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第18話 薬師・薬草水・魔力。ポーションの秘密探求は楽しいぞ

「できた」


『傷回復ポーション』


これが、一般的なヒーリングポーションと言われているものだと思われる。

魔物にやられた傷を回復するポーション。


レベルは1で、液体の色は緑。


素材は丸い葉っぱ、名前ばわからないが24番と数字がふってあった。

ロザリアに聞けば、きっと名前もわかるだろう。


「傷はないけど、どんな味がするのか確認だけしておこう」


味見だから、ポーションを少しだけ飲めばいい。

なんで、味見なんてするのかというと、ヒーリングポーションはまずいって聞いていたから。


いままで俺が作ったポーションは美味いのばかりだった。

だけど、こいつはまずいのか。


まぁ、見た目は青汁だからな。

やっぱり苦いのか。


「あれ? さわやかな味じゃないか」


すっとする感じ……ミントティみたいな。

まずくなんてことは全くない。


おかしいな。

まずいって言われているんだけどな。


まぁ、レシピ違うから、別物かもしれないな。


これでレベル1のポーションのレシピは4つになった。

水と微回復と小回復と傷回復。あと名前がない枠だけのが1つ。


枠があると埋めたくなるのが生産職気質だな。

使うかどうかはおいておいて。

すべてが作れるようになりたいからな。


あ、そういえば。

レベル1のポーションはすべて素材が葉だな。

水は素材なしだから例外だけどね。


「なにしてるの?」

「うわっ」


素材の葉っぱを観察していたら、後ろにルティが立っていた。

いつの間に部屋に入ってきたんだ?


「ちゃんとノックしないとダメだろ」

「したよ。だけど返事なかったから、入ってきちゃったの」


あー、新ポーションづくりに没頭していたからノックに気づかなかったのか。


「何か、手伝うことはないかと思って」


そういえば、ロザリアに拉致されてからは、ルティに何も頼んでなかったな。

それまでは毎日ように頼んでいたのに。


「そうだ。ひとつ頼まれてくれないか」


 ☆  ☆  ☆


「また、ずいぶん集めたね」

「うん。どんなのがいいか分からなかったから、あちこち行ってみたの」


ルティに集めてもらったのは、雑草。

そこいらに生えている植物達。


「それじゃ、お駄賃あげないとね」

「あのね。友達にも頼んだの」

「じゃあ、友達の分もだね」


正直言うと、お金は全く心配なくなっている。

ビーナスポーションを売ったお金の6割は俺のとこに入る。

ロザリアはノルマは厳しいがその分ちゃんとお金で返してくれる奴だ。


今は相場が1本で金貨3枚だから、5本作ると1日で金貨15枚の6割だから金貨9枚。

大して使っていないから、俺の貯金は増えまくっている。


どちらかというと、使い道がなくて困っているのが現状だ。


「ええっ、銀貨1枚。こんなにもらっていいの?」

「ああ。友達と一緒にうまいものでも食え」

「ありがとう」


お礼を言って帰ろうとするルティが、何かもっている。

ん? なんだ、それ?


「その瓶、もしかして、ポーションか?」

「ううん。ただの薬草水。友達の薬師さんに習っているの」


薬師が作るポーションというのは薬草を素材にして加工していく。

薬草をすり潰して、水と混ぜて魔力を注いで作る。


ルティはまだ、魔力をうまく注げていないんだな。

ポーションにならずに、薬草水で止まっている。


「どれ。俺が手伝ってやろう」


ちょっと好奇心でやってみたくなった。


薬草水を元に、軽く魔力を注ぐ。

ただの薬草水がとても綺麗な青い液体に変わった。


「わー、すごい。ポーションができた」

「あれ。小回復ポーションになったな」


そうか。薬草水に俺が魔力を注ぐと、小回復ポーションになるのか。

傷回復ポーションにしたかったんだが。


「これ、もらっていい?」

「いいぞ。ただし、売ったりしてはダメだ。捕まるからな」


ポーション無許可販売はやめたほうがいい。

俺も痛い目みたからな。


今回のことで、不思議なことが分かった。


薬草と瓶から小回復ポーションを作るより、

ルティがもっていた薬草水から小回復ポーションを作るのは、注ぎ込む魔力が半分以下になる。


要は小回復ポーションを量産しようと思ったら、薬草水を用意したほうがいいということだ。


「そうだ、薬師のお友達、連れてきてくれないかな」

「うん、わかった。この後、連れてくる」


ポーションづくりをしているなら、同業だ。

ちょっと聞いてみたいことがある。


ルティが走り去るのをみていた。


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