことないので頭がオーバーヒートしました(笑)

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― 新着の感想 ―
長さじゃないんですねぇ…… 1000文字に満たなくても色々詰め込めるんですね。
[良い点] 恋愛では良くある設定ですが、女の子の感情をきちんと文章にして表現しているのがとても良いと思いました。最後にタイトル回収しているのも良きです。 [気になる点] ショートストーリーというのはX…
[良い点] 続きが気になります! [一言] 先日は高評価レビューありがとうございました! なんとなく本作を選びましたが、続きがどうなるのか気になります。 オーバーヒートが治まりましたら、書いていただけ…
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