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闇夜を照らす暁  作者: 高月水都
蛇と少女
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いらない名声

香真と阿蛇のわちゃわちゃ

  第53話  いらない名声

 とある上級階級の出入りするカジノ――。

「香真だ」

「香真が居る!!」

 ざわざわと人目に引くのを内心苦々しく思っているが表に出さない。それくらいの演技力は持っている。

「香真!!」

 一人の男性――確か依然仕事の依頼を受けた事がある魔人族だったな――が肩を叩いてくる。

「どうしてここに!?」

 ざわざわ

 ○○も香真の知り合い!?

 香真をスカウトをしていたという話が合ったけど。

 あの香真が専属を受け入れたの!!

 などなどの話声が聞こえる。

 

 ああ、鬱陶しい。

 

 自分のネームバリューを知ってはいたけど、面倒な事この上ない。

「香真。先日の話だけど…」

「申し訳ありません。ミスター○○。俺は専属になるつもりはありませんので」

 とは言うもの。紅諒の専属に近いとは思っている。

 下僕とは言うもの結構条件として破格だし、金払いもいい。

 いい関係なのだ。言わないけど。

「なら、金は二倍。いや、三倍!!」

「ミスター」

 呼ぶ。

「一流の方が口にする事じゃないですよ」

 あ~歯が浮く。

「そ、そうか…」

 そそくさと去っていくのでこれで諦めてくれればいいけどと思いつつ、

「さてと」

 目的の方はどちらかね。

 辺りを探していると、

《主》

 阿蛇から声がする。

《阿蛇に気付いた者が居る》

 気付いたって、蛇のお前は気付かれやすいと思うが、と口に出さずに訪ねると、

《阿蛇が阿蛇である事。それに気付いた》

「………」

 それはそれは、厄介な。

「――失礼」

 声を掛けられる。

《この者が気付いた》

 阿蛇からの警告。

 そこには一人の魔人。しかも、 

(………こいつ、魔人の中でも上位だな)

 仕事柄位の高い奴にはよく会う。

 それゆえ匂いと言うか気配で分かる。

 ………しかもこういう奴は主人として仕えがいのあるという人材だ。

 男の惚れたくは無いが、男が惚れる男と言う奴だ。

「………」

 とっさのとある人物が浮かんだがあれはまあ規格外として、

「香真。さんですね」

 知っているだろうけど、敬語で接してくる。ポイント高いなほんと。

「そうだけど?」

 それが?

 尋ねると、

「………その武器を使用して自我を保てているんですね」

「………」

 驚いたという声に、こいつ詳しいなと感心する。

 阿蛇と言うか阿蛇の様な武器を知っているという事だ。

「ただの剣闘士ではないという事か」

「……………仕事の依頼か?」 

 剣闘士は前の仕事だ。

「…いや」

 含みを持った言い方。

「………手札は多い方がいいと思ったが、無理そうだ」

 何を感じ取ったのか、

《主が阿蛇の使い手だから見に来たのだろう》

 ああ、そういう事か。

 納得、納得。

「………自我が保てなくなったら」

「まあ、それは無いと思うんで」

「……そうか。そうみたいだな」

 魔人は去っていく。

「フリーだったら誘いに乗ったな」

 あれはいい主君だ。

《主》

 阿蛇が声を掛けてくる。

 獲物が来たと言うように。

「ああ」

 ある方向に視線を向ける。そこのは紳士的な笑顔を浮かべていたが、うさん臭さを感じさせる男だった。

  

香真は引く手あまたです。紅諒の所では不憫ですけど

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