表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
闇夜を照らす暁  作者: 高月水都
蜃気楼
87/265

囁き

名君と言われてるけど影がある。

  第86話  囁き

 似た二人だな。

 それが第一印象。

 若い男。

 壮年の男性。

 若々しさ。心労や気苦労で皺や白髪が増えたのか老いた印象。

 それさえ取っ払えば先入観なしで同じ顔だと思える。


 普通なら親子だと思うかもしれないが………。

「混沌の民と言ったな」

 銃口を若い方の男に向けておく。

「お前達は何者だ?」

「えっ!? あのっ!! 紅諒も知らないのですかっ!?」

 花蕾が動揺している。

「俺が知っているとでも?」

「………普通はそう思いますよ。混沌の民と言う言葉に反応してますし」

 そう言われるが、

「反応しているのは修留と阿蛇だ。俺は知らん」

 正式には、修留の内側か――。

「それをさっさと話せ」

 銃口を若い方に向ける。

「……知らないのか。まあ、わちしも混沌の民に成り掛けだけどね」

 でも。

「――話すと思う?」

 目を光らせての宣告。

「……だろうな」

 簡単に話した方が胡散臭い。

「力ずくで話させた方が素直にしゃべるだろう」

 そう判断すると、

「あのなんですかその考えは…」

 花蕾が突っ込みを入れるが無視する。


「ふうん。――話に来ていた通りだけど。少し待ってくれない?」

 その後なら付き合うよとあっけらかんに告げる声。

「――用があるのか?」

「そう。――こいつにね」

 混沌の民――刹雅は同じ顔の領主を指さす。

「刹雅…!?」

「わちしは恨んでないけどね。流石にそれで何もしないのは別だろうしね」

 通過儀礼と言うのかな。

 ・・

「それ」

 指差したまま告げる。

「消さなくてはいけなくてね」

 その言葉に反応して領主が腰を抜かしたまま逃げようとする。

「面白いよね」

 笑いながら話し掛けてくる。

「こいつはね。わちしを殺して実験を失敗させて、その事実に怯えて、ずっと罪に怯えて名君として責められないように振る舞ってきた。だけどね、皆が崇めてくれればくれるだけ、罪の意識に囚われて、誰も責めてないのに自分で自分を責めだしたんだよね」

 見ていないはずなのに、見ていたような振る舞い。

「可哀想だと思わないかい? 怒っても居ない責めても居ない。それでも罪の意識で怯えててさ」

 くすくす

「………お前の態度で怒ってないとは信じられないんだろう」

 きっぱりと告げると、

「ああ。やっぱり」

 そうなるか。

 分かり切ったていたという感じの呟き、

「でさ、混沌の民に成ったからそれ以前のしがらみを切らなくてはいけないらしくてね。……可哀想だけど、ここで殺さなくてはいけなくて」

 だから待ってて。そう告げてくるのに、

「勝手だな。――はいそうですかと待てると思っているか?」

 銃口を向け、発砲する。

「気が短いね」

 そいつは避ける。

「じゃあ、待ってもらえないなら仕方ないね」

 逃げ様とする気配。

「逃がすか!!」

 追いかけようとする。が、

 ぐさっ

「……ちっ!!」

 身体を襲う痛み。

「知られては困る。知られたら…」

 思い詰められた領主の顔。その手には血で汚れたナイフ。 

 ガタガタと怯え、追い詰められた男の形相に、舌打ちをする。

「紅諒!!」

 花蕾が焦った様に呼び掛ける。

 そのタイミングで、

「紅諒!! 花蕾!!」

 こちらに合流しようとする香真と修留。


 そして、

「――あらあら」

 刹雅の近くにゆっくりと一人の女性が姿を現す。

「お仲間を迎えに来たのに面白くなりそう」

 愉悦の笑みを浮かべて告げる女性。

果鈴かりん

 刹雅が呼び掛けるのと、

「…………る、瑠鈴るりん

 と修留が呼び掛ける声が重なった。

 そして、

「紅諒!!」

 香真が叫ぶ。

 わき腹を刺されたこちらに気付いて――。

 






紅諒「(意識失いそうだ…)」

花蕾「耐えて下さい」

香真「気を失ったら運ぶの大変だからな」


おや、修留の様子が……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ