かくれんぼ
後ろを向いてて、いいと言うまでは。
どっかいいとこないのかな?
誰にも見つからないとこないのかな?
誰にも知られないとこないのかな?
ダメだよ、こっちは見ちゃいけない。
咽び泣く声が触れてくる。
空笑いの声がしがみついてくる。
誰にも見つからないとこ望んだけれど、ほんとうにひとりになること望んだの?
周りを見渡したつもりでも、視界は心の中に囚われている。
操ったつもりでも、操られた憧れに心の流れは乱されている。
ここでいいの?これでいいの?
今はこっち見ないで、探さないで。
見つかっても気付かれないようにしたいから。
今はこっち来ないで、探さないで。
いいと言うまでこっちは見ないで。
忘れた頃に、まあだだよと叫ぶから。
誰にも気付かれない頃に、歩いてそっちに行くからね。
誰も知らないうちに、もういいよと呟くから。