【時集めの灰眼卿】
神隠し→カオナシ→顔剥ぎソフィー→剥奪
起動条件―属性に対する適性、想像の具現化。
【時集めの灰眼卿】
灰で染まった二つの眼に
麗しき日々の残響はなく、
深き溝の暗闇に
その身を浸した青い血は、
黄昏の下に立ちつくし、
癒えぬ忘却に苛まれ、
宝物庫にある黄金を求めた。
来たれ、豊かな時を欲する者よ。
愚かなその眼を幸福で満たせ。
〇魔術・魔法の種類
・時空属性、創造型。
〇詩における規則性
・一文を長くする。連続性。
・定型文「来たれ、~者よ」。
〇言葉の記号性
・「灰で染まった二つの眼」は、過去を悔いている者。
・「麗しき日々の残響」は、過去の美しい思い出。
・「深き溝の暗闇」は、耐えきれないほどの精神的及び肉体的な苦痛。
・「青い血」は、高貴な血筋。
・「黄昏」は、記憶にある顔が判別できなくなっていることの比喩。
・「癒えぬ忘却」は、戻らない記憶。
・「宝物庫」は、他者の記憶領域。
・「黄金」は、記憶。
・「幸福」は、幸せな記憶。
〇解釈及び解説
・主観的な幸福に関する思い出、それに費やした時間を奪う魔法。『灰眼卿』は時を奪うだけでなく、奪った時を留めておく役割を担う。
・対象が苦痛であると感じた時間は、奪うことができない。
・全体に流れていた時間ではなく、個人に流れていた時間に干渉する。一定の知性を持つ存在からしか、奪えない?
・創造型としたのは、元々存在している者を呼び出すのではなく、想像の存在に形を与えるため。
・魔法名は、行為プラス二つ名のような感じ。
・一行目の『二つの眼』で、人のような姿を連想させたかった。
・二行目は、「すでにない」の意。「最初からない」の意にあらず。
・三~六行目は、暗い過去を匂わせる部分。
・六行目は、戻ってほしいのに欠落している。小さな幸せは、あまりに儚くて忘れてしまった。
・七行目は、『宝物庫』がちょっと合っていない感じがする。
・ムヒョロジの『顔剥ぎソフィー』はかわいい顔を剥いでいったけれど、こちらは美しい記憶、時間を人から剥ぐ。剥ぐ?
・修復は可能だけれど、そのためには彼を倒さなければならない。
※勝手に『彼』のイメージにしている。
・空の境界の『忘却録音』は、本人が忘れていた記憶を奪うものだったね。<よくってよ!




