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闇夜を照らす暁  作者: 高月水都
蠱毒の苦痛
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その地に眠る者

紅諒しか出ません。

  第22話 その地に眠る者

「これはこれは、まさか〈蓮華〉がお見えになるとは」

 嬉しそうにこちらを見るのはこの人神を祀る地の長老。

「先代様が亡くなって不安でしたが、これでもう安心です」

 ここに留まるが決定事項になっている。

「……」

 まあいいか。わざわざ誤解を解くのも面倒だし。さっさと出て行けばいい。

(……口にして出せないように結界を構成されたら面倒だ)

 以前似たような事があった。その時は口にして留まるつもりがないと伝えたが動きを拘束しようとする術を発動させて、修留がキレた。

 それ以降、その手の話はスル-して、警戒されないうちに逃げるようにしている。

 長老の案内で――見せたいものがあると連れてこられた――訪れたのは、

「井戸……?」

 どこにでもある古井戸。…いや。

「霊力が感じるな」

 しかもかなり歪んでいるというか。

 感覚的なものを告げると霊力を水と例える。

 酸性とかアルカリ性とか温泉の性能があるという違いはあっても水は水であるが、ごみとか汚れで汚くなったのはヘドロと言いたくなるもので、この古井戸の霊力はまさしくヘドロのようなと表現できてしまう代物だ。

「蠱毒のなれの果てです」

「……」

 長老が静かにそして怯えつつ、

「……この地はかつて大勢の者が過ごしていたのですが、ある日。ここら辺一体を結界で封じ、食べ物も飲み物も手に入らない状態にさせられました」

 何者の仕業か分からない。種族も。

「飢えたあまりそこに捕らわれた者達は共食いを始めました」

「………蠱毒か」

 壷の中に大量の蟲などを入れて、共食いをさせる。そして、残った一匹が呪いの道具になる。

「先代は倒す力を持ってませんでした」

 先代に出来たのは自分の寿命と引き換えに封じる事。

「そして、私達にこの地を管理するように命じました」

 ………。

「……何考えてやがる」

 その先代とやらは。

 管理しろ。封じた事はやり方がそれしかないかもしれないが、それをしたという事はもし封印が解けたら最初にこいつらが蠱毒によって命を落とす事になりかねない。

 いや、それよりも。

(上に報告しなかったのか)

 これは、人神として未然に防がないといけない事だ。下手したら、呪いの産物でここら辺一体生物が住めなくなる。

 …………住めなくなる?

「……古井戸はずっと封じてあるんだな」

「ええ。そうですが…」

 何を言い出すのかと長老が首を傾げる。

「じゃあ、原因不明で行方不明者はいないか」

 長老を見ずに訪ねる。

 長老は気付いてない。古井戸の蓋が小刻みに揺れている事を。

「何故、それを!!」

 訪ねようとする長老の後ろから黒い何かが現れて襲い掛かろうとする。

「簡単だ」

 銃をそれに向けて撃ち。

「その先代とやらの判断がどうであれ、蠱毒のエサにされてるんだ」

 そう、こいつらは気付いてなかった。自分達が蠱毒の呪いを遅らせるために用意されたエサだという事を――>


 




香真はそのころ

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