魔人の王子
何回か挫折しそうになった
第59話 魔人の王子
香真は阿蛇と共に調べていく。
そう言えば、手伝いに狩りだしたけど。こいつら誰だろう。
「なあ」
ぱらぱらと紙を捲りながら、
「あんたらは何を探してるんだ?」
ついでに探しとくけど。と声を掛けると、
「そんなのわざわざっ!?」
言うわけないでしょうと止めようする女性――桜見の前に手を伸ばして、
「――翼人の狂化を未然に防ぐ方法。翼人の寿命の延命方法」
「はぁ?」
狂化の未然に防ぐ方法。
それに、延命方法。
「……………近くに翼人でもいるのか?」
ここに紅諒達が居れば桜見が翼人だと教えるかもしれないが、香真は別行動していたので桜見が翼人だと知らない。
「ああ……」
「玲純さま!!」
慌てて止める桜見を目で制し、
「混血がどうして翼人になるか分からない。そして、短命なのも。それを知らないといけないと思った」
「………へぇ」
面白い奴だな。それに、
(ヒトの上に立つ者の見方をしてる)
これが上司なら動きやすいだろうな。どこぞの誰かさんと違って。
脳裏にとある人を下僕呼ばわりする人が浮かぶ。
「……………どうやら無さそうだ」
玲純が確認し終わって告げてくる。
「行くぞ。二人とも」
そうやって扉から出ようとするが、
ばあんっ
勢い良く開かれる扉。
「お前達!! 何者だ!!」
やべっ見付かった。
現れたのは、警備をしていた兵士達。
今まで邪魔されずに作業できた方が奇跡なのだが見つかったなら逃げないといけない。
どこから逃げるかと見渡すと、
《主》
阿蛇が窓の方を示す。
「さんきゅ。阿蛇」
がしゃああああん
窓を割って外に出て行く。
香真は走って逃げている途中。あの三人が追いかけてこない事に気付く、
「逃げ遅れたのか?」
戻って助けに行った方がいいだろうか。でも、もう遅い。
《主》
阿蛇が急かす。
それを聞いて申し訳ないと思ったが助けには戻らない。
……………うまく再会できたら謝ろう。
再会できる可能性が低いがそう決意する。
だが、運命と言うのは上手く出来ている。
「王子!!」
兵達はその侵入者を見て悲鳴を上げる。
第一王子親衛隊隊長恵石。
同じく、第一王子親衛隊隊員桜見。
そして、
「何故ここに!!」
第一王子玲純。
この場に居ない第二王子と共に、近いうちに紅諒達の前に立ち塞がるのをまだ誰も知らなかった。
いい加減合流しろよ




