美月
あれから、雅さんの研究室を後にした俺達は
「あ、そーだ!手がかりになるか分からないけど、一応下界担当の部隊にも話を聞いてみたらいんじゃないかな?」
と雅さんの助言のもと、下界担当の部隊へ向った。
「えっ?局長!?どうしたんですか?」
初めに向ったのはあの流星群のように星に乗っていく部隊だった。
「やあ美月。突然悪いね。」
影坂さんは銀色のスーツに身を包んだ白髪の女性に声をかけた。
「い、いえ!いつでも大歓迎!…です。」
もしかしたら…
「あ、えっと…局長、お客様ですか?」
影坂さんは俺のことを紹介してくれた。
「初めまして秋くん。私は美月、ここ下界担当星部隊。通称流星隊の隊長をしています!
よろしくね。」
「こちらこそ!よろしくお願いします。」
隊長を務めるくらいだからきっととても優秀なんだろう。
「美月。実は私達は今下界に降りる方法について調べていてね。少し話を聞かせてくれないか?」
「も、もちろんです!」
影坂さんと話す度美月さんの頬が紅く染まる。
影坂さんは気づいているのかな?
恋をしている人は皆キラキラ輝いて見えたりすると言うけれど。
「は、はい!うちの部隊の場合は流星群の時のみにしか行くことが出来ないので参考になるかわかりませんが…」
本当にそうだ。
「えっと…うちの部隊は局長もご存知の通り流星群に乗って下界に降り、さまよう霊体を保護することを仕事にしています。帰りは
行く時に専用のロープをひいて行くのでそれで戻る感じになりますね。」
影坂さんと話す美月さんを見ていてそう思った。
「なるほど。ありがとう美月。助かったよ。」
「い、いえ!またいらして下さいね!
いつでもお待ちしていますから!
秋くんも、いつでも来てね!」
「ありがとうございました!」
去り際。影坂さんが不意に足を止めた。
「局長?」
「言い忘れていたことがあってね。美月。
口下手なため悪いが…君もいつでも局長室に来てくれて構わない。
その…一人で飲むコーヒーはつまらないからね。」
あれ…これはもしかしたら…
「え、え!?
あ、ありがとうございます!私もぜひご一緒したいです!」
微かに頬を紅く染めた影坂さんに一番の笑顔で答えた美月さん。
もしかしたら…もしかするのかもしれない。
まだわからないけれど…。
まあそこは本人達次第で…
でも、なったらいいなって思った。