はじまり
小さなころから、魔法とか…
妖精とか…そういうもの達を信じていた。
お化けだっていると思うし、宇宙人とだって友達になってやるくらいの気持ちは今でも
もっている。
でも…実際に目の前にそれらが来たとき俺は
きっと目を疑ってしまうのだろう。
そう…
今この俺のおかれた状況のように…
…とりあえず落ち着いてみよう。
冷静さは大事とよくいうけれど本当にそうだと今改めて感じる。
まずは…
俺は記憶をたどってみることにした。
今日もいつものように部活を終えて家に帰っていたはずだ。
そう、数分前までは自転車に乗っていた。
いつもの道をまっすぐ…
それでたしか…
「ちょいとそこのお兄さん。」
ああ。そうだ。
誰かに呼ばれて…それで…
「ちょいと助けてくれないかい?」
だめだ…顔が思い出せない。
荷物をたくさん持っていて…
「優しいお兄さんに会えて助かったよ。」
長い…とても長い道を歩いて…
「ああついたついた。ありがとねお兄さん。ああ…でも…ごめんね…連れてきてしまったようだ…」
そうだ。
…思い出した。
そう言って消えた人物。
そして目の前に広がる大きな魔法陣。
歩いてきた道はどこに行ったのか辺りは暗く
魔法陣だけが光っている。
これは…もう…
目をこすっても変わらぬ光景。
困ったときは臨機応変。たしか先生の口癖だったっけ。
すぅ…はぁ…
深呼吸を1つ。
俺は覚悟を決めて前へ踏み出した。