薬
修留は頭はいい方です。(情報はかなり制限されてますが)
第41話 薬
夕飯の片付けをして飛空は帰って行く。
「客用の部屋を用意してくるからな。動くなよ!!」
言外に勝手に家探しするなと告げて去っていく香真。
「じゃあ、私も手伝ってきますか」
勝手知ったるとばかりに花蕾が付いていく。
「………」
あれだけ、泊まるのを嫌がっていたが相変わらず腹を括ると動きが早い。
と妙なところで感心していると、
「紅諒」
修留が居なくなったのを確認してから。
「彼女は人間?」
と尋ねてくる。
「………。気付いたか」
確認すると頷く修留。
「種族で言えば人間だ。だが……」
そこから先は言ってもいいものか迷う。
「だが、人間と言うカテゴリーで言えばきちんと当て嵌まらない」
断言する。
「……………彼女は」
言葉に気を付けるように、
「彼女は、僕に近い。かな…………」
確証を持てないが一番近い言葉はそれだろうと判断したように告げてくる。
「…………」
答えない。
それが答え。
「紅諒…」
迷うように、言葉を選び。
「僕が知って良かったかな」
と呟く。
「………知った事を隠せ」
それだけ告げる。
「うん」
そうすると答えた修留に、
「……飛空は、翼人じゃないが、翼人と同じ混ざり者だ」
中途半端な知識ではきちんと判断できないだろうと判断して説明する。
翼人の定義は混血。
どの種族であっても、肉体と霊力のバランスが悪くそのアンバランスさが翼と言う形で現れる。
「なら、後天的に混ぜてしまうとどうなるか。そんな研究をする馬鹿が居てな」
まったく、蠱毒の要領で兵器を作ったり、翼人を飼い殺したり、ろくな事を考える奴がいない。
「薬の実験と言う形でモニターを集めたんだ」
給料がいい。それで集まったのは貧しい者達。
「………成功したの?」
「失敗だ」
まだ戻ってこないなと耳を澄まし、
「大半は即死。辛うじて生きている者も虫の息。飛空は俺が調合している薬で生きながらえているんだ」
薬が切れたら、一瞬で命を落とすだろう。
「香真が俺に逆らえないのはそれが理由だ」
俺に逆らったら薬が手に入らない。それゆえ、下僕に甘んじている。
哀れな奴だ。
そう思っても自由にはしてやらないが。
「だから、多めの薬なんだ」
「ああ」
どれだけ時間がかかるか分からないが、しばらくかかるだろう。この仕事は。
「今作るの?」
「まあな。――修留」
修留に手を向けると渡される黒い翼。
それを手にして、神歌を紡ぐ。
宙から一輪の蓮華が舞う。それに合わせて紅諒はカバンから幾つかの乾燥させた薬草を取り出す。
宙でそれらは混ざり、幾つかの錠剤に変貌する。
「………僕の翼を何に使うか分からなかったけどこういうのに使ってたんだ」
定期的に翼を渡してたから知らなかったと告げる修留に、
「知らずに渡してたのか…」
呆れてしまう。だが、それなら、
「気を付けろ。闇色の翼人の羽根は、万病の妙薬と言われてるからな」
人魚の肉。麒麟の角と同じような扱い。
「………」
「どうした?」
「う~ん。それが本当なら翼人をこっそり作ってそうだなと思って」
「………」
ありそうで何も言えなかった。
香真のターンに行く予定




