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闇夜を照らす暁  作者: 高月水都
闇色の翼
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待ち合わせ

 第1話 待ち合わせ

「ったく、勝手に呼び出して、まだ来ねーのかよ!!」

 文句を言いながら、時計を確認する青年。

 ここはとある町に近い森の中。

「こんなイケメン☆ 拐されたらどうすればいいんだ」

「仕方ありませんよ。寄り道してからくると言ってましたし」

 青年の言葉を軽くスルーした隣で同じように待ちぼうけを食らっている人物が答える。

「その反応が寂しけど」

「はあっ。すみません。ですが……」

 二人の視線には距離こそあるが気になる物。

「あれは、困りますよね」 

「ああ…」

 二人はその気になる物に向かっていく。

 そこには、数人男に絡まれて泣きそうな少女とその少女達を遠巻きに見ている人々だった。

                   ♦

「ねえねえ、紅諒こうりょう

 ぴょこぴょこ

「紅諒ったら」

 隣…斜め後ろを歩く子供は、ずっと、同行者に呼び掛けている。

「紅諒~!!」

 ぐいっ

 頭を思い切り掴まれる。

「黙れ!!」

「痛っ痛い!!」

 絹のような黒髪。空のような蒼の瞳――きれいな顔立ちを痛みで歪めている子供に、

「何だ、ますます喧しくなっただけか」

「紅諒!! 動物虐待!! じゃなくて、パワハラ!!」

「何だ、動物の自覚があるのかと思って感心したのにな」

 違ったのかと失礼な事を紅諒が告げてくる。

「ぶううう~」

 そんな紅諒に膨れ面をする子供に呆れつつ、

「で、本題はどうした。修留しゅうる

 訪ねると痛そうにしていたのを辞め、

「今から合流する紅諒の友だ」

「下僕」

 修留の言いかけたのを否定すると修留は苦笑して、

「……下僕は、どこにいるの?」

「そろそろ合流する」

「ふ~ん。じゃあ、あそこで暴れてる人達かな。やっぱり」

 修留の呟きに眉間の皺が寄る紅諒。

「………修留」

「あいあいさー」

 紅諒の言いたい事を理解して、その集団の中に飛び込む事にする。

「手は、抜け」

 紅諒の言葉に修留は笑う。

「分かってるよ~だ!!」

 告げると、ぴょんと跳び、あっという間に集団の中に入る。

「ねえねえ、君が紅諒の《下僕その2》?」

 ある人物に当たりをつけて楽し気に確認しつつ、殴りかかろうとする者を適当にいなしていく。

「誰が、あいつの下僕だ!!」

 不快げに告げるが、あいつとはっきり言ったので、正解だと判断すると、

「じゃあ、自己紹介するよ。僕は修留。紅諒の《下僕その1》だよ!!」

 と誇らしげに告げた。






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