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第51話 研究・夜伽・独身。スタミナポーションと恋愛感情

「リル姉。これでいい?」

「そうね。もうちょっとバランスを考えて」

「どっちが多いの?」

「ほら、これが見本よ。これと同じになるようにするの」

「うーん」


俺がアトリエ開発室に入ると、メルとリルの薬師奴隷の姉妹がなにやら作っている。


「どうだ? できるようになったか?」

「リル姉は、もうスタミナポーションを完成させたわ」

「ほう。メルはまだか?」

「うっさいな。今、やっているとこ」

「しかし、よくリルはスタミナポーションを作れたな」


素材となる「オオヒル」は草原で採取チームに探させているから、

手に入るようになっている。


ただ、スタミナポーションを作れるのが俺だけというのは問題だ。

大量生産に向かない。


そこで、メルとリルの姉妹を研究チームにして、新しいポーションづくりの研究に専念させるようにした。


メルは元々、品質アップばかりしていて、数を作ることに興味がない。

だから、生産チームのリーダーをさせておくと問題になる。


だけど、全部の生産チームの品質アップや新ポーション開発をさせるとこんなに強いやつはいない。


それに、姉のリルはポーションづくりの知識がすごい。

この街では、知られていないポーションレシピを知っていたりする。

スタミナポーションも、作ったことはないけど、知識だけはあった。


メルとリルのふたりに任せてからは、新ポーションのレシピ作りがはかどっている。


「元々、私達が住んでいたところは、薬師が普通にいたとこなの」

「そうなのか」

「うちの家系は薬師の家系で、女が生まれると薬師になるのが当たり前だったの」

「うん。私もちいさい時、薬師のお祖母ちゃんの手伝いをしていたの」

「まだ、メルは5歳だったから手伝いというより邪魔してたわよね」

「そんなことないもん」


そうか。

ふたりの家系は薬師家系だったのか。

でも、なんで、奴隷になってしまったのか。


そこを聞くのは礼儀しらずだな。


「だけど、あのころでも、こんなに大規模なポーションづくりしたことなかったわ」

「そうか?」

「小さな村だったから。そんなたくさん作っても仕方なかったから」


リルがポーションづくりの手を止めて、俺の顔を見上げる。


「アキラさんには感謝しているの。メルと一緒に、またポーションづくりができるとは思ってなかったから」

「でも、リルは前にご主人様のところでも、ポーションづくりをしていたんだろう」

「ええ。作業場に閉じ込められて、作らされていたわ」

「そうなのか」

「そこから出れるのは、夜だけ」

「夜は自由だったんだな」

「違うわ。ご主人様の夜伽って仕事があるの。この仕事、最低だったわ」


メルが赤い顔になったぞ。


リルは綺麗だからな。

奴隷だから、そういう仕事をさせるご主人様もいるだろう。


「アキラさんは、夜伽の仕事は命令しないの?」

「えっ」


そんなストレートな。

俺も赤くなってしまったぞ。


「リル姉。そんなこと言っちゃ……」


そうそう。

若い女性がなんてこと言うんだ。


「アキラさん。もちろん、恋人がいて困っていないというなら、いいの」

「恋人?」

「ロザリアさんは恋人ですか?」

「ち、違うぞ。ビジネスパートナーだ」


そんなこと、一切してないぞ。


「だったら、誰にも気兼ねいらないわ。私に夜伽を命令してもいいの」

「ダメ!」


たしかにそんなこと、若い女性がいうことじゃない…ん?

だけど、メルが怒ることないだろ。


「メル。私、あなたと一緒に楽しくポーション研究ができる今がすごく幸せなの」

「うん。私も一緒」

「だから、この環境を作ってくれたアキラさんに感謝の気持ちを伝えたいの」

「うん」

「だけど。私ができることといったら……」


どうしよう。

リル、涙をためているぞ。

メルもか。


「あー、正直に言おう。俺は今、フリーだ。妻も妾も恋人もいない」

「うん」

「だけどな。奴隷に命令して、恋人みたいなことをさせるのは、イヤだ」

「そうなのね」

「もし、リルが本当に俺に恋しているのなら」

「わたし! ずっと恋してるわ!」


おっと、リルじゃなくてメルかよ。

それはちょっとな。


「お前はまだ子供だ」

「違うわ。もう15歳よ。ちゃんと成人した女よ」


えっ、15歳で成人なのか、この世界。

なんてことだ。


「あー、そうか。成人か」

「アキラさんはもっと、大人の女性が好きなのよね。私くらいの」

「えっと」

「そんなことないもん。みんな言うよ。15歳が女が一番綺麗なときだって」


参った。

こういうシチュエーションは慣れていないんだが。


こういうときは、あれだ。

俺が一番得意な方法ほ使うとしよう。


「決めた!」

「「えっ」」

「スタミナポーションを大量生産するぞ。そのための指導をリル、お前にまかせた」

「はい」


恋愛は苦手だけど、生産なら得意なんだよね。

今日は、スタミナポーションで強引に押し切ろう。


ハーレム展開にはなりそうもないな。

せっかくの美少女奴隷と美女奴隷なのに。


もっとも主人公、がんばれって思ってくれたら

↓にある評価のボタンょ押して欲しいな。

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