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読むと死ぬ

作者: SOL

 最近耳にした噂によると、この世の何処かに《最後まで読むと〝死者が迎えにくる〟物語》があるという。


 オカルトマニアを自負する俺は、その噂に前のめりで食いついた。そんな物語があるのなら、是非とも拝読させてもらいたいもんだ。


 まあ、噂を鵜呑みにはしてなかったし、もちろん半信半疑だった。

 でも、〝死者が迎えにくる〟物語なんていうフレーズは、オカルトマニアなら誰だってグッとくるはずだ。自分の目で真偽を確かめたくなって当然だろう?


 なんとかして読んでみたい! という気持ちが日増しに大きくなって、俺はあっちこっち噂の物語を探し回った。


 学校の図書館には、当然そんな本はなかった。

 街の図書館にも、やっぱりそんな本はない。

 ましてや書店にそんな本が並べられているはずもない。


 半ばあきらめかけていた俺はある日、ネットのオカルトサイトで《最後まで読むと〝死者が迎えにくる〟物語》と書いてあるリンクを発見した。


 これはっ! と心臓が高鳴った。やっと出会うことができて興奮した。


 偶然みつけられたのか?

 もしや、オカルトマニアの執念が導いたのか?

 まさか、死者に呼び寄せられた……ってことはないよな?


 なんにせよ、やっと読める! 俺は迷わずリンクを踏んだ。


 飛んだリンク先には、タイトルも作者名も書かれていなくて、いきなり本文が始まっている。


 なになに? パソコンのモニターには、こんな文字が綴られていた。





♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎

 最近耳にした噂によると、この世の何処かに《最後まで読むと〝死者が迎えにくる〟物語》があるという。

 オカルトマニアを自負する俺は、その噂に前のめりで食いついた。そんな物語があるのなら、是非とも拝読させてもらいたい。

 まあ、噂を鵜呑みにはしてなかったし、もちろん半信半疑だった。

 でも、〝死者が迎えにくる〟物語なんていうフレーズは、オカルトマニアなら誰だってグッとくるはずた。自分の目で真偽を確かめたくなって当然だろう?

♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎







「そうそう! それでこそオカルトマニアだよなっ!」


 俺は物語の主人公に共感した。


 これはなかなか、面白そうだぞ! とその先が気になって、俺は読み進める。







♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎

 なんとかして読んでみたい! という気持ちが日増しに大きくなって、俺はあっちこっち噂の物語を探し回った。

 学校の図書館には、当然そんな本はなかった。

 街の図書館にも、やっぱりそんな本はない。

 ましてや書店にそんな本が並べられているはずもない。

♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎







「なんだよコイツ。俺と同じようなことしてるじゃんか」


 物語の主人公の行動が、あまりにも自分と似かよっていたので、俺は声に出してくすりと笑ってしまった。


 なかなか引き込む物語だな! と俺のマウスホイールを回す手が速まる。







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 半ばあきらめかけていた俺はある日、ネットのオカルトサイトで《最後まで読むと〝死者が迎えにくる〟物語》と書いてあるリンクを発見した。

 これはっ! と心臓が高鳴った。やっと出会えて興奮した。

 偶然みつけられたのか?

 もしや、オカルトマニアの執念が導いたのか?

 まさか、死者に呼び寄せられた……ってことはないよな?

 なんにせよ、やっと読める! 俺は迷わずリンクを踏んだ。

♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎







 あ―― 俺はバカだ。

 ここまで読んで、俺はやっと気づいた。


 え……? これ……

 俺……なの……か……?


 急に背筋が寒くなる。マウスを握る俺の手は、汗でびたびたになっている。


「どういう……こと……だ?」


 そう呟きながら、俺は画面をスクロールさせて続く文字を読む。







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飛んだリンク先には、タイトルも作者名も書かれていなくて、いきなり本文が始まっている。

 なになに? パソコンのモニターには、こんな文字が綴られていた。
































          お前も

           死ね







♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎





 ひたひたと


   足音が近づいてくるのが聞こえた。


 ぴちゃぴちゃと


   何かを滴らせながら、どんどん近づいてくる。



   俺は


     血の気が引いた



首の後ろに冷たいものを感じる



            なにか


               うしろにいる



   髪の長い 血まみれの女が


                 いた






 了


♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎♠︎






















































          お前も

           死ね















大丈夫ですか……?


あなたのうしろには

 なにか

  いませんか?

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