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エルハイミ‐蛇足編‐  作者: さいとう みさき
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ご先祖様を探して編その三

エルハイミのその後を覗き見る蛇足編です。

ティアナの転生者を見つけた後の日常を垣間見てみましょう!



 ご先祖様を探して編その三



 今日はユグリアの「緑樹の塔」に泊めてもらって、明日早くからエルフの村に行く事にした。



 食事も終わりあたしたちは与えられた客間で休もうとしていた。

 ベッドに腰かけながらマントを取り、あたしはふと思い出す。


「そう言えばシェルの妹のシャルちゃんってもう一人で動けますの?」


「シャル? ああ、前に風のメッセンジャーで聞いたらもう一人で歩き回っているらしいわね。人間で言うと五歳くらい? だいぶ言葉も覚えてきたらしいけど、お父さんがかなり可愛がっているらしいわね」


 そう言えばシェルの実家にも顔くらい出さなきゃいけない。

 なんだかんだ言ってあたしはシェルを娶った格好になっているから。


「シェルの親御さんにもご挨拶していかなければなりませんわね?」


「ゲッ!? それ本気で言ってるの? うちの親なんか十年以上会わなくたって平気よ!」


 そう言ってシェルはずいっとあたしの前に来る。



「むしろ行かない方がいいわ。お父さん面倒だし、お母さんもエルハイミと一緒だと根掘り葉掘りと夜はどうかとか恥ずかしい事まで聞いてくるんだもん」



 駄目だ、やっぱりこいつらもダークエルフと同じエロフだ!

 いや、ダークエルフも元々はエルフだったからこれがこいつらの本性か!?



「それでね、エルハイミあたしたち夫婦なんだからもっと自然にしていないとだめだと思うのよね?」


「はえ?」



 そう言いながらシェルは既にあたしの両の手の上に自分の手を置いて逃げられない様にしている。


 しまった!


 ベッドに座ってシェルの話を聞いているうちにやばい体勢に入っている!!



「ね、エルハイミ。チューだけだからいいよね? 勿論その先もしたいけど我慢するからチューは良いよね?」


「こ、こらぁ! なにを言っているのですの? だ、駄目に決まっていますわ!!」


「いいじゃない、減るモンじゃないし~。大丈夫、先っちょだけだからぁ~」


「何が先っちょですの!? そう言ってまた舌入れて来る気でしょうですわっ!!」



 とは言え、既にシェルの顔はあたしの目の前に迫っている。

 はぁはぁと興奮しながら白い肌をうっすらと桜色に上気させている?


 ま、まずい、こいつ本気だ!!


 目が既にハートになっているし、細い腕の癖にあたしの手を押さえる力がもの凄い。

 このままでは押し倒されていけない事されまくっちゃう!



「だ、駄目ですわシェル、こんな所で……」


「大丈夫、すぐに終わるわよ? ほら、力抜いてあたしに任せて……」


 目の前にシェルが更に迫って来る。



 どきっ!



 そりゃぁシェルだって可愛いわよ?

 あたしもここ最近ご無沙汰だし、サティアが大きくなるまで我慢とは言えキス位したい時もあるわよ?

 そんなあたしの気持ちを知ってかシェルは更にあたしに覆いかぶさって来る。



「大丈夫、あたしに任せて……」


「だ、駄目ですわぁ、私にはサティアと言う心に決めた人がいるのですわよ? あ、ちょっと、シェルぅぅっ!!」



 とさっ!



 シェルの迫る顔から逃げようと体を後ろにのけぞらせたのがまずかった。

 あたしはベッドに座っていた為に後ろに倒れてしまい、結果シェルに押し倒される格好になってしまった。



「エルハイミ…… 可愛いわよ……」


「だ、駄目ですわぁ~、こんなのぉ、駄目ですわぁ~」



 やばい、あたしもキスしたくなってきちゃった。

 シェルは完全にあたしの上に圧し掛かって頭の横に両の手を突き押さえられ逃げられないようにされてしまう。

 倒れた拍子に股の間にシェルの太ももを入れられてもの凄くやばい。


 透明に近い金髪がさらさらと揺れて美しいシェルの顔が迫って来る。



 ああぁん!

 あたしシェルに唇奪われちゃぁうぅぅっ!!



 ばんっ!



「シェル~、エルハイミさんとどんなプレイしているか教えなぁ…… ごめん! お楽しみ中だったのね!! あ、でも後でそれも教えてね!!」


「ちょっ! ア、アレッタさん!? 助けてですわぁっ!!」


「もう、アレッタ邪魔よ~。いただきます~♪」


「あ”あ”あ”あ”ああぁぁぁぁぁぁ!!!!」



 ぶちゅぅううううぅぅぅぅぅ~?



 結局シェルに唇を奪われまくって舌まで入れられた。

 それはそれは激しく……



 か、感じてなんかないんだからね!

 イっちゃっても無いんだからね!!



 * * * * *



「エルハイミさん、仲が良いのはいいのですがあまり大きな声を出されますと……」



 翌朝、ファイナス市長は困ったような顔でそう言う。

 あたしはげっそりとしているが隣を歩いているシェルはお肌テカテカになって結界の門に向かっている。



「まあ若いお二人に自制を強要しても難しいですね。今度は防音の客間にします」


「しないでくださいですわ!!」


「え~? ファイナス長老も公認なんだから最後までしちゃってもいいのにぃ~」


「そこっ! なに便乗して変な事言っているのですの!!」



 そりゃぁ経験はあるから今更白々しくするつもりはないけど、白昼堂々とこいつは何を言い出すのやら。

 軽い頭痛を感じてから結界の門を通り抜ける。


 そして久しぶりに足を踏み入れるそこは前に来た時と寸分違わず時の流れに取り残されたままのようだった。



「相変わらず変わり映えしないわね、ここは」


「エルフの村、ですものね……」



 あたしとシェルが出会ってからそこそこの時を一緒に過ごしている。

 人間の世界ではいろいろな事が有ってもここは全く変わっていない。

 二人して同じ時を過ごすようになってあたしは人間でもその容姿がほとんど変わらなくなってしまった。

 それはシェルから受け取った「時の指輪」の効力。

 まあ、今は「あのお方」の力の末端なのでこの世界にいる限りあたしは破壊と創造を司る女神として君臨する事になるのだけど。



「さて、すでに連絡はしています。直接メル様にお会いにいなりますか?」


「はい、お願いしますわ」


 ファイナス市長にそう言われあたしは頷く。

 何としてもご先祖様を探し出して冥界に行く手立てを教えてもらわなければならない。



 あたしの中にはまだイオマとショーゴさんの魂が保管されている。

 そして最愛のティアナが今後輪廻転生するにあたってあたしの目の届くところに転生をしてもらうために。




 あたしたちはファイナス市長に連れられて世界樹の元へ向かうのだった。


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[一言] >シェルは完全にあたしの上に圧し掛かか頭の横に両の手を押さえられ逃げられないよにされてしまう。  ここと、その次の行の文章ががががが。  もしかして頭がパニックで、まともな思考を奪われた表…
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