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族長たち①

更新が遅れてしまい申し訳ありません

アレルは祭壇に上り、六つのイスに座る赤、緑、黄、黒、青、そして、白。色それぞれでありながら、どれも美しく、雄々しくたなびく髪を持つ、六匹の人化したドラゴン達がアレルを見下ろす。アレルは胡坐をかき、拳を床に着け、頭を下げる。そんなアレルの姿に注目するようにステージを中心にして他の龍たちが集まっていた。アレルに注目が集まる、アレルを見送った竜王がアレルに呼びかける。


「アレル、改めて、良く戻りました。あなたの帰還を竜の里の民一同心待ちにしていましたよ。皆の者!杯を掲げよ!」


竜王の言葉と同時に、その場にいた全員が空高く、杯を掲げる。アレルの元に、いつもまにかどこかに行っていたシーラが、杯を持ってやってきた。アレルはそれを受け取って掲げる。アレルが掲げるのを確認した竜王が号令をかける。


「我らが同朋の帰還を祝し!乾杯!」

「カンパイ!」


その場にいた全員が声を合わせ祝杯を挙げた。




 アレルは、自分の帰郷を祝ってくれる里の住人にもみくちゃにされながら、各族長たちの元へ挨拶に向かっていた。まず訪れたのは、翡翠の髪を持つ女性、風を司る風竜の一族の族長ウェントゥス・ウィリディだった。ウィリディはアレルに気づくと、手招きをする。


「ウィリディ様、挨拶が遅れてしまい申し訳ございません」

「いいさ、それに族長連中では私が最初のようだしね」

「お変わりないようで安心いたしました」

「竜が三年程度で変わるものか、私は君の方が心配だったが、向こうでの生活を見る限り、腑抜けてはなさそうだ」

「ウェリディ様もご覧になられていたとは、お恥ずかしい限りです」

「この三年は退屈しなかったよ。それより、神から新たなお役目をもらったのだろう?」

「はい」

「君なら大丈夫だろう、心配はしていないよ。君が本当の意味で同朋となる日を待っている」

「ありがとうございます」


頭を下げるアレルの肩を優しく叩き、ウェリディは去っていった。次にアレルは、光を司る光竜の一族の族長ルークス・フラヴォの元を訊ねた。まばゆい光を放つ、杖を突いた老人だ。髭を伸ばし、仙人のような恰好している。


「フォフォフォおかえりアレル。下界を随分楽しんでいたようだ」

「フラヴォ様もですが」

「皆見ておったよ、お前に女子が近づくたびに、シーラが暴れて大変だったがのう」

「それは、何と言ったらよいか」

「良い良い、ワシもお前が人の子に暴力を振られているのを見た時は年甲斐もなく頭に血が上ってしまったよ」

「それは……」

「あの人の子らを傷つけないためじゃろ?お前もまだ人間とは言え、常人の域ではないからなぁ、相も変わらず優しい子よ」


フラヴォはそう言って、しわしわな手でアレルの頬に触れる。


「その優しさは美徳じゃ。しかし、時には命とりじゃぞ。お主が死んで悲しむものはここには大勢おるでの」

「はい」

「気を付けて役目を果たしなさい」

「はい!」


アレルはフラヴォの手を強く握る。


最後まで読んで頂きありがとうございます!

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