家族
ご飯食べてるシーンの多い修留。
第49話 家族
もぐもぐ むしゃむしゃ
「美味しい!!」
空腹は最高のスパイス……ではなく美味しいのだ。
大衆食堂のイメージは安い、早い。味は値段相応だと思っていたけど、この値段でこんな美味しい物を食べていいのかと言いたくなってしまう。
…………ちなみにお金は紅諒が出してくれる。(一部必要経費で落ちる)
「修留の食べ方を見ていると作り手冥利に付きますね」
「お前が作ったわけじゃないだろう」
にこにこと嬉しそうに告げる花蕾に紅諒は告げる。
「修留なら、食べ物をあげると言われたら簡単に付いて行ってしまいそうですね」
「………」
否定できない。
「いくら何でもしないよ。いい人と悪い人は分かるし」
「………………紅諒はいい人なんでしょうか?」
「聞こえてるぞ!!」
銃口を向けると、
「ならいい人と言われたいのですか?」
「……」
銃口を降ろすと、
「冗談じゃない!!」
反吐が出る。
「ですよね」
そういうと思いました。
仲いいなと本人達が聞いていたら即座に否定しそうな事を思っていると視線の端で飛空が店に入ってきたのが映る。
「……?」
流れが変わった。言葉で言い表すならまさしくそれ。
余所余所しい動き、さっきまで忙しい中、まるで決められたルーティンのように動いていたのに僅かにずれが生まれている。
(遠慮してる……)
飛空が色んな事をしようとするのをギクシャクと止めようとして…いや、止めようとし掛けて、その仕草を抑え込んでいるという感じだ。
食器を片付ける。食事を運ぶ。そんな動作に飛空が入ろうとすると先に飛空の姉が動いてしまう。
飛空がしているのは、注文と会計。
どんなに食器があって忙しくても飛空に片付け一つさせない。
まるで、腫れ物に触るみたいだ。
「……紅」
「後で言う」
紅諒は知っていた。その理由も。
「うん」
さっきまで美味しいと思ったご飯の味が分からなくなってきた。
じっと見ていると、何となく。
本当に何となく。
自分の勘違いに気付く。
「……」
小さく、小さく動いた唇。それは。
飛空の姉だと思った女性。
飛空の身内だと言うのは合っているが関係性を間違えた。
彼女は……。
(飛空の妹だ)
姉さん。
と動いたのが分かったのだ。
答え合わせと行きますか




