第40話 練習艦隊④ 故郷
スペンサー要塞周辺宙域での訓練が終了した。
練習艦隊は月に到着するまで幾つかのスペースコロニー群に寄港しながらの訓練を続け、それは以前にひとみが言っていたように不定期に行われた。
その訓練は不定期なので、どんな時に想定訓練が始められるかがわからない。そのため緊張が解けず、気が張って休んでも眠りが浅く、徐々に体力が消耗していく。そのような状況の中で突然想定が始まる。それは敵襲による戦闘配備であったり、被弾や事故によるダメージコントロールであったり、はたまた敵コマンド侵入に対する艦内での白兵戦であったり。一体誰が考えるんだか、因みに私は白兵戦では早々に敵コマンドに撃たれて射殺判定されてしまった。
スペースコロニー群へ寄港した際には、流石にそうした訓練は行われず、体力的には兎も角、精神的には随分と楽になる。
寄港したコロニーでは、市長(地球連邦ではスペースコロニーは一部例外を除いて地方自治体の市として扱われる)への練習艦隊司令による表敬訪門、宇宙港では艦内の市民への開放、士官候補生による行進といったイベントが行われ、スペースコロニー市民との交流が行われる。
このスペースコロニー寄港ではとても嬉しい事があった。練習艦隊が私の故郷であるN-1コロニー群の群都である天河市に寄港した際、なんと地元の友達が面会に来てくれたのだ。
萌と南は小学校以来の幼馴染にして親友だ。クラスや部活が別になったりしてもずっと私達の友情は変わらず、お互いに高め合い、勉強に部活に頑張ってきたのだ。
二人とは士官学校に入校してから手紙のやり取りはしていたものの、今回のNー1コロニー群への寄港については何一つ知らせていなかった。何せ私自身が練習艦隊司令部から練習艦隊のNー1コロニー群への寄港を知らされていなかったからね。
おそらく、萌と南は報道されていた練習艦隊寄港の情報と、艦隊に乗り組んでいる士官候補生の期生から、私がいると当たりをつけて来てくれたのだと思う。
私はNー1コロニー群天河市コロニーに上陸すると、宇宙港港内にある面会場所に指定されているカフェテリアに急いだ。萌と南に会うのも役一年半ぶりだ。当時の私は父の戦死に伴うゴタゴタと士官学校受験で忙しく、高校3年生の後半はあまり二人とは会えなかったし、最後はちゃんとお別れも出来なかった。その事がずっと心残りだったから、二人が会いに来てくれた事は本当に嬉しい。
「萌、南!」
「「咲!」」
カフェテリアに入りお互いを見つけ合うと、駆け寄って抱き合った。
「「「 逢いたかったよぉ〜」」」
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