ご先祖様を探して編その一
エルハイミのその後を覗き見る蛇足編です。
ティアナの転生者を見つけた後の日常を垣間見てみましょう!
ご先祖様を探して編その一
ユーベルトでいろいろと問題もあったけど一応落ち着いたのであたしはいよいよご先祖様を探す旅に出かけようとしていた。
「くふふふふっ、エルハイミと二人っきりで旅に出れるなんて、もうこのまま新婚旅行よね?」
「シェル、何を言っているのですの? 私たちの目的はご先祖様を見つけ出して冥界の女神セミリア様に会い輪廻転生システムに介入させていただきティアナは勿論、イオマやショーゴさんの魂を限定した場所に転生させてもらうようにしなければならないのですわよ?」
ウキウキと荷造りしながら道具とかを自分のポーチにどんどんと仕舞っていくシェル。
そんな彼女を見ながらあたしはため息をつく。
ここ数年全くと言って良いほどご先祖様の情報がない。
仕方ないのであたしはシェルの故郷、エルフの村に向かってメル長老に話を聞こうと思っていた。
そしてその役は今一番動きやすいこのあたし、エムハイミ(通称)がやる事となった。
そうなるとシェルが同伴するわけだけど‥‥‥
「ねえ、エルハイミまずは何処行くの? 前に行った海辺の、えーとユエナの街なんか好いわね? あそこはきれいだし二人っきりでゆっくりと愛をはぐくみましょうよ?」
「シェル、私たちが最初に向かうのはあなたの故郷ですわよ? エルフの村に行ってメル長老に会わなければなりませんわよ?」
「え”っ?」
あたしがそう宣言するとシェルはビキッと固まる。
「ななななな、何でぇっ!?」
「だからご先祖様を探して冥界の女神セミリア様に会いに行く方法を聞くのが目的ですわよ? そうするとご先祖様の居場所を知っていそうなの人物と言えばメル長老を置いて他に誰がいますの?」
あたしがそう言うとシェルはもの凄く嫌そうな顔してぶつぶつ言っている。
「わざわざそんな所に行かなくてもエリリアにでも聞けばいいじゃ無いのよ!」
「エリリアさんでも知らない事は知らないらしいですわよ? どうも冥界と言う場所は他の女神様たちも簡単には行けない場所らしいですわ」
あたしもエリリアさんに聞いてみてはいたけど、アンナさん経由で風のメッセンジャーでの回答は行き方を知らないし、場所も分からないと言う事を聞いていた。
なのでいろいろ考えた末にメル長老に会いに行くのが良いという結論に達した。
「でも、エルフの村に行くって事はあたしがエルハイミのお嫁さんだってもっとアピールを‥‥‥ それ良いわね。行きましょう! そして仲がいい夫婦をみんなに見てもらいましょう! 勿論キスはしまくってもいいわよね?」
「何を言っているのですの? 目的が違いますわよ!」
まったく、このエロフはあたしのことを押し倒すか襲うか、さもなくば既成事実を作る事しか考えてないのではないだろうか?
思わずジト目でシェルを見るけど当の本人はウキウキとしている。
あたしはため息をついてティナの町にいるエルハイミを通してサティアことティアナの様子を見る。
どうやらお風呂上りらしい。
可愛らしいパジャマで一緒に寝るから絵本を読んでくれとか言っている。
うんうん、サティアの為なら何でもしちゃうからね、お姉さんは!
ああ、ちっちゃいサティアも可愛いなぁ~。
キスとかできないのが残念だけど、確かにこんなちっちゃいうちから、とてもいけない事教えちゃうのはまずいもんね。
大人になるまでの辛抱。
そうしたら公認でサティアの初めては私のモノ。
いや、その後の人生だってそれはそれはバラ色キングダム!
あたしには無限に近い時間が有る。
だからサティアが成長するのを待つのもわずかな時間のはず。
あと少し、そしてあたしはサティアと共に愛の世界へと召されるであろう!
ああっ!
サティアぁ!!
「エロハイミ、なんかまたいやらしいこと考えているでしょう……」
「はっ!? シェ、シェルそ、そんな事はありませんわよ(汗だらだら)」
「ふぅ~ん、そうなの? その割にはちょっといやらしい香りがするわよ?」
どきっ!
そう言えばエルフって嗅覚も敏感なんだっけ?
あたしは平静を装うけど、シェルはあたしの回りをくんかくんかと嗅ぎまわる。
「怪しいわね、確認よ!」
「ってぇ、シェルぅ服を脱がさないでですわぁっ!!」
この先シェルと一緒であたしの操って大丈夫なのだろうか?
心底心配になってくるあたしだったのだ。
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