禁術
ようやく合流
第27話 禁術
霊力が強い修留と紅諒はその敵の姿が霊力の黒い凝りに見えてしまいまだ本体が見えない。
「……紅諒」
「ああ。香真の合流を待つしかないな」
どうしようと判断を仰ぐ修留に告げる。
……正直に言うと修留の本質。闇色の翼人としての力を使えばあの霊力を一瞬だけでも散らせるだろう。ただし、それは修留と言う存在を見せつけてしまい、修留を先日の街のような目に合わせるという事だ。
「なんで香真?」
不思議そうに首を傾げるので、
「あいつは人間だからな」
修留は自分が災厄だと思っているから自分を大事にしない。今は俺の命令と言う縛りがあるから翼を出さないだけで、もしこの場に居るのがこいつが守りたいと判断した奴だけだとしたら迷わず本質を見せるだろう。その後に残されるのが感謝の言葉ではなく、元凶だと勘違いされての侮蔑だとしても。
「人間!?」
信じられないとこちらを見てくる修留に、
「使えるなら人間でも使う」
あっさり告げると、
「そんだけ信用できるんだ」
「利用価値があるだけだ」
ふふっと修留は微笑ましげに笑う。
不愉快だ。後でお仕置きしておこう。
「紅諒!!」
タイミング良く下僕その2と3が来る。
「流石下僕。ご主人さまの危機に察したか。褒めてやろう」
「………それ、褒めてねぞ。ってか、だから下僕じゃ」
「あれが見えるか?」
いつもの様に下僕その2――香真――の台詞を叩きって訪ねる。
「………どちらの目だ」
・・・・・
「お前の目だ」
香真は苦笑して、
「へいへいって、何だありゃ?」
「どうしたの?」
「……蠱毒だよな。でも、どう見てもあれは………キング●ドラの人間バン? いや、ケルベロスとかかな?」
「…………ふざけてるのか?」
銃を向けると、
「いや!! マジで!!」
そうとしか見えないと叫ぶ(役立たず)下僕その2に、呆れたようにため息をつき、
「で、キング●ドラがどうした?」
「あ、そうそう。なんだありゃ。いろんな人間…魔人も居るな。一つの身体に複数の顔があってなって、お前もキング●ドラ言ってんじゃね~か!?」
うるさい奴だ。
「……そう言えば……」
「修留?」
「禁術にあるよ。複数の人格を持たせて不安定にさせて、弱体化するの。えっと、命令形とかを混乱させるって言ってたかなあ~」
「……………………修留。それは」
もしかして。お前の……。
「……なあ、これか?」
香真がある本を見せる。
「この地に居た人神の遺書だ」
「………」
奪い取るように手に取り、
「………確かにその禁術だろうな。だが」
「……………………恨みで逆効果になってます」
今まで黙っていた下僕その3の花蕾が口を開く。
「どういう事だ…?」
「そのままですよ。命令系統を崩す禁術。では、命令系統が同じ意思で動いていたら」
緊迫した花蕾の声。
「って、それって…」
香真が焦ったように口を開く。
「より強くなると言うのか」
確認するように口を開く。
「………………………………………私のように」
花蕾は心底辛そうに肯定した。
花蕾の過去話は次。




