表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/70

第29話 不潔・睨み・鞭。薬師奴隷を買おう

「それで。薬師奴隷が欲しいということだな」

「ポーションの売れ行きが順調だからな」


アルフォン商会に来ている。

あらかじめ連絡を入れてあるから、売れる奴隷を用意してあるはずだ。


もっとも、冒険者ギルドへのポーション卸の話は黙っている。

普通に忙しくなったと言ってあるだけだ。


「うちも、それほど薬師に余裕がある訳ではないんだがな」

「そうなのか。無理なら他を探すぞ」

「ちょっと待て。無理とは言ってないぞ」


正直、アルフォン商会は薬師が余っているはずだ。


うちがポーション毎日30本売っているから、アルフォン紹介は売上が30本減っているのではないか。


「どうしても、というなら。薬師奴隷を1人なら売ることができるぞ」

「その1人は選べるのか?」

「ああ。薬師の熟練度によって値段は違うがな」


まぁ、1日のポーション作成可能数によって違うのだろう。

労働力として考えれば、当然だな。


「それでは、奴隷薬師のアトリエに連れていくぞ」

「専用アトリエがあるのか」

「まあな」


連れて行かれたアトリエはひどいところだった。

掃除が全くされておらず、腐ったような嫌な臭いがする。


そんな不潔な場所でポーションづくりだなんて、どうかしているな。


「ここには、来たくないんだが」

「もう少し、なんとかしろよ」

「薬師奴隷はポーションづくりしかやせらてないからな」

「・・・」


話を聞くと、ここにいるのは限定奴隷だけだという。


限定奴隷は借金から奴隷になった人だ。

どんなことをさせていいのか、契約で決まっている。

さらに期間があり、期間が終われば解放される。


「奴隷のいいとこはな、文句を言わないところだ」

「言わないではなく、言わせないだろ」

「どっちでも同じだろ」


どうも奴隷制度って心理的抵抗があるな。

基本的人権とか言っている世界の常識が残っているからな。


「順番に連れてくるぞ」


全部で5人の薬師奴隷がいるらしい。


最初の奴隷が来た。


40歳くらいの女だ。

うーん。眼が死んでいる。

作業環境が悪いのだろう。

ポーションづくりを延々とさせられていたら、そうなるのだろう。


金貨80枚だという。


パスだな。



次の奴隷が来た。


60歳を越える婆さん。

今にも死にそうだ。


大特価で金貨40枚。


特価とか、そういうんじゃないだろ。


「お前なぁ、奴隷っていうのは、こんなもんだ」

「もう少し、ちゃんとした奴隷はいないのか?」

「では次だな」


こっちの話はスルーして、次の奴隷を連れてくる。

おや、若い。


というか若すぎる。

15歳の女の子だ。


俺のことを睨んでくる。


だけど、眼は死んでいないな。


「こいつは、経験が少ないが伸びしろがあるぞ」

「薬師スキルはあるのか?」

「ちゃんとあるぞ。ただし、薬師業務限定だからな」


こいつ、残念そうにしてやがるな。

どうせ、完全奴隷なら自分の女にしようと思っているんだろう。


「それはそうだ。俺が求めているの薬師だ。情婦じゃない」

「両方できるのが理想だかな」


そんな話をしている間も俺を睨んでいる。

嫌われる理由なんてないんだがな。


「この少女はいくらだ?」

「まだ奴隷期間が10年あるし、伸びしろを入れて金貨100枚だ」

「高いな。だいたい、睨んでいるぞ。ちゃんと言うことは聞くのか?」

「あー、反抗的ではあるな。よし、金貨80枚で譲ろう」


今回の予算で金貨100枚を用意してある。

金貨80枚なら可能だ。


「名前はなんていう?」

「メル。お前は誰だ?」

「俺はアキラ。ポーションアトリエを運営している」

「アタイを買うのか?」

「まだ分からないが。誰かふたりを買おうと思っている」

「なら、他の奴にしておけ」


なぜか、こいつ。

俺のことを嫌っているらしいぞ。

理由はわからないが。


「俺に買われたくないらしいぞ」

「おい。余計なことを言うな!」


ビシッという音と共に少女に鞭が当たった。


「痛っ!」

「ちょっと、やめろよ」

「自分の奴隷だ。反抗的な態度には鞭だ。奴隷を持つなら常識だぞ」

「とにかく、やめろ」


鞭はやめさせた。

それでも俺を睨んでくる。


「よし、この少女にしよう。いいな」

「金貨80枚だ。交渉成立だな」

「了解した」

「ほら、あいさつしろ。新しいご主人様だ」

「ふん!」

「こういうときは鞭だ。こいつの主人はお前だから、鞭を貸してやろう」

「いらんよ」


よし、これでヒーリングポーション日産50本体制が見えてきたぞ。


奴隷少女を買いました。


この少女、どうなる?って気になったら。

ブクマと評価をお願いします。↓でポチッとしてくださいね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ