ユーベルト編その二
エルハイミのその後を覗き見る蛇足編です。
ティアナの転生者を見つけた後の日常を垣間見てみましょう!
さてさていよいよ新女神教発足ですよ~!
エルハイミがせくすぅぃーぃな姿でお目見えです!
ユーベルト編その二
現在あたしがこの世界の主神になる為の動きがされている。
「それでエルハイミ母さんはその後ずっとここにいるつもりなの?」
「これが終わりましたらご先祖様を探す旅に出ますわ。なんとしても冥界の女神セミリア様にお会いして輪廻転生システムに介入をさせてもらわなくてはですわ」
これは最終的にはティアナの転生者の為でもある。
勿論それ以外にもイオマやショーゴさん、今後あたしの近くに来てもらいたい人の魂は可能な限り管理できる場所に転生してもらいたい。
今現在考えているのはジルの村にみんなが転生出来るようにしたい。
そうすればティアナを探す手間もイオマの「魔王」に「魂の封印」をかけるのも便利になる。
「ふーん、じゃあエルハイミ母さんは魔法王を探しに行くのかぁ~」
ぱきっ!
セキはソーセージをかじりながらそう言う。
今の所冥界に生身で行く方法はあのご先祖様しか知らない。
いくらあたしが「あのお方」の力を使ったとしてもあたしに与えられた力は破壊と創造の力。
知らない事はやっぱり知らないのである。
だからと言って「世界の真理」と言うとんでもない量の知識を必要な部分だけ引っ張り出そうとしても関連付随情報だけで人間をベースとしているあたしの脳みそが悲鳴を上げる。
試しに三人のあたし同時でやってもまだまだ足らない。
なので内容にもよるけどそれはほとんど使えないのだ。
もし地道にやるとすると何千年もその内容を少しづつ受け取り理解していかないとならない。
そんな事やってられないって―の!
なので知っている人に聞くのが一番早い訳だ。
「エルハイミ、エルハイミぃ~。それで何時神殿に行くの?」
シェルがバティックの所から戻って来た。
どうやらパパンとバティックがシーナ商会経由でいろいろと海産物の仕入れについてやっていたのでシェルがその状況を聞きに行っていた。
「エルハイミまた女神様やるの~?」
マリアが飛んで来てあたしの肩にとまる。
あたしは軽く頷き言う。
「女神様のお仕事終わりましたらご先祖様を探す旅に出ますわよ」
「またエルハイミと愛に満ちた旅路ね! もうハネムーンでも良いわ!!」
「う~ん、ここを離れるのかぁ~」
「セキは行きたく無いの?」
あたしの宣言にシェルはやる気満々だがどうもセキはあまり行きたく無いようだ。
マリアがセキにそう聞いてもう~ん、う~んと唸っている。
「ここだとおばあちゃんが好きなだけお肉食べさせてくれるし、あたしがエルハイミ母さんに付いて行ってあの魔法王に会うとぶっ飛ばしたくなっちゃうしなぁ~」
そう言えばセキは昔ご先祖様に「女神の杖」を守るために束縛されていた苦い思い出があったんだっけ?
太古の竜を屈服させて服従させるのだもの、相当なものだったのだろうなぁ。
「あんにゃろに襲われなかったのが唯一の救いだったけど、まさか人型でお酒と食い物釣られるとは思わなかったよなぁ~。いやぁ、油断した、油断した」
前言撤回。
単に食い物につられて油断したのか、こいつは!?
あたしは思わずセキをジト目で見てしまった。
この子、もしかしてうちのママンでも御せるのではないだろうか?
食べ物で。
「まあその時になったら考えましょうですわ。とりあえずは面倒な神殿の方を片付けましょうですわ!」
あたしはそう言って風のメッセンジャーでベイベイからの連絡を確認するのだった。
* * * * *
「エルハイミ、カルロスからよ。本当にやるつもり?」
シェルはカルロスから預かって来た衣装をあたしに渡して来る。
「仕方ありませんわ。私にはこの世界の平穏を守る役目がありますもの。その為にカルロスも神殿専属の騎士になったのですわ」
あたしは自分の姿を大人バージョンにしてこの世界でいう所の女神様のイメージにする。
神殿であたしたちはいよいよ女神教を統一する宣言をする訳だけどその最後に女神の姿のあたしが天高くから降臨する事になっている。
なので控室でカルロスが用意した衣装を着てみるのだが‥‥‥
「なんなのですのこれっ!?」
あたしは自分の姿を鏡に映してもう一度見る。
胸の谷間が見えるのは良いとして、何故に横乳まではみ出る仕様!?
かろうじて先端だけはガードできているけど気をつけないとすぐにポロリしてしまいそうだ。
太ももだって下着が見えるか見えないかの絶対領域まで切れ込みが入っているし、背中なんて丸出しも良い所!
おへそも丸出しになっているこれってほとんど水着じゃ無いの!?
其の他の場所もサンダルのようなこの靴のはずが何故ハイヒールになっている!?
飾りの装飾品もやたらとジャラジャラと。
あたしはため息をつきながらみんなの待っている所まで行く。
「我が娘ながら立派に育ったものだ。若い頃の母さんそっくりだよ」
「ね、姉さま! カルロスのやつ、なんていい仕事するんだ!!」
「でしょ! 兄さんやっぱこれだよね!!」
「ああっ! 凄い特盛!! エルハイミその半分でいいから私のも育ててっ!!」
「エルハイミ母さん、あたしの前世の人型よりすごいじゃない‥‥‥」
「エルハイミのお母さんそっくりだけど、胸がもっと大きいね~。うわぁ、ふかふか~!!」
パパンは涙して拳をぐっと握り、バティックは顔を赤くしながらもあたしの姿を目に焼き付けるかのようにガン見している。
カルロスは歯を光らせなが親指立ててサムズアップしている。
シェルは両手を胸の前で合わせてあたしの胸を凝視しているし、セキは腰に手を当てため息をついている。
そしてマリアは飛んで来てあたしの胸の谷間に腰掛けるかのように入ってきゃっきゃっ遊んでいる。
「さて、それでは始めましょうかですわ」
準備は出来たのでいよいよ司祭様が演説を始める。
そしてここに新たな女神教が誕生するのだった。
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