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闇夜を照らす暁  作者: 高月水都
蜃気楼
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闇修留封印

  第94話  光

 人神のみ歌える歌――神歌。

 それを歌いながらそいつの動きを封じる。

「煩いな」

 花蕾を殺そうとしていた手を止める。

「それ。止めてよ」

 忌々しいと言う様に睨んでくる。

 

 だが、答えず謳う。


「止めろって言ってんじゃない!!」

 花蕾から離れて迫ってくるそいつ。

「「紅諒!!」」

 案じる声。

 そいつはこちらの歌を封じようと喉を掴んでくる。

 だが、掴む前にゼロ地点で銃を放つ。

「くっ!!」

 近過ぎるのでこちらにも多少――後で多少どころではないと怒鳴られたが――影響があるが歌は途切れない。

「ムカつく」

 憎悪を向けてくるが、そいつの赤の瞳に一瞬だけ蒼い色が見える。


――逃げて、紅諒!!

 泣いてる修留の姿が見える。


 不細工な顔だな。

 醜いし見ていられるモノじゃない。

 そのしゃべり方も不愉快だ。お前はいつも無駄に口を動かして絡んで来い。

 人の事を考えずにずかずか入ろうとするのが思えだろう。

 お前は――。

 いつもの様にへらへらと笑ってろ。

 少しは頭を使え脳筋がと殴り飛ばしてやるから。

 

 きりりりりっ

 

 そいつの首に付けている拘束具をきつく締める。

 罪人の《修留》を拘束するために俺の腕輪と連動している。

 …………俺の命令には絶対服従。俺から許可なく離れる事が出来ない様につけられているが修留にはめったに使用しない。

 だが、こいつは修留じゃない。


 手加減などしない。


 首を絞めて、苦痛で顔を歪めているそいつの動くを床に押さえ付けて封じる。

「ざけんな!! お前なんてニセモノのくせに!! お前なんていらない!!」

 必死に抵抗するが相手にしない。


 すうっ~


 拘束系の神歌を止めて――効果が出るのが弱かった。弱体化しか出来なかった――次の神歌を紡ぐ。

 ………正直、霊力を使い過ぎた。

 傷こそ塞いだが全快とも言えない。

 だが、今しか封印できる機会は無い。


『一人でやる時実が死ぬよ』

 声がした。


「………お前は」

 信じられないと呟くそいつに答える気はないと声の主が黙っている。

 淡い光。

青藍せいらん…」

 泣きそうになって呟くそいつ。


 青い髪。

 紫の瞳。

 優しげな雰囲気。

 額には《蓮華》。

 

 自分のでは無い霊力が流れ込む。

「「翼は慈悲により白に染まる」」

 二人の歌が重なる。

「「悲しみは眠り、怒りは灰になる」」

「止めろ…」

 怯える声。

「「彷徨う幼子は安住の地を手に入れ」」

「せっかくの自由が」

「「暖かな手で安らぎを得る」」

 負担が少ない。

 封印の高等な神歌だが謳っていても楽だ。

「「幼子よ。そのかいなで眠れ」」

「嫌、嫌ああああ!!」

「「悲しみが薄れる時まで、怒りが落ち着くまで見守ろう」」

 術が発動する。

 闇色が抜け落ち、全体的に縮む。

「修留!!」

 縮んだ先に小柄な少女の姿。

「………面倒掛けるな」

 次は相手にしないぞ。 

 そう告げると、修留が小さく。

「ありがと・・・」

 と呟いた気がした。

Q青藍さんって何者ですか?

Aそれは次回で

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