ある従者の無謀な行為
年下いじめ
第80話 ある従者の無謀な行為
「ほんと。便利ですね」
その《蓮華》と言う身分は。
本棚から大量の本を選んで運びながら告げると、
「お前の功績も多いぞ。魔人族」
と、同じく本棚から本を取り出して、本をぱらぱらと捲り、目的の物ではないと判断して戻すという行為を繰り返している紅諒が答える。
「魔人族と言う同族が連れてきた人神族の《蓮華》。それが信じる理由になっただけだ。
そうじゃなければ人神など信じはしない。
「そういうものですか?」
「そういうものだ」
これも違うな。
そう呟いて何度目かの本を戻す作業に取り掛かる。
だが、
「……おい」
「はい……」
手を止めない。止めるほどでは無い。だが、
「……どうします?」
「……」
面倒だと顔に書いて、
「害にならないならいい」
「……そういうと思いました」
作業の手は止まらない。
なかなか探し物が見つからないと次から次へと探していると、
「覚悟~~!!」
刃物を持って襲って来る人影。
「こちらにもありません」
「じゃあ、別の棚を見てみるか」
人影を完全無視して、さっさと次の棚に向かう二人。
「やあっ!! せいっ!! とおっ!!」
人影は何度も攻撃するが、二人は気にしていない。
相手を一瞥もしないで、避け続けている。
「ひっ、卑怯だぞ!! さっさと勝負しろ!!」
人影は叫ぶ。
「思ったより古い事かもしれませんね。これだけ探しても見付からないという事は」
「逆に新し過ぎて資料に乗せてないかもしれないな」
二人は棚を調べつつ、そんな結論を出す。
「じゃあ、二手に分かれましょうか」
「その方がいいな」
じゃあ、結論が出た事で、
「こっちを見ろよ!!」
人影が二人の行き先を封じるが、
くるっ
二人は方向転換して移動を開始する。
…………二人には、その人影から送られてくる殺気にずっと気付いていて、それでいて相手にする価値が無いと判断しての行動だった。
子供だまし。
そう結論したのだ。
「こっち見ろよ!!」
ぼろぼろと泣き出す人影――もといガキんちょ。外見年齢が修留に近いが、いかんせん修留は外見ショタだが、本性はロリババアだ。
「……」
「……どうします?」
流石に無視し続けるのは大人げない。あと、こちらが悪者になってしまう。
「ガキは面倒だ」
泣けば、何でも許されるという態度が特にな。
「泣けば正義。例え、どんな理由でも泣いてしまえばこちらがいじめたという事になりますしね。流石に子供をいじめた悪人呼ばわりは嫌ですよね」
「………ったく、こんな事なら修留(げぼくその1)と香真(その2)を連れてきて〈押しつけ〉れば良かった」
「本音ただ漏れですよ」
呆れつつ、仕方ないと子供を相手する事になった。
従者だとネタバレ忘れてた。




