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風の色  作者: 聖風
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第4話:透明の風

僕はエリーに自分の風の色を聞いてみた。

しかし、


「…見えない。風があるのはわかるんだけど… 何も見えないの… もしかして、これは…」


エリーは続けた。


「コレは、『無の風』? でも、そんな… アレは空想のハズ…」


「えっ? 詳しく聞かせてくれないか?」


僕は尋ねる。

自分の風についてもっと聞きたかった。


「あのね、昔読んだ物語に出てくるのが『無の風』なの。 それはね、ずっと昔に世界が風使い達の戦争で滅びかけた時に、透明な風を身に纏った一人の風使いが現れてね、世界を救ったお話なの。 でも、これは物語で本当に起きた事じゃ無いの。」


僕は、エリーが風使いには特別な能力があると言っていたのを思い出し、聞いてみた。

もしかすると、その風使いの風と僕の風が同じ物かもしれない。


「世界を救った風使いはどんな能力を持っていたんだ?」


「万能…よ。普通は一人に一つなんだけど、その風使いはいくつもの能力を持っているの。」


「そっか… 万能か。」


だんだん、頭がパニック状態になってきた。


僕は何故記憶を失った?


僕の本当の名前は?


僕は何処から来た?


僕を心配してくれている人は?


僕の『透明な風』は何?


次々と疑問が出てきて、わからない事だらけだった。


外に出たくなった。


そうだ。外に出れば僕を知っている人が居るかも知れない。

もし、僕を知っている人がいれば僕の疑問の殆どが解消する。

そして、僕を知っている人が居なくても、書物を読みあされば…


そう考えると、僕は僕を抑えられなくなった。


僕はエリーにその旨を伝えるとエリーは


「うん、そうね。でも、風は隠しておいた方がいいわよ? 黒い風の奴等に出会ったら何してくるかわからないから。」


「わかった。でも、どうやって隠すんだ?」


「身体のまわりの風を自分の身体で吸収するみたいにイメージしてみて。」


早速やってみた。

身体のまわりの風を…自分の身体で吸収する…


「!!」


何か、大きな力が僕の中に流れ込んで来るのが分かった。


「そうそう、上手。初めてなのに風が完全に消えたよ。風を出すときは、身体から放出するイメージでやればいいからね。じゃあ、早速出かけよう。ほら、早く!」


エリーは僕の手を引っ張って、僕を外へ連れだした。

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