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第46話 好景気・販売計画・錬金術。冒険者ギルドは大賑わいだ

「ちょっと、頼みたいことがあるんだが」


冒険者ギルドのマッチョなギルマスから、お呼びが掛かった。

ギルマスの部屋に行ってみると、いつものように筋トレをしている。

そんなに鍛えなくてもいいと思うが。


「ギルマス、お呼びかな。なんだ?」

「ちょっとアキラに相談があるのだが。今、商業ギルドに卸しているマルスポーションだが。あれを冒険者ギルドに卸してもらうことは可能だろう?」


ギルマスはもちろん、マルスポーションの愛用者だ。

ロザリアが毎月1本届けている。


元々鍛えられていたギルマスの肉体が、さらに美しく磨きが掛かったらしい。


しかし、冒険者ギルドにマルスポーションか。


マルスポーションは金貨2枚もするから、冒険者で買えるのはごく一部だ。

だから、冒険者ギルドに卸すことは考えていなかった。


どうして、そんなことを言うのだろうか。


「最近な、冒険者たちの羽振りがいいやつらが増えてきてな。うちのギルドとしても、あいつらが稼いだ金で少し儲けさせてもらおうと思ってな」

「おお、そうか。マルスポーションが買えそうな冒険者が増えているってことか。それはいいことだな」

「ああ。それと、最近は高ランク冒険者がこの街にいつくようになってな」

「それもいいな」

「魔力草という新しい収入源もできているしな。ここのダンジョンでの稼ぎが他より良いと冒険者仲間の口コミで広まったらしい」


いい情報を聞いたぞ。

ずばり狙い通りになってきている。


冒険者達は危険をものともせずダンジョンに潜る。

だが、その結果として、報酬が少ないと問題になる。


魔力草を買い取ってもらえるなら、それだけで報酬が増えるからな。

それで作ったマナポーションも冒険者達がよろこぶしな。


「もちろん、品質がいいビーナス印のヒーリングポーションがあるのも心強いしな」


ポーションだけで、いろんな効果が出てきているな。

これからも、この方向でいくべきだな。


しかし、そうは言ってもマルスポーションが買える冒険者はそれほど多くはないのだろう。


月に10本。

ギルマスと話し合って、冒険者ギルドに卸すことになった。


そんな話し合いをしていると、ギルマスの部屋に入ってくる男がいる。


「おい、入るぞ」

「お、早いな。ちょうどいい」


ノックもせずに入ってきたのは、錬金術ギルドのギルマスだ。


同じギルマス同士ということで、仲がいいらしい。

もっとも、マッチョな冒険者ギルマスと違って、細身で神経質そうな感じなのが錬金術ギルマスだ。


俺は初対面だったので、冒険者ギルマスに紹介してもらった。


「ほぅ。あなたがビーナス商会の開発担当ですか。噂の」

「おお、そうだ。うちが賑わっている原因を作ったすごい男だ」

「聞いていますよ。うちとしても、冒険者がダンジョンに潜ってくれるようになって素材が手に入りやすくなって助かっています」


そうか。

冒険者と錬金術師。


魔物の素材でつながっているんだな。

そこは、うちの薬師と一緒だな。


「錬金術のことは詳しくはないんだが。うちとも何か協業できることがないかな」

「薬師と?ご冗談を。薬師と錬金術は全く違うジャンルでして。協業など無理無理」

「そうですかな。うちはいろんなポーションを作っているから、錬金術で使えるものもあるかと」

「錬金術というのは、高次元のエネルギーを扱う仕事でしてね。薬師とは全く違うんです」


うーん。

なんだかんだ言って、エリート意識がすごいな。

錬金術師って。


「逆にうちが使えるような道具は、作れたりするだろうか」

「それなら、たくさんあるでしょう。今度、見繕ってもっていきますね」


そういう話ならいいのか。

エリートが作った道具で一般人が便利になる。


自分達がすごいと思える方向なら、協力する気はあるんだな。


まぁ、無理はせず、うまく付き合っていくのが吉だな。


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