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闇夜を照らす暁  作者: 高月水都
蜃気楼
75/265

お祭り その2

街の中で飲めや歌えや

  第74話  お祭り その2

 蜃気楼だと思っていた。

「わあ~!!」

 修留の歓声が上がる。

「霊具だな」

 街を照らす明かりが、ランプや蝋燭ではなく、霊具で作られた仄かな明かり。

 その下には大勢の人々。

「魔人が多いですね…」

「魔人族の支配下だからな」

 人も多いが魔人も多い。

「紅諒。あのミミズモドキ今から料理するんだって!!」

 ちょっと、見てくるね。と好奇心満載の眼差しで修留は行ってしまう。

 街の大広間。そこには修留が倒した巨大ミミズ――大砂ミミズと言う名前らしいがどうでもいい――はこの街では本当にご馳走の様で、運んだ時――流石に修留が持っていくのは無理だったので車に乗せた。この後掃除を(香真が)する――熱烈歓迎された。

 で、今に至る。


「………平和ですね」

 花蕾が人の静かな場所を見付けて落ち着いている。

「ああ……」

 街の喧騒が苦手なので、花蕾の方に向かって落ち着く。ちなみに香真は酒を飲んで街の住民との会話を楽しんでいる。

 楽し気なお祭り風景。だが、

「刹那的な気がするんですよね…」

「奇遇だな」

 楽し気な人々。だけど、それは何かから目を逸らすために楽しんでいる。

 …………現実逃避をしているように見えるのだ。

「偽善者なら何とかしようと動くかもしれませんが、私は偽善者ではないので」

 所詮この街にたまたま寄っただけに過ぎない。

「……明日にはこの街を出る」

「そうですね」

 その方がいいかもしれません。

 視線の先には、酔っ払って歌いだす人々。その中には香真も混ざっている。

「あいつは…」

 呆れて何も言えなくなる。

「あれで明日二日酔いになった使い物にならないとか冗談じゃない」

「それは大丈夫ですよ。お酒残らない体質なので」

 ザルを通り越して枠ですし、同じくらい飲んでいても最後まで潰れないので介抱役になって面倒だとぼやいてますし。

「…………羨ましいものだな」

 そんな話をしてると、

「お兄さん達。そんなところで逢引かい? 隅っこに居ないでささっ、ぱあって飲んで!!」

「私は男です!!」

 花蕾が文句を言うよりも酔っ払いが無理やり連れて行き、酒を進める。

「花蕾!! 紅諒を助けて!!」

 ご馳走を大量に乗せた皿を持って走ってくる修留。

「紅諒は!!」

 ばたん

 倒れる身体。

「遅かった…」

 食べ物を慌てて近くの台に乗せ――非常事態でも食事は投げられなかった――駆け寄ってくる。

「修留?」

「……………………紅諒は、お酒が一滴も飲めないんだよ」

 そう告げる声がしたが、完全に意識を失っていたので答える余裕などなかった。











紅諒は酒を飲まされた

紅諒に100のダメージ

紅諒は倒れた

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