異変の情報
知能犯(笑)のターン
第78話 異変の情報
街の中には辛うじて食料を確保するための畑がある。
全員分賄えるほどでは無いが、それは貯蓄してあった食べ物を少しずつ削って賄っているようだ。
「それなのに祭りでたくさん出していたと思うんですが…」
「日々の生活を抑えていたら不満はどこかで出る。特別な事があれば出すと言う方針の方が心に余裕が出来る。………長期に亘ったら苦しいだろうが、今はまだすぐに解決してくれると街の人々を安心させているだろうな」
暴動が起きてない時点で上手くはいってるんだろう。
「………紅諒」
「何だ?」
「この砂漠はいつからなんでしょう…?」
地図では草原。街には畑。
貯蓄があるから長くはない。
「畑があるという事は事前に対策が取れていたんですよね。少なくとも趣味の範疇では終わらないでしょうし。そして、地図の更新を考えるといくら何でも草原が砂漠と言う違いは最近じゃないと無理ですよね」
急に砂漠になるものだろうか。
「………分からなところで砂漠化は起きていたと言いたいのか?」
「ええ。少なくても事前準備ができる程度には」
「……成程」
ならうってつけの場所があるが、簡単に見せてもらえるか。
「紅諒?」
街の中心部の方に視線をやる。
「この手の街には資料館とか図書館があるだろう。そちらに向かうぞ」
「あるでしょうが……、私達の見たい者は門外不出の可能性があります。…部外者が見せてもらえるでしょうか!?」
少なくとも私がその立場だったら何としてでも隠しておきたいと思いますよ。
「そうだな…」
住民の目が届くところに置いたら暴動が起きるかもしれない。
「図書館などが封鎖されているとでも?」
「………封鎖は去れないでしょう。娯楽が少ないですし、いつもと変わらないところを見せないとそれがきっかけで暴動が起きます」
「………薄氷の上で何とか保っているな」
余程上に立つ者が優秀なんだろうな。
「仕方ない」
面倒だが、手っ取り早い方法がある。
「紅諒…?」
額に意識を集中させて、力を集めるようにする。
すると消していた《蓮華》の印がゆっくりと姿を現しだす。
「人神だとバラすんですか!?」
「正式には《蓮華》だ。都市伝説だが、《蓮華》は衆生遍く者をすべて救済する。そういう力を持っていると言われて居る」
あくまで都市伝説だがな。
「………」
花蕾は冷や汗を掻いて。
「……貴方に一番合わない印ですね」
「全くだ」
それには同意する。
「だが、今はこれを見せれば動きやすいからな」
せいぜい利用させてもらう。
そう告げると、
「利用させてもらうつもりでも結果的には都市伝説の信ぴょう性を高めるんですね……」
と花蕾が妙な事を呟いた。
紅諒「人神の証は水戸黄門の印籠みたいで便利だな」
花蕾「それを出したり消したり出来るのが不思議ですね」
紅諒「ちょっと力を籠めればいい」
花蕾「……何その根性論」




