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闇夜を照らす暁  作者: 高月水都
蜃気楼
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捕らわれの鼠 追い詰める猫

主人公達一人も出ません

  第76話  捕らわれの鼠 追い詰める猫

 一人の男性が執務室の椅子に座っている。

「………信用できない」

 男性の傍には行儀悪く机に腰を下ろす女性。

「そう♡ でもね、あたしの出した話を飲まない以外に解決策があるの(^^)」

 にこにこと笑うがその笑みに毒が見え隠れする。

「草原だった周囲はあっという間に砂漠に早変わり♡ 砂漠には得体の知れない化け物♡ 外の助けを求めたくても連絡が付けらない。さて、八方塞がりでどうしましょう」

 猫のように目を細めて面白がる声。

「だけど、解決策は簡単簡単。ある4人の旅人を殺せば街は解放されま~す♡」

 元々そいつらの足止めの為にこの街は巻き込まれたんだから被害者と言うわけ。なんて可哀想に。

 と、事の元凶が鼠をいたぶる猫のように、楽しげに事らを挑発する様に顎を撫でてくる。

「……くっ!?」

 追い詰められた鼠。せめて一咬み出来ればいいのだが、

「別にじっ~くり考えてもいいわよん♡ ――街の人々の命がどうでもいいのなら」

 ふふっ

「この女狐が!!」

「女狐?」

 心外だと告げる声。

「あたしは混沌の民。畜生扱いされるのは嫌よ」

 混沌の民と名乗る女性は立ち上がり、

「まあ、でも。今は魔人族の味方よん♡ ほら証拠」

 賞金首の絵。

「今、街に居るのよ」

 それは昨晩。大砂ミミズを倒した者達。

 街の外に出られなくなり、僅かな食料を食い繋いできた住民には久方ぶりの食事で、活気付いたその様に安堵したものだ。

「簡単でしょ。りょ・う・しゅ・さ・ま♡」

 耳元で囁く。

 そのある意味恩人を――。

「くそっ!?」

 女性はすでにいない。用が済んだとばかりに去っていったのだ。 

「………」

 この賞金首が本物と言う証拠もない。

 魔人族の王が表に顔を出さなくなり、正室が好き勝手に命令を出している現状。たとえ本物だとしても世の流れでただの紙切れに変化かもしれない現実がそこには横たわっている。

 それに踊らされてもその賞金を取りに行く事も今の現状が解決するとは思えない。

 謎の砂漠化。

 ただが4人を捕まえる罠だとしたら大掛かり過ぎる。

 だが、

「くそっ!!」

 解決するための方法が無く八方塞がりなのも事実であった。

                   ♦

 女性はくすくすと笑って歩く。

「という事なの♡」

 唆すように囁くように、

「領主様は品行方正な方。後の事を考えて、汚名を被れない。だけど、汚名を気にしない。真の忠臣が居れば動けるかもね」

 領主様の心に寄り添える誰かが。

 告げる声。

 くすくす笑って去っていく女性。

 その近くで、領主を支えようと動いている側近がわなわなと体を震わせて、突っ立っていた。

 



4人「………」

次は出番あるからね


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