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第31話 嫌味・鑑定・評価。冒険者ギルドにポーションを納入してみた

やっとアトリエでのポーション作成が日産100本に達した。


一昨日までにできた80本と昨日50本。


全部で130本のうち、今日冒険者ギルドに120本納めて、販売スタートになる。


朝、ビーナス商会の事務所にいると。


「た、大変よ!」

「なんだ? ロザリア」

「昨日の分、ポーション50本をこっちに運んでいるメルが襲われたの」

「なんだって」


襲われたといってもメルはかすり傷程度。

ポーションを使うほどでもない。


ただ、50本のポーションは、黒づくめの服を着た男3人に奪われてしまった。


「これでは今日の納品が間に合わないわ」

「ギルマスに待ってもらえるかな」

「無理よ。最初から遅れるのは信用に関わるわ」


すると、なんとしても120本まであと40本、用意しないといけないのか。


「お邪魔するよ」

「なんだ? バカディか。なんの用だ」

「いや、たまたま、通りがかったら、大声が聞こえたんで。心配になってきたんだよ」


うすら笑いをしていやがる。

やっぱり、こいつがやらせたんだな。


「なんの問題もないぞ。心配ない」

「つい話が聞こえてしまってな。ポーションが足りないそうだな」

「・・・」

「ポーションを分けてあげようか」

「いらん。おまえのとこのような低品質のポーションなんか納入できやしない」

「言ったな! 俺も冒険者ギルドでお前らがポーションを持ってくるのを待っていてやるぞ」

「ああ。全部納入してやる。約束どおりにな!」


嬉しそうにバカディが帰っていった。


「どうするのよ、アキラ。ポーション、全然足りないわ」

「まず、アトリエで大急ぎで20本作らせろ」

「それはなんとかなるわ。だけど、まだ20本足りないわ」

「それは俺が作る!」


まだ納入まで3時間ある。

本気で傷回復ポーションだけ作れば、間に合うかもしれない。


 ☆  ☆  ☆


「できた! 25本」


20本作る予定が25本もできてしまった。

あとは、15本だな。


アトリエからはロザリアがそろそろ持ってきてくれるはずだ。

今度また襲われないように、レンタル護衛をつけてあるから大丈夫だろう。


「持ってきたわ」


すぐにロザリアが着いた。


持ってきたポーションは20本。

おお、アトリエの連中もがんばったな。


両方で45本で元々あった80本と合わせて125本。


予定より多いが、バカディに実力を見せつけるためにも、

全部持っていってやろう。


 ☆  ☆  ☆


「それでは、ビーナス商会のポーションの納入検査をいたします」


真面目そうな男のギルド職員が宣言する。

なぜか、横にバカディがいる。


「なんでお前がいるんだ?」

「同業として、へんなポーションを納入されては困るからな。

検査に立ち会うことにしたんだ」


ギルド職員はバカディの言葉を無視している。

無理やり立ち会いをさせろと、ねじこんだみたいだな。


「では、予定のポーション120本だ。あと、5本予備も持っていた」

「嘘だろう? そんなにあるはずが…」

「ほう。なぜ、そう思うのかな」

「いや。単にそう思っただけだ」

「ふふふ。甘くみないでもらいたいな。ビーナス商会をな」

「ぐぐぐぐ」


バカディの悔しそうな顔を見るとすっきりするぞ。

こういう、くだらないことで邪魔して喜ぶ奴らは叩きのめすのが一番だ。


俺は剣士ではなくから、剣で叩きのめしたりしない。

品質で叩きのめしてやるんだ。


「それでは、品質チェックをしますね。『鑑定』」


おお、そのギルド職員、鑑定スキルの持ち主か。


鑑定スキルがあれば、どんなアイテムかがわかる。

さらに鑑定スキルが高いと品質もわかってしまう。


「全部で125本のうち、品質は…えっ?」

「どうした? 低品質のばかりなのか? そうだろ」


バカディがちゃちゃを入れている。

もちろん、そんなはずありはしないが。


「高品質が40本。普通品質が60本」


おおっ、高品質になったものが半分あるのか。

それはすごいな。


「じゃあ、残り25本は、売り物にならないってことだな」


バカディがにやにやしている。


ところが…その顔はすぐに驚きの顔に変わる。


「残り25本は、超品質! 初めてみました」


うわ、それ、俺が作ったやつだな。

バカディのつまらん小細工が頭に来て、ずいぶんと魔力を投入しすぎたらしい。


「これは普通には販売できませんね。特別枠になります」

「と、なると?」

「100%増しの価格になります」


おおー、ちゃんと評価してくれるんだ。

さすが冒険者ギルド。


「あと、高品質のものも30%増しです」


横にいるバカディを見てみる。

おおっ、やっぱり、悔しそうな顔をしているな…あー、すっきりした。


「ちなみになんですが、いままで納入されていたポーションはどんな品質だったんですか?」

「低品質にならないギリギリのラインの普通品質でした」

「すると、最低なポーションということですね」


横にいるバカディに向かって言ってみた。

あ、怒って出て行ってしまった。


ざまぁ、みろ。


今日の3本目です。


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