読むと死ぬ
最近耳にした噂によると、この世の何処かに《最後まで読むと〝死者が迎えにくる〟物語》があるという。
オカルトマニアを自負する俺は、その噂に前のめりで食いついた。そんな物語があるのなら、是非とも拝読させてもらいたいもんだ。
まあ、噂を鵜呑みにはしてなかったし、もちろん半信半疑だった。
でも、〝死者が迎えにくる〟物語なんていうフレーズは、オカルトマニアなら誰だってグッとくるはずだ。自分の目で真偽を確かめたくなって当然だろう?
なんとかして読んでみたい! という気持ちが日増しに大きくなって、俺はあっちこっち噂の物語を探し回った。
学校の図書館には、当然そんな本はなかった。
街の図書館にも、やっぱりそんな本はない。
ましてや書店にそんな本が並べられているはずもない。
半ばあきらめかけていた俺はある日、ネットのオカルトサイトで《最後まで読むと〝死者が迎えにくる〟物語》と書いてあるリンクを発見した。
これはっ! と心臓が高鳴った。やっと出会うことができて興奮した。
偶然みつけられたのか?
もしや、オカルトマニアの執念が導いたのか?
まさか、死者に呼び寄せられた……ってことはないよな?
なんにせよ、やっと読める! 俺は迷わずリンクを踏んだ。
飛んだリンク先には、タイトルも作者名も書かれていなくて、いきなり本文が始まっている。
なになに? パソコンのモニターには、こんな文字が綴られていた。
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最近耳にした噂によると、この世の何処かに《最後まで読むと〝死者が迎えにくる〟物語》があるという。
オカルトマニアを自負する俺は、その噂に前のめりで食いついた。そんな物語があるのなら、是非とも拝読させてもらいたい。
まあ、噂を鵜呑みにはしてなかったし、もちろん半信半疑だった。
でも、〝死者が迎えにくる〟物語なんていうフレーズは、オカルトマニアなら誰だってグッとくるはずた。自分の目で真偽を確かめたくなって当然だろう?
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「そうそう! それでこそオカルトマニアだよなっ!」
俺は物語の主人公に共感した。
これはなかなか、面白そうだぞ! とその先が気になって、俺は読み進める。
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なんとかして読んでみたい! という気持ちが日増しに大きくなって、俺はあっちこっち噂の物語を探し回った。
学校の図書館には、当然そんな本はなかった。
街の図書館にも、やっぱりそんな本はない。
ましてや書店にそんな本が並べられているはずもない。
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「なんだよコイツ。俺と同じようなことしてるじゃんか」
物語の主人公の行動が、あまりにも自分と似かよっていたので、俺は声に出してくすりと笑ってしまった。
なかなか引き込む物語だな! と俺のマウスホイールを回す手が速まる。
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半ばあきらめかけていた俺はある日、ネットのオカルトサイトで《最後まで読むと〝死者が迎えにくる〟物語》と書いてあるリンクを発見した。
これはっ! と心臓が高鳴った。やっと出会えて興奮した。
偶然みつけられたのか?
もしや、オカルトマニアの執念が導いたのか?
まさか、死者に呼び寄せられた……ってことはないよな?
なんにせよ、やっと読める! 俺は迷わずリンクを踏んだ。
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あ―― 俺はバカだ。
ここまで読んで、俺はやっと気づいた。
え……? これ……
俺……なの……か……?
急に背筋が寒くなる。マウスを握る俺の手は、汗でびたびたになっている。
「どういう……こと……だ?」
そう呟きながら、俺は画面をスクロールさせて続く文字を読む。
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飛んだリンク先には、タイトルも作者名も書かれていなくて、いきなり本文が始まっている。
なになに? パソコンのモニターには、こんな文字が綴られていた。
お前も
死ね
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ひたひたと
足音が近づいてくるのが聞こえた。
ぴちゃぴちゃと
何かを滴らせながら、どんどん近づいてくる。
俺は
血の気が引いた
首の後ろに冷たいものを感じる
なにか
うしろにいる
髪の長い 血まみれの女が
いた
了
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お前も
死ね
大丈夫ですか……?
あなたのうしろには
なにか
いませんか?