第7話 レベルアップ・金貨・街。ポーションづくりは儲かるみたいだ
なんと。徹夜で作ってしまった。
小回復ポーションが30本。
猫看板娘が集めてきた薬草が20束だから、こんなにできるはずがない。
まだ10束残っているから、同じだけ作れる。
依頼は15本だけなんだけど。
ついつい作りすぎてしまうんだよな。
15本は別のとこで売らなきゃ。
ついでと言ってはなんだけど、ポーションスキルがレベルアップして2になった。
たくさんポーションを作るとポーションスキルがレベルアップするらしい。
レベルが上がったら、ポーションづくりの時間が短縮された。
もしかしたら、新しいポーションができるようになったのかもしれないけど、
素材がないからわからない。
他にもレベルアップ効果があるかもしれないけど、まだわからないな。
☆ ☆ ☆
「ポーションを用意できたぞ」
「おー、もうできたのか?」
冒険者の3人とじぃさま医者と猫獣人が部屋に来た。
ここだと狭いから、冒険者たちの部屋に移動して話をすることに。
「全部で15本」
「「「「「おおー」」」」」
床にズラリと並べたポーションを見て、みんなで盛り上がっている。
「これで、あいつに勝てるわね」
「もちろんだ。今度は勝つさ」
「そうだにゃー。いけいけー」
じぃさま医者も盛り上がっている。
「これがあれば、助かる病人も増えるだろう」
1本で銀貨3枚。
15本で金貨4枚と銀貨5枚。
すごいな。原価は銀貨1枚。
実際はもっと多く一晩で作れるし。
冒険者たちはポーションを手に入れたことで、グレイト・ベアを倒す作戦会議を始めた。
じぃさん医師は、患者が待っていると帰っていった。
当座の資金が手に入ったし、ポーションで稼げると分かったし。
楽しくなってきたぞ。
「これからどうするのかにゃー」
「そうだな。街へ行ってみようと思う」
「この宿場町にしばらくいてくれないのかにゃ」
「いや、今日発とうと思う。いろいろと世話になったな」
「また、この街道を通るなら、寄ってくれにゃ」
「ああ。約束しよう」
全く知らない異世界に来て、知り合いが増えていくのはうれしいことだ。
しかし、もっと多くのことを体験したい。
そのためには、小さな宿場町より大きな街がいいな。
ポーションスキルをもっと使いたい。
新しいポーションを作ってみたい。
街にいけば、ポーションの素材も手に入るはずだ。
街へ行くとするか。
街への移動方法を確認してみた。
街へは街道をいけば馬車で3日。
馬車なら歩かなくていいのは助かるな。
これから向かう街は、街道を西に進んで行き止まりにある街。
そこでは、どんな出会いがあるのか。
今から楽しみだ。
☆ ☆ ☆
今、俺は街に向かう馬車の中にいる。
もう3日目だから、今日の夕方には街に着くはずだ。
馬車の中では特にやることがない。
この時期は馬車の客が少ないと見えて、ずっとひとりだった。
話す相手もいないから、ポーションスキルを調べることに時間を費やした。
それで分かったこと。
ポーションスキル2になったことで、生成できるポーションの種類が増えた。
スキル1のときに、作れたポーションは3種類しかなかった。
水と微回復と小回復。
しかし、あと3つあることはわかっている。
四角だけ表示されるのだ。
薬草に触れると、目の前に現れるスクリーンに『小回復ポーション』と四角枠付きで表示される。
他に5つの四角枠が表示される。
そのうちの2つにはグレーで『ポーション(水)』と『微回復ポーション』と表示されている。
残りの3つの四角枠には何も表示されていない。
あとスキル1で作れるポーションは3種類あるということだろう。
さらにちょっと離れて8つの四角枠があり、やはり何も表示されていない。
たぶん、これがスキル2で作れるポーションで全部で8つあるのだろう。
今、作れるのは小回復ポーション。
薬草を使って作って、全部で45本になった。
これを一本銀貨3枚で売れれば、金貨13枚になる。
当分足りるな。
他のポーションも作ってみたいけど、素材が何かまだわからない。
もっと多くの素材を用意してチェックしないとダメだな。
街に着いたら、薬師が使う素材を買ってみてチェックしてみよう。
あとは、どんなポーションがあるのか、調べてみることだな。
もっと多くのポーションを作れるようになりたいな。
そんなことを考えていると、街に着いたらしい。
いよいよ、街に入ります。
チートなポーション師。
街でどんな騒ぎを引き起こすのか。
楽しみです。