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第43話 アトリエ・手伝い・増員中。ポーション・アトリエの運営は

「アキラさん」


久しぶりにポーション・アトリエに来たら、目ざとくルティが見つけて走り寄ってきた。


「みて。わたしも作れるようになったの」


緑色の液体が入った瓶を見せる。

太陽にかざして見ると、均一な色で濃さもむそこそこある。


「うん。ノーマルグレードのヒーリング・ポーションとしては合格だな」

「そうなの。やっとリーダーの薬師婆さんにも、認めてもらったの」

「これができるなら、一人前の薬師だな、ルティ」

「うん」


ルティのような孤児や、親はいるけど貧乏でまともに食べられない子供をアトリエでは雇っている。

最初は掃除のような雑用が中心だが、慣れてきたら薬師の手伝いもさせている。

その中でも魔力が多くてセンスがありそうな子は、ポーションの作り方も教えている。


「いや、まだまだ、だ」


俺とルティのやり取りを聞いていたメルが口出しをしてきた。

品質第一のメルからすれば、ルティのポーションは合格ラインには入らないのだろう。


それでも、ルティは薬師手伝いの中ではトップの成績らしく、もうすぐ薬師手伝いから正式な薬師になる予定だ。


「まぁまぁ。ルティはメルのグルーブじゃないからな。おまえのとこじゃ、査定が厳しすぎるからな」

「アキラは甘いんだから。いい? ビーナスブランドが広まっているのは品質がいいからなの。そこを忘れないでね」

「はいはい」


そんなメルを無視してルティは俺に話しかけてくる。


「今日はアトリエに何の御用なの? わたし、案内するわ」


別に案内してもらわなくても、アトリエの中はだいたい把握しているんだが……


「駄目。アキラの案内役はわたしなの」


そう決まっているらしい。

まぁ、いいか。


しかし、久しぶりに来たアトリエはずいぶんと様子が変わっていた。

まず、広くなった。


最初、所属している薬師のうち3人だけがこのアトリエにいた。

元々作業場を持っていた薬師は引き続き作業場を使ってもらっていた。


アルフォン商会がポーション事業から手を引いた後、アトリエを大きく拡張した。

拡張したと言っても、最初のアトリエもそうだが、隣接するアパートを次々と買い取る形だ。


アパートの一階の部屋の壁をぶち抜いて、アトリエにする。

2階は薬師や助手の住処や食堂といった施設を作った。


隣接したアパートとは外壁をくりぬいて、廊下をつくりアパート同士を接続した。


今やそうした元アパートのアトリエが全部で4棟にもなった。

そこで働いている薬師は7人。

助手その他を加えると、25人にもなっている。


今日、アトリエに来たのは、新しい薬師の面接をするためだ。

大規模なアトリエになるにつれ、ビーナス商会は他の街でも有名になってきている。


アトリエで作られるポーションは、この都市国家だけでなくほかの都市国家へも輸出されるようになった。


最初は行商人が評判の良いポーションがあると知って、買い付けをしていたのだが、今は、他の都市国家の商会が直接買い付けに来る。


おかげでポーションを増産しても、余ることはなくなった。

他の都市国家からの引き合いは多く、割り当て制で輸出している。


だから、薬師はもっと必要となっている。

すでに隣接しているアパートは買い取りが完了して、改装工事に入っている。

その分の薬師は早いところ、増員したいと思っている。


俺のポーション・アトリエはすべてが順調のようだ。

アトリエも大きくなっているぞ。


どこに向かっていくのかな。

わくわく。



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