表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界ラノベ作家の日常  作者: 雪野 冬華
1/1

1日目 〝望月怜奈〟


小さい頃、両親や学校の先生から問われたことあるだろう。

『将来何になりたいのか』と。


誰にでも夢はある。ただ、いくら努力してもなれないものもあるのだ。


たとえば――




「最近こういうのばっかなんだよねぇ。異世界転移ものとか異世界転生ものとかさぁ」

クチャクチャと租借音を鳴らしながらガムを噛み、眉間に皺を寄せながら紙束を叩く恰幅のいい男。首から下げられた社員証には多田盛明(ただもりあき)と記されている。多田の目の前で萎縮し、乱雑に束ねられた髪を触りながら女性―望月怜奈(もちづきれいな)―は、はぁ、と小さく息を漏らす。


飽き飽きだよ、まったく、と盛大に溜息を漏らして紙束を机上に叩きつけ、「あのさぁ、」と言葉を繋げた。




怜奈は多田の暴言とも取れる小言を散々聞かされた後、多田の所属する会社を後にし外に出て、多田の会社を睨み見た。「覚えてろよ、デブが」と誰にも聞こえないほどの小声で毒吐き、その場を後にした。


帰宅ラッシュの時間と被り、怜奈は内心舌打ちをしながら鞄を胸の前に抱え、電車に乗り込む。多田の小言は毎回長く、酷い時は2時間もの間延々と言い続けることもあった。殴ってやろうか、と思うことはあれど、それを口に出すことも、ましてや本当に殴りかかることはしない。大人になるとはそういうことだと怜奈は今まで我慢してきた。

鞄を見つめながら手すりに掴まり、今日一日で稼いだ多田へのヘイトのことばかり考えていた。気が付けば怜奈の家の最寄り駅に到着していて、怜奈は急いでホームへと飛び出した。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ