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第28話 契約薬師・取り扱い・増産。ポーションの流通が変わってきた

ビーナス商会のポーション露店は順調に売り上げを伸ばしている。


元々、この都市国家では冒険者がそれほど多くないというのもあって、ポーションの消費はそれほど多くない。

ヒーリングポーションなら、だいたい毎日100本の供給があれば十分だ。


現在、ビーナス商会では日産30本ほどになっている。

そのためにビーナス商会では2人の薬師と買い取り契約をしている。


ただ、品質が良いことが知れ渡ってきて、品薄気味だ。


「そろそろ、薬師をもうひとり増やさないといけないな」

「そうね。おばあさんの薬師が多いから、無理させられないのよね」


うちで契約している薬師は、全部女性。

ひとりだけ40代の女性だけど、あとは60歳以上のおばあさんだ。


「もっと若い人がいればいいんだけどね」

「それは難しそうだわ。アルフォン商会が手放さないから」


若い人だと、アルフォン商会ががっちり押さえていて、依頼ができない。

うちで依頼しているのは、アルフォン商会が依頼を出さなくなった薬師。


「あせらずに、いきましょう」

「そうだな」


そんな話ロザリアと話していると、ルティがやってくる。


「大変なの。冒険者ギルドのギルマスがお話があるって」

「ギルマス? あ、ギルドマスターか。ギルドの一番偉い人だな」

「そうなの。とっても偉い人、なの」


ルティの後ろから来たのはガタイが良いおっさんマッチョ。

シャツを着ているんだけど、マッチョだとわかるぞ。


「こちらがビーナス商会のアトリエですな」

「はい。私がビーナス商会の会長ロザリアです」


俺は技術者だって顔をして、ロザリアの横に立つ。

対外交渉はロザリアの担当だ。


「こっちがうちの主任薬師、アキラです」

「それは、それは。今日はお願いがあって参上しました」

「なんでしょう?」

「実はうちにヒーリング・ポーションを卸していただきたいと思いまして」

「えっ」


なんと。

冒険者ギルドから直々に取り扱いの依頼がきた。


「最近、ギルドでのポーションの売り上げが減っていましてな。

いままで買ってくれていた冒険者、それも高ランクの冒険者が買わなくなっていて。

『なぜ、ポーションを買わないのか』と聞いて、ビーナス商会を知りまして」


ああ。

うちのポーションを買ってくれている冒険者の常連が何人もいたな。


冒険者にとってポーションは必需品だ。

高ランクになると、毎日、ポーションを使うのが当たり前になっている。

それも1本ではなく、何本も。


元々は冒険者ギルドで買っていたのが、品質がいいというのでうちで買うようになったんだろう。


「できれば、1日ヒーリング・ポーション50本を仕入れたいんだが」

「いきなり50本とは? 多いわね」

「もともと、そのくらいは売れていたんだが。最近はビーナス商会のお店に負けて減ってしまっているがな」


50本か。

残念ながら、すぐには用意できないな。


冒険者ギルドが扱うようになると、露店の売り上げが減るはずだ。

半分以上は、冒険者が買っているらしいからな。


「ちょっとうちの技術担当と話しますわ。ちょっとお待ちくださいね」


ロザリアとこそこそと打ち合わせをする。

ふたりとも同じ意見だ。


「その話、進めましょう。仕入れの掛け率はいくらでしょう?」

「ギルドは売価の75%で仕入れている」


うん。問題はない。

妥当な掛け率だ。


「ただ、毎日50本となると増産をすることになるので、最初の納入まで1週間ください」

「わかった。よろしく頼む」


いい感じで冒険者ギルドと協業ができそうだ。

しかし、露店の分もいれると、冒険者分が減るのを見込んでも、2倍に増産が必要だ。


このままの人員ではとても足りない。

もっとも薬師を増やさないと無理だな。


リミットは1週間。

なかなか忙しいな。


ビーナス商会、順調です。


続きが気になるって思ったら、ブクマや↓の方にある評価をぷちっ、としてくれると嬉しいです。

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