第55話 エタドラ・ハイドラ・腹一杯。目覚めの行動はこれだな
「ふぁー。良く寝た」
まだ、頭がぽーっとしているな。
どのくらい寝たんだろう。
「300年になります」
ふーん。
今回はずいぶんと長めに寝てしまったな。
さて、目が覚めたし。
何か、しようかな。
よし、まずはご飯だな。
何がいるかな。
うーん。
ずいぶんと貧相な獲物しかいないな。
まぁ、僕がずっと寝ていたんだから、
仕方ないか。
身体も随分と小さくなってしまってし。
そんなに大量に獲物が必要な訳じゃないな。
おっ、いい感じにハイドラがいるじゃないか。
頭が9つある蛇だね。
東方の国には、ヤマタノオロチっていう仲間がいると
言われているけど、それは頭が8つ。
ハイドラの方がひとつ多くてお得だね。
よし、今日はハイドラの白焼きといきますか。
☆ ☆ ☆
その日、街の近くのダンジョンでは
大きな異変が起きていた。
それまでの魔物配置が大きく変わってきたのだ。
浅層階では見られなかった、
強い魔物が現れるようになった。
その原因は、中層階にさらに強力な魔物が現れ、押し出されるように中層階の魔物が浅層階に移動していたのだ。
中層階に現れた強い魔物、
それも深層階から上がってきた魔物だ。
そして、深層階の奥の奥。
もっとも、深いところで、
強力な魔物が目覚めていた。
神話の中に出てくる超強力な魔物。
エターナル・ドラゴン。
あまりに強すぎて、現れたら逃げる以外に対応方法がないと言われている魔物。
あまりに強すぎて、物語の中でキャラ化されてしまっていて、「エタドラ」と略名で呼ばれてしまっている。
あまりに強すぎて、実在するとは誰も思っていない。
そんなエタドラ、エターナル・ドラゴン。
その魔物が街の近くのダンジョンで目覚めたのだ。
☆ ☆ ☆
「ふー、食った食った」
ひさしぶりの食事はついつい食べすぎてしまうな。
やっぱり、ハイドラの白焼きはうまいな。
タレがないから、かば焼ができないのが残念だ。
皮の上からファイヤーブレスで一気に焼き上げる。
皮はこげこげになって、食べられないけど、身は、ほくほくに蒸しあがってうまい。
おかけで、9本、一気食べしてしまったら、ちょっと胃もたれ・・・なんてことはないか。
なんでも消化してしまう僕の胃袋。
便利だな。
さて。
僕が起きたということは、魔素の濃度が上がっているということ。
すこし、ダンジョンを見回って、どんな魔物が住んでいるのか、見学と行きましょうか。
無駄な殺生はしないよ。
ちゃんと食べる以外の部分は、殺したりしない。
もちろん、突っかかってくる無謀な奴は別だけどね。
一瞬で片を付けることになるね。
さて。腹が一杯になったら。眠くなってきた。
ちょっと寝よう。
明日何をするかは、明日考えよう。




