運転
不思議な車…
こと大福さんに乗り込んだ。
「それじゃあ、すぐだけど一応捕まっていてね。」
影坂さんがそう言ったとたん急に外が暗くなった。
「すごい…」
「ふふっ。驚いたかい?ちょっと安全のために空間を変えたんだよ。」
外はまるで宇宙のようで、色は違うけれど、まるで夢原さんの売っていた夢に似ていた。
「綺麗だ。」
…本当に綺麗だ。
「綺麗やろー?せやけどなーもやもやし。
覚悟しといた方がええでー!」
「えっ?覚悟って…」
「わざわざ教えてやってるわいイイヤツすぎるわなー」
だめだ、聞いてない…
「じゃあ、いくよ。」
黒い手袋をはめ、影坂さんはハンドルを掴んだ。
「歯ぁ食いしばりー!」
えっ…
「うわあああああっ!」
ギュルルルルというタイヤの音がとても怖い。
「は、はやっ!えええ!?」
「すぐだからね。」
なんでこの人こんな笑顔なんだ!?
「相変わらず悪魔使い荒いわー」
これ、壊れないよね!?
本当に怖いんだけど!
数分して車、いや大福さんは止まった。
「し、死ぬかと思った…」
「だらしないなーもやもやし!」
「大丈夫かい?ようこそ我が霊体管理局へ。」
大福さんにバシバシ叩かれながら
目の前の建物を見上げる。
銀色に光る巨大なビルだ。
屋上からは流星群の様なものが降っている。
「あれは我が職員達だよ。星に乗っていく部隊だ。今日は少し忙しいようだね。」
「流れ星に乗ってくるんですか?」
「せやでー!すごいやろー!」
キラキラ光る流星群はとても綺麗だった。
「んじゃーはよいこかー!」
「はいはい。…秋くん。」
「は、はい!」