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闇夜を照らす暁  作者: 高月水都
蛇と少女
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観光でのんびり

  第44話  空

 人が行きかう街。

 美味しそうな匂い。

 珍しい物の数々。

「すっご~い!!」

 きょろきょろと見て回ろうとする修留を掴んで、

「勝手に動くな!!」

 と叱り付ける。

「は~い!!」

 返事だけはいいんだがなと呆れればいいのか叱ればいいのかと迷いつつも、好きにさせる――まあ、度が過ぎたら説教だが――。


 観光として、見晴らしのいい建物――展望台――から街を見ていると、

「………人ってすごいよね」

 歓声を上げるかと思ったら静かな口調。

「そうか」

 わいわい がやがや

 騒ぐ声を横目にそこだけ静かな世界。

「……」

 翼人しか見えない世界に近付こうとしているなんて。

 修留の声は他の人には聞こえないが、しっかりと届く。

「人間は……」

 ぼそり

「人族は空に憧れるそうだ」

 人神も魔人も空のたいして憧れない。でも、人は高みを目指して、空を掴むように高い物を作っていく。

「空に憧れて空の一部になるように作っていく姿。ただ上を見るだけではなく安定を求めて土台も作っていく」

 自分の使っている霊具は人が作った物が殆どなのは、それがあるからかもしれない。それに、

「人が憧れる空は俺も理解できる」

 掴まないと消えていくような存在。それを欲しいと思ったから。

「……」

 じっと街並みを見ていたが、やがて、

「……僕も人の目指す空は好きだな」

 足場は無く、自分しか信じられず、何を目指しているのか分からない一人の世界――。


 親と異なる姿形で生まれると言う足場。

 禁じられた存在故に自分しか信じられないで隠している姿。

 生きる事すら精一杯な世界。

 それは常に孤独との闘い。


 翼人の生き方はその翼で空を羽ばたいていく姿に似ている気がする。


「そうか」

 はしゃぐ子供。

 叱る親。

 楽し気な笑い声。

 指差して見える世界を堪能する人々。

 翼人では信じられない世界。

「来てよかったな」

「うん…」

 頷く修留。

「来てよかったよ」

 柔らかい顔で修留は笑った。


 展望台から出て、

「さてとメシどうするか」

 香真が呟いて、食事に向かう先を考えてたら、

「飛空の家でいいんじゃないですか」

 と花蕾が告げる。

「飛空の?」

 行ったら迷惑じゃないのかと首を傾げる修留に、

「大丈夫ですよ。飛空の実家は大衆食堂ですから」

 と案内されたのは、大勢の人が集まる食堂。

 楽しそうに賑わうそこから漂う美味しそうな匂い。

 女性二人が忙しなく働いているが、飛空の姿はない。

「あれっ!?」

 休憩中かなと首を傾げる修留を横目に、

「やばいか…」

「危険ですね」

「……」

 表情が険しくなる三人。そして、香真の服からするすると阿蛇が出て行った。 






お店に居た人は飛空の家族です

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