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不思議の国の星が煌めくその夜に  作者: 黒猫
♥♢不思議の国のアリス編 prologue♦♧
5/37

002頁:お兄様のご登場ですね分かります!

*視点途中切り替え注意。

上から

ラトちゃん

マッドハット君

猫くん

ラト、です。


ねぇねぇ!僕ね面白い物を見つけたんだ


へ、へぇーどんなの?


ふふっ禁忌の本!!


えっ・・・?


すごいでしょう!?


・・・・・


ふふんっ!驚きすぎて声も出ないんだね??!!



0:0004%


***


4月17日



『大丈夫、大丈夫。痛くも痒くもないんですよ?』


『嘘つきっ。怪我したのなら痛いと言ってよ、辛いなら、嘆いても、良いんだ…! 痛くて痛くないって言わなきゃならない法律はいつできた?! 地球何回廻ったんだ?! 何時何日何分??!!』


『ふふっ変なのですね。…それに事実、痛くなんてない。麻痺してるのかもですね。それに、もしも怪我でもしたら、君が、笑顔でいてくれたら、僕はそれで構わないから。君が笑ってくれるのなら、僕の痛みだって消えるさ。』 


『***のばか…。』


『はい、バカです!』


『***はなにも分かってないっ、んだっ!』


『ほら、泣かないで?』



ザァー・・・

 薔薇園で、交わした約束。黒の空。灰色の空。紫の空。青の空。きっと、どこかで、繋がっているのだろう。


 君が傍に居てくれたら

 この手をずっと離さないでいてくれたら

 どんなに救われるだろうと

 月の無い夜

 叶わない夢を描く


**――――――――――――――


 そんな、どこか懐かしい、夢を見た。


「二日ぶりの、記憶、かな…」


そう呟きながらベットに座る。

あの日から二日ったった。勉強も出来ている。

猫くんとも仲良くしているし…なんか避けられている気がするですけどね。

知り合ったアリスさんとも仲良くしてるし、ジンくんとも仲良くしてる。


…ま、あのシドさんとは仲良くない。事あるごとにちょっかいしてきたり、趣味で僕の絵が完成前になると水をわざと吹っかけてきて絵をダメにするし…あれは正直うざい。むしろしつこい。絶対美術部に入らなかったこと、根に持ってるよ。絶対。


「ねむい」


 ごしごしと目を擦りながらクローゼット内の制服に手を伸ばす。因みに、この学園は、ブレザーと、セーラー服どちらか選べる形式になっていて、僕はもちろんブレザー制服にした。まあそれ以外に(学校指定の)制袴があるのですが。

それにブーツやヒールを合わせるんだとか…中央都市には珍しい袴や着物を着てみたかったが、それも諦めるしかなかったのだ。非常に悔しいっ。


理由は忌々しいあの若作りの理事長さんの所為だ。

『ラトちんならセーラか袴だよね~っ』と言われ速攻でブレザーを手に取った。 本人は悔しかったらしく、全部タダで渡してきた。

ちなみにあの理事長は二重人格である。


ある時はノリのいい大学生、と言った感じになるが、ある時は堅物な理事長になったり、ある時はノリのいいオタクになったり、ある時は短気になったり…ってそれは二重人格ではなく、ただの多重人格者ですね。失礼したです。

あ、制服の話だったのに話が逸れてしまったですね。


話に戻るが、生徒会や、風紀院とか、特待生とかは、黒か白、もしくは紺。セーラー服の場合は、特待生とか、生徒会は黒と深緋色、白と深緋色。一般生徒は白黒。ブレザー制服の一般生徒はベージュ。

髪を三つ編みにして、白衣を着用。


「ばあ!!」

「…殺す」

「うわぁっ!!??」

「不審者ですね」


死んじゃうなんてことは無い。なぜなら、そのまえに()り返すからね。


「ちがっ!! 落ち着け!!」

「来ないでください変態です痴漢ですね」

「痴漢ではない!! 落ち着いて!! 目が怖いよ! 無表情でそれはやめて! 僕の話をよく聞いてー!!」


 痴漢は否定しても変態は否定しないのですね、変態です!!


「投影、インストールッ」

「ちょっ! 戦闘やる気満々!!?」


 少し眠くなるがそれを無視して、自分の手に集中してメスを生み出す。


「切り刻んであげるですよっ」

「いやぁっ!! 落ち着いてぇっ!! それはらめっ!! いた、舌咬んら…」

「え…大丈夫?」


舌咬んだら痛いですしね…


「うん…少し痛いけど、我慢できるレベル!」

「そ、そう…」

「う、うん…」

「…」

「…」


き、気まずい…!いや、不法侵入した輩と気まずいも何もない気がするけどねっ


「え、えっと…その、ラト?」


自分の名前を呼ばれ驚く。


「久しぶり?」

「……っ」


 そして思い出してしまう。

また僕は気絶する。


***



『大丈夫、大丈夫。痛くも痒くもないんですよ?』


***と似ている、俺は分かっていた。だから、余計に


『嘘つきっ。怪我したのなら痛いと言ってよ、辛いなら、嘆いても、良いんだ…! 痛くて痛くないって言わなきゃならない法律はいつできた?! 地球何回廻ったんだ?! 何時何日何分??!!』


『ふふっ変なのですね。…それに事実、痛くなんてない。麻痺してるのかもですね。それに、もしも怪我でもしたら、君が、笑顔でいてくれたら、僕はそれで構わないから。君が笑ってくれるのなら、僕の痛みだって消えるさ。』 


 俺が見つけた、小さな希望(ヒカリ)


『***のばか…。』


『はい、バカです!』


 その言葉に更に涙が溢れだした。


『***はなにも分かってないっ、んだっ!』


『ほら、泣かないで?』



ザァー・・・


 薔薇園で、交わした約束。きっと、どこかで、繋がっているのだろう。


 君が傍に居てくれたら

 この手をずっと離さないでいてくれたら

 どんなに救われるだろうと

 月の無い夜

 叶わない夢を描く僕は、

 カミサマにとって、さぞかし滑稽だろう


**――――――――――――――




「どう? 思い出した?」

「…少し。と言うか、まだいたのです?」

「いたよ?で、どこら辺思い出したの?」

「んとね…」

「少しだけでいいよ」

「『君がね、笑顔えがおでいてくれたら、僕はそれで構わないから。君が笑ってくれるのなら、僕の痛みだって消えるさ。』、です」


 言われたとおりに少しだけ言うと、目の前の兄さん(仮)は顔をしかめた。


「……なんでそこなのかな~もっとこう、カッコイイ所を思い出してほしかったかな…」

「へぇ…兄さん(仮)にカッコイイところなんて有るの…」

「何気に酷くない?それ。」

「そうです?」

「大体さ、口癖がそれだよ?怪我したら『大丈夫、大丈夫。痛くも痒くもないんです』『君が、笑顔えがおでいてくれたら、僕はそれで構わないから。君が笑ってくれるのなら、僕の痛みだって消えるさ。』が、口癖の女の子ってそうそういないよ」

「…」


変わってない…


「変わってないでしょー?」


うっわ…エスパーかい。


「エスパーです」

「はい?」

「すいませんふざけてごめんなさい。だから笑わないで、目が笑ってないか余計に怖い。」


まったく…謝るくらいなら言わないでほしいですね。


「あ」

「?どうしたの?」

「学園…」

「すっごい今更だね。」

「冷静になってる場合じゃないんです。大体君は?」


 口調と表情はいたっていつも通りだが、内心焦っている。つもり。


「ぷふふ!!」

「何笑ってるのさっ」

「バカだね。今日は休みだよ?」

「え」

「気付いてなかったんだー」

「……」

「ははは! ドジっだー!」

「…人に指す、ダメ」


 ばた、と机に顔を埋める。


「ふふっねぇ、一緒にあそぼ?」


 久々に逢って嬉しいのだろう。その気持ちを無駄にさせる訳にはいかないね。


「ん…何して遊ぶです?」

「!! やった…! じゃあね、じゃあね、ラトとお喋り!」

「…どんな話?」


少し考えたが分からなかった。何をすればこの人が喜ぶのか。何をすれば楽しくなるのか、僕は分からなかった。記憶が無いってだけで済まされないな、これ。


「好きな物とか、嫌いな物とか、好き嫌いの話が良い!!」


けど、案外普通だった。それは遊ぶって言うのか…?うぅむ…不思議だ。



*シド視点*―――



 あーだるい。面白いことないか、な…そう思っていたから“アイツ”が来たんだろうか? 出来れば逢いたかった。でも遭いたくない。だって、最後にあんな事言ったんだし…覚えてたら、恥だ。愛してる、なんて言わなければよかったな…あ、凄い恥ずかしいな。しかも、あの後若干引かれたし。まぁ確かに、まだ八歳の子供が愛してるとか……うは、死にてえ…


 今でも思い出す。 それは、悲しみに、濡れた、壊れた音色と壊れた唄で、出来た、詞の唄。


『悲しみは、いつだってそばにいるの。ただ、それに人は気づかないで、大切な人に悲しいという気持ちにさせてる。そして、次の日もし会えなくなったら、悲しむ。後悔させた事に謝りたくても謝れない、そんなことにならないようにね』

 そんな、彼女の詞が思い出す。


「はぁ…会いたいな…」

 でもな…嫌われてると思う。ま、いっか。逢いに行く。


*チェシャ視点*―――


 ………いつまで経ってもラトが来ない。むぅ…逢いに行こう。話ずらかったし、(本人は話しかけていたが)休日なら話せるよな。 我ながら女々しすぎるな…漢の中の漢になろうぜ!!そんな感じでラトに行くと決めた。


「…………???」


 今、悲鳴が聞こえたような…?

 ラト、ね…似ている…名前もそれだったような…いや、違うな。

 十年前の事故…


*ラト視点*―――


「ピンクは苦手」

「へぇ~! ぜんっぜん変わってないね」

「全然変わってない…」


 あ、なんか悲しいな。


「あ、悲しまないで?そんなつもりはないから!」


 どんなつもりだい。悲しませるつもりなのかな?


「と言うか、なんで私が悲しいと思ったの気づいたの?」

「愛の力!!」

「殴るぞ」


 えっへん! と胸を張る兄さんに一刀両断。


「あながち間違いじゃないんだけど…」

「ふぅん…じゃあ詳しく聞かせて?」

「そのために僕が居る!いいよ。えっとね…」


こんこんっ!


「……」


 無言でドアを開ける。


「やぁ」

「やっほー」


バタンッ!


「うあー…一、二、三、はいっ!」


 僕は決心し、ドアを開ける。


「やぁこんにちはさよならまた今度。」


 ドアをもう一度閉じようとしたが、ドアに足を挟まれ絞めることが出来なくなった。

ああー…結局、理由を聞き出せないな…


「…で?なにかようですか?」

「一緒に遊ぼうかなって」


 笑うチェシャ猫のご登場ですね。分かります。


「私も暇だ。少し付き合え。」


 変態ボイスの俺様な帽子屋のご登場ですね。分かります。


「…」

「ラトは僕のもの。出落ちのくせに生意気。」


 ぎゅむっっと後ろから抱きしめてきた。思わずぷるぷる震える…いやだ。

なんかーものすごーく、い や だ。寒気がするです。僕は男に抱き付かれるのはごめんだが、小さな子や、女の子なら大歓迎だ。あ、変態的な意味じゃないですよ


「おい、馬鹿兄、出落ちはおまえだろ。俺は第一話からの出演者だぞ」

「うっさいな…僕は僕のしたいことをやるの。口出さないでくれる?」


……お、

分。


「っは! 嫌だね。」

「ラト、こんなのほっといてあそぼっか?」

「……っ……!」

「ラト、一緒にあそぼ?」

「ラト、部長命令だ」

「ラト、まだ僕話したい」

 ………っ!だめだ…耐え切れない………!


「黙りやがれですよ?」


 ニッコリと、笑顔で言う。いい加減堪忍袋の緒が切れた。頭に来た。

僕は喜ばない。こんなので。僕はむしろ不機嫌になるし。い や だ。


「「「うおっ」」」

「大体なんなんですか?ラトラト、うるさいんですよ」

「「「すいません」」」

「だめですよ?うざいんですよ?しつこいんだよ?気付いていますか?遊ぶならぜーいんで遊ぶこれ絶対なんですよ?大体今日が休みと言うなら私は研究室に閉じこもってやるんですよ?あ”ぁ?」

「一緒に遊ばない…?」

「今度誘え。」

「絵の描き方教えてやるぞ?」

「美術部に入らなかった事根に持ってる訳ですか?頼むからやめてくれ。」

「ラト……」

「…可愛い瞳で言わないでくれ。誘惑はご遠慮するです」」


 一から丁寧に断る。が、まだこの人たちは諦めてないようで。


…殴ろうかしら?一発ぐらい赦してくれるですよね?

平気ですよね?うん。実行しよう。

 しかし!それは残念ながら出来なかった。

だれが邪魔した ラトを~♪


「うるさいですねぇ…もっと静かに…あ」

「あ?」

「あ」

「ん?」

「あー!!! マッドサイエンティスト!!」

「…お久し振りですウサギ。」


それは僕です 兎がそう言った~♪

僕の声で 僕の瞳で~♪

僕が邪魔した ラトを~♪

なんちゃって。

 びしりと指を向けられる。

不躾だなあ…とは思う物の、こんなこと考えてる僕だって不躾かもしれない。


「何でアンタがここに居るんですか!? ストーカー?ストーカーなんですね!?」

「んなわけないでしょう。…ふむ」


 そこでふと、名案を考えた。


「私、シロウサギと遊ぶです。」

「は?」

「え?」

「へ?」

「?」

「そうと決まったら行くですよ、ウサギ」


二重人格、多重人格等の言葉で不愉快になられた方はすいません。

えっと、うん。

次回はシロくんがラトちゃんに振り回される回…かな(多分)


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