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闇夜を照らす暁  作者: 高月水都
蛇と少女
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狙われる人

修留は空気

  第45話  狙われる人

「いい加減にしてください!!」

 店の裏。狭い路地に飛空は居た。

「飛空!!」

 香真がそちらに向かうと飛空の傍には脅すような姿勢の男。

「香真!!」

 良かったと安堵の笑みを浮かべる飛空に、

「ぎゃああああああ!!」

 と悲鳴を上げる男。

 男の腕には先に行かせた阿蛇が絡み付いているのだ。

「よくやった阿蛇」

《阿蛇は命に従うのみ》

 しゅるしゅると男を伝って香真の所に来る阿蛇。

「――さてと」

 どすの聞いた声。

「飛空に何してるんだ!?」

 ごごごごごごっ

 そんな効果音と共に男に近付く香真。

「なっ、なっ、なっ、何でもないです~!!」

 恐怖に耐えられなくなって足を縺れさせながら逃げていく男。

「おやおや。脅し過ぎじゃないですか?」

 面白がる様に後から来た花蕾が告げてくるが、

「あれぐらいでびびってどうする」

 まあ、それよりも、

「大丈夫か?」

 尋ねると、

「う~ん。平気。かなあ? 最近多いんだよね」

「最近?」

 初耳だ。

「と言うか。香真が仕事に行ってからかな? 絡まれやすくなったというか、う~ん。よく分からないけど」

 どう説明しようかと考えるように、

「仕事しないかとしつこく誘われてるの」

 仕事に誘われるって、

「………定食屋をしてるのにか?」

 仕事に困って探しているという事も無いのにわざわざ斡旋するだろうか…?

「そうなの。おかしいでしょう」

 怪しいから断っているのにしつこくてと説明する飛空に、

「斡旋場でまだ名簿とか残っているとか…」

「あっ、そういう事もあり得るね」

 なるほどと納得して居る飛空から目を逸らし、ここまで来ている紅諒に視線を向ける。

「……」

 紅諒の黒い瞳と自分の緑の瞳が交わる。

 それだけで、こちらの尋ねたい事もあちらの答えも理解し合える。

 

 飛空を取り敢えず安全だろう店に戻す。

「わりい。旅には付いて行けなくなった」

 飛空の安全を確保しないといけない。それが俺の中で優先順位だ。

「……」

「後で違約金でも薬の正規の代金でも…」

「――前の仕事の片付けが終わってなかった」

「ふへえ!?」

「バレる前に片付けないといけない」

 何言いたいんだ。

「丁度、下僕その2がその件を自主的に動いてくれそうなので俺らはしばらくここで長居する」

 淡々と下僕達に告げる声に、

「じゃあ、その間自由行動!?」

              ・・・・・・・・・・ ・・・・・

「ああ、好きな事していいぞ。知り合いと遊んでいて、絡まれたら自主責任だがな」

 その言葉の裏にある意味を読み取れないほど浅い付き合いではない。

「ったく、また借りが増えるじゃないか」

「簡単に開放してやると思うな。一生扱き使わせて貰うぞ。下僕」

 にやり

 笑う紅諒に、

「へいへい」

 素直じゃないな。ゴシュジンサマは。

 そんな感想を抱いたと後日花蕾に酒の肴として話題にしたら、

「貴方もですよ」

 と返されたのだった。


 





狙われてる理由は察してください

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