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約束
「えっ…え!?」
影坂さんは複雑そうな表情を浮かべながら言いにくそうに言葉を続けた。
「…とりあえず、明日にでも我が霊体管理局の方へ来てもらってもいいかな…?」
霊体管理局…。
そこがどんなところかはわからない。
だけど…
「行きます。…いいですよね?時雨さん。」
どんなことでもいい。
なにかわかるかもしれない。
そう…思ったから。
「もちろんですよ。シュウくん。でも私は店がありますし…」
「そこはご心配なく。私がお迎えに上がります。」
「ありがとうございます。影坂さん。」
「いえ、当然のことですよ。」
よほど気にしているのだろうか…
影坂さんは複雑そうな笑みを浮かべていた。
まだその人と決まったわけじゃないのに。
それに…もしも局員さんがその人だったとしても影坂さんは当然悪くないし。
全然大丈夫なんだけど…
多分。すごく真面目ないい人なんだろう…
「では…明日の朝卯の刻に。」
そう言って影坂さんは去っていった。